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高齢化が進行する日本。2022年からは人口ボリュームの大きい団塊の世代が後期高齢者となり、社会の負担も増加します。そのような状況に現役世代からは怒りの声も。厚生労働省の資料などから、その理由を探っていきます。

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高齢者1人を現役世代2人で支える

戦後、1947年〜1949年に生まれた団塊の世代(範囲はさまざまなで〜1951年生まれとする説もあります)。2022年から順次、75歳を迎えます。

総務省『令和2年国勢調査』によると、団塊の世代(調査時71〜73歳)は全国で596万人。総人口の4.7%、日本人の約20人に1人は団塊の世代であり、それだけの数の人が、後期高齢者へと突入していくわけです。

今後、日本の高齢化はさらに進行。国立社会保障・人口問題研究所が公表した『日本の将来推計人口』によると、2053年には1億人を割って9,924万人となり、2065年には8,808万人になるとしています。

そのころに高齢者になる世代というのは、2053年であれば1988年生まれ、今年34歳になる人たち、2065年であれば、2000年生まれ、今年22歳になる人たちです。

総人口が減少するなか、65歳を迎える人は増え続け、2036年には高齢化率33.3%と、3人に1人は高齢者となります。その後、65歳以上人口も減少しますが、それ以上に人口減少は進行するため、2065年には高齢化率38.4%に達し、約2.6人に1人は高齢者、という社会が訪れると言われています。

戦後、1950年には1人の65歳以上に対して、12.1人の現役世代がいましたが、2015年には1人の65歳以上に対して現役世代2.3人になりました。2065年には、1人の65歳以上に対して1.3人の現役世代という比率になります。

現在、おおよそ現役世代2人で高齢者1人を支えていますが、現在20代の人たちが高齢者になるころには、現役世代1人で高齢者1人を支える、という社会になるということです。

増大する社会保障費に対して、高齢者自身の負担も増えていて、2022年から医療費窓口負担は1割から2割に引き上げに。対象は課税所得が28万円以上、かつ年収が200万円以上*の人たちで、おおよそ370万人、1人当たりの平均自己負担額は年2万6000円の増加と試算されています。

高齢者を支えることなどできない…20代、30代の悲鳴

社会保障に対する国庫支出は、ほかの先進国では増加しているのに対し、日本は減少。今後、高齢化が進行するなかで、その負担を国だけではまかないきれない、という事情のあらわれでしょう。現役世代の負担増はこれ以上は難しく、高齢者本人負担へ、という流れが鮮明になっています。

厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、国民年金の平均年金受給額は月額5万6,358 円、厚生年金は月額14万6,145 円でした。給付される年金だけで暮らしていけるかといえば、それぞれ事情は異なるので一概にはいえませんが、心許ない、というのは共通認識でしょう。足りない場合は、貯蓄を取り崩すことになります。

このような状況に対して、「いまの高齢者は大変」と同情を口にする人は少なく、すでに高齢化の負担増を払わされている現役世代の人たちからは、どちらかというと「こうなることは分かっていたのに、何も対策をしてこなかったのが悪い」などと、怒りに近い声が聞こえてきます。

厚生労働省『賃金構造基本統計調査』によると、20代前半会社員の手取り額は平均18万円、20代後半で21万円、30代前半で23万円、30代後半25万円ほどです(いずれも独身の場合を想定。手当含む)。

また金融広報中央委員会の『令和2年家計の金融行動に関する世論調査』によると20代の預貯金額は平均113万円、中央値は8万円。30代では平均327万円、中央値は8万円。実際に生活に余裕があるのかどうかは、ライフスタイルによって異なりますので、一概にいうことはできませんが、とても裕福と呼べるほどではありません。

さらに国税庁『民間給与実態統計調査』によると、現在の会社員の平均給与は、90年代前半と同水準。日本の経済が世界のなかでもジリ貧状態にあることを鑑みると、今後も給与が増える、という社会は描くことはできないでしょう。

どんなに考えても、高齢化問題の解決の糸口が見えてこない日本の現状。「私たちにツケを払わせるな!」と、現役世代の怒りの声が聞こえてきます。