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東洋経済オンライン
ストレスの受け止め方には個人差があります。愛するペットが死んで何か月も嘆き悲しみ、不眠や動悸を経験する人もいれば、親愛なるパートナーを亡くしたのにすぐに立ち上がり、身体的な症状を抱えず、日課をこなす人もいるのです。
これにはコルチゾールを受け取る「受容体(ホルモンの受け入れ場所)」が関係しています。コルチコステロイド受容体と呼ばれる受け皿が体内の体細胞のすべてに存在していますが、この感度が主に遺伝によって生まれつき決まっているのです。
研究によると、人口の約半数が特殊な遺伝子変異を持つコルチコステロイド受容体の保有者だといわれています。さらに興味深いことに、コルチゾールへの感度が高い変異遺伝子を持つ人は、お腹が出ていて、コレステロール値が高く、糖代謝が悪く、筋肉量が少なく、うつ病のリスクが高いという結果も出ています。
それに対し、人口の5〜10%の人が、コルチゾールへの感度が鈍い変異遺伝子を有しています。例えば男性でこの変異遺伝子がある人は、筋肉量が多く、強度も高く、高身長です。女性の場合はウエストが細く、また男女ともに、糖尿病になりにくかったり、コレステロール値が低かったりしています。
この「隠れ代謝」と「遺伝」の差によって、たとえ同じ年齢で、同じものを食べ、同じ生活スタイルを保持し、同じくらいのストレスにさらされたとしても、太る人と太らない人がいるのです。