近年、世界中の国々で同性婚に関する法律の制定が進んでおり、性的マイノリティに関する研究も多く行われています。そんな中、オーストラリアの研究チームが「兄が多い男性ほど同性婚する割合が増える」という研究結果を発表しました。

Are Sibship Characteristics Predictive of Same Sex Marriage? An Examination of Fraternal Birth Order and Female Fecundity Effects in Population-level Administrative Data from the Netherlands: The Journal of Sex Research: Vol 0, No 0

https://doi.org/10.1080/00224499.2021.1974330

Research confirms men with older brothers are more likely to be gay, suggesting same-sex attraction has a biological basis

https://theconversation.com/research-confirms-men-with-older-brothers-are-more-likely-to-be-gay-suggesting-same-sex-attraction-has-a-biological-basis-172396

同性愛などの性的指向が生じる原因を調査する研究は数多く行われており、ホルモンや遺伝など多様な要因が検討されています。そんな研究の中には「男児を産んだ場合、男児が生成したタンパク質が母親の体内に残り、次に生まれる子どもの性的指向に影響を及ぼす」という説を唱えるものもあります。しかし、この説を唱える研究では多数の被験者を対象にした検証が行われていないとのこと。そこで、研究チームは1940年〜1990年の間に生まれたオランダ人900万人分のデータを用いて兄弟姉妹の数と性的指向の関連を分析しました。

分析の結果、兄が1人いる男性は姉が1人いる男性と比べて同性と結婚する可能性が12%高く、弟か妹が1人いる男性と比べて21%高いことが判明。さらに3人の兄がいる男性は3人の姉がいる男性より同性婚に至る可能性が41%高く、3人の弟がいる男性より80%高くなることも明らかになりました。

以下のグラフは横軸が「1000人の男性のうち何人が同性同士で結婚したか」を示し、縦軸は「兄弟姉妹の構成」を示しています。また、オレンジは「兄弟姉妹が1人」、青は「兄弟姉妹が2人」、グレーは「兄弟姉妹が3人」のグラフ。各色のグラフを細かく見ると、「同性婚した男性が兄弟姉妹のうちどの位置にいたか」で分けられています。グラフの傾向から、基本的に「兄や姉が多い」「姉妹ではなく兄弟がいる」「末っ子に近い」ほど同性婚する割合が高いことが分かります。

この分析結果から研究チームは兄弟姉妹の「数」と「性別」が性の発達に大きな影響を与えると結論付けており、上述の「母親の体内に男児が生成したタンパク質が残る」という説を補強すると述べています。