冬のエアコン、換気時に“つけっぱなし”か“こまめにオン・オフ”どっちが正解?

2022/01/21 06:03 ウェザーニュース

強い寒気と共に新型コロナウイルスオミクロン株のまん延が日本列島に襲来しています。

感染症予防のため、寒い冬場の暖房使用時であっても室内の換気は必須ですが、エアコンは換気の際に“つけっぱなし”にしたほうがいいのか、それとも“こまめにオン・オフ”を繰り返したほうがいいのか。

ウェザーニュースが実施したアンケート調査では、4人に1人(25%)が「換気時はエアコン電源は切る」と回答しています(2022年1月8〜9日実施、7882人回答)

換気の効果と省エネの観点から、冬のエアコン暖房の適切な操作方法について、ダイキン工業コーポレートコミュニケーション室広報グループの重政周之(しげまさ・ちかし)さんに解説していただきました。

冬でも窓開け換気が必要

コロナ対策で、冬場の寒い日でも窓開け換気が必要とされています。

「コロナ禍のもとで推奨される窓開け換気は、『新しい生活様式』として定着傾向にあります。ですが、寒い中で部屋の窓を開け放つのは嫌なものですし、つい換気をためらってしまうのではないでしょうか。空気が冷たく乾燥しがちな冬の上手な換気の方法を知っていただき、できるだけ快適性を保ちつつ省エネも意識した換気を実践していただければと思います。

換気は、室内に新鮮な空気を取り込んで、淀んだ空気を改善する手段です。空気中に溜まった二酸化炭素や化学物質などの汚染物質を薄めたり屋外に追い出したりできるため、呼吸器感染症の感染リスク低減も期待できます。

現代の住宅の多くは機密性が高く快適性が向上している一方で、換気をしないと汚染物質が溜まりやすい特徴もあります。“エアコンをつけているから換気は大丈夫”と思っている方もおられますが、多くのエアコンは室内を暖めたり冷やしたりするために室内の空気を循環させる仕組みで、換気はしていません。

冬の寒い日であっても、換気は別にする必要があるのです」(重政さん)

“換気+エアコンつけっぱなし”が正解

換気の際、エアコン暖房時の電気代はつけっぱなしとこまめなオン・オフの、どちらが電気代がかさむのでしょう。

「確かに、冬に窓開け換気をすると屋外の冷たい空気が入り、“エアコン運転にかかる電気代や部屋の温度と湿度の低下が気になる”という方は多いと思います。そこで、マンションの広めのリビングを使った実生活空間で、2つの調査を行ってみました。

まず1つ目は、窓開け換気に合わせて『エアコンの電源をつけっぱなしにした場合と、小まめにオン・オフした場合ではどちらの消費電力量が少ないのか』です。それぞれの条件で、冬の朝から夜の時間帯(7〜23時)に30分に1回、5分間の窓開け換気を実施しました。

その結果、つけっぱなしの場合の消費電力量は3.48kWh、電気代に換算して94.0円(料金単価を27円/kWhとして計算)でした。これに対してこまめにオン・オフの場合は、消費電力量4.02kWh、電気代108.5円(同)と高い数値が出ました。

冬に窓開け換気をする場合、エアコンをつけっぱなしにしたほうが小まめにオン・オフするより消費電力量が少なくなり、電気代が1日で約14.5円下がるという結果になりました」(重政さん)

室内の温度推移を見ても、エアコンをつけっぱなしにした方が暖かく、窓開け換気をしても快適に過ごせそうです。

「2つ目の調査は、窓開け換気時の加湿の有無が、室内の湿度にどれほどの影響を与えるのかについてです。時間帯や換気の長さなどは消費電力量調査と同じで、加湿空気清浄機による加湿をした場合と、しない場合の室内の湿度変化を調査しました。

『加湿なし』では室内の湿度は25.5〜36.9%で30%台の時間帯が続くのに対し、『加湿あり』では湿度34.7〜40.6%で40%台にほぼ保たれました。窓開け換気をしているときに、加湿器や加湿空気清浄機を使うことは、乾燥対策に効果があります。

コロナ禍の冬は、“換気+エアコンつけっぱなし+加湿” が正解といえそうです」(重政さん)

窓の開け方で暖房効率が変わる?

冬の換気時にはどんな注意点がありますか。

「冬場の朝や外出先から帰ってきた場合には、まずエアコンの暖房を入れ、部屋が暖かくなってから換気しましょう。冷えた壁、床、天井を暖めておくことで部屋の温度が下がりにくくなり、快適に過ごせます。部屋の温度が上がる前に窓を開けてしまうと、室温とエアコンの設定温度の差が広がり、エアコンにかかる負荷が大きくなって電気代が上がってしまう原因になります。

窓開け後も昼間は窓からの日差しを取り入れ、夜はカーテンを閉めて窓からの冷気を抑えると暖房効果が高まります。起床時間や帰宅時間が分かっている場合にはエアコンのタイマー機能を使い、あらかじめ部屋を暖めておくことも有効です。

一般的に夏場の窓開け換気の時間と回数の目安は『1時間に5分の換気を2回』とされていますが、冬場の換気の際に“少し寒いな”と感じたら、『5分より少し短めの換気を2回』を目安にしましょう」(重政さん)

また換気するときに、どの窓を開けるかによっても、暖房効率が変わるそうです。

「多くの住宅でエアコンは窓の近くに設置されています。エアコンをつけたままで換気をする場合は、できるだけエアコンから離れた窓を開けてください。エアコンの暖かい空気がその窓から逃げてしまうと効率的な暖房ができず、エアコンに負荷がかかり続けて電気代が上がる原因となります。

冬場は室内と室外の温度差が大きく、暖かい空気が冷たいところに逃げようとするため、窓を開けると空気が自然に流れやすくなります。風も強いので、夏場より少し短い時間でも必要量の換気ができます。

窓開け換気は、室内外の温度差による結露の抑制にも有効です。キッチンのレンジフードを運転することも、短時間での効率的な換気につながります」(重政さん)

コロナ禍と厳しい寒さが続きますが、“換気+エアコンつけっぱなし+加湿”を心がけ、快適で安全な暮らしを保っていきましょう。