年齢的には引退を考慮しても不思議はないが、長谷部は今もフランクフルトの頼れるリーダーだ。『90min』もアメリカのMLSや最近人気の中東でプレイしていてもおかしくない年齢だが、長谷部の場合は他のベテランと違うと今のパフォーマンスを称賛する。
やはり大きかったのは2016年にニコ・コバチがフランクフルトの指揮官に就任したところからだろう。2014年よりフランクフルトでプレイする長谷部は、2015−16シーズンも右サイドバックで起用されるなど、便利なユーティリティプレイヤーと見られているところがあった。
しかしコバチは、長谷部を3バックの真ん中で起用するプランを選択。2018年に入ったあたりからはキャプテンマークを巻く機会も増え、チームの顔としてピッチに君臨するようになった。このポジション変更が長谷部のキャリアを変えたのは間違いないだろう。
リベロの位置から若いチームメイトをまとめ、最終ラインをコントロール。攻撃面ではビルドアップの出発点となり、中盤での経験を活かして冷静に前線へボールを配給するなど、いつしか長谷部はチームの主役になった。今も長谷部をリベロで起用するシステムは継続されており、長谷部システムと言っても大袈裟ではない。このポジションこそ長谷部のベストポジションだったのかもしれない。
すでに来季もフランクフルトでプレイするとの話題も出ており、長谷部に関しては年齢で判断する必要がない。今後もピッチ内外のリーダーとしてチームに欠かせない存在となっていくはずで、長谷部は全盛期と呼べる時間を過ごしている。