寝たきりの父の世話をする下半身麻痺の36歳息子(画像は『South China Morning Post 2022年1月14日公開YouTube「Disabled son in China takes care of paralysed father」』のサムネイル)

写真拡大

見返りを求めない「無償の愛」とはこういうことを言うのだろう。難病で下半身が麻痺しながらも、唯一動く手と腕を使い、寝たきりの父の世話をする息子がいる。心打たれるニュースを『South China Morning Post』などが伝えた。

【この記事の動画を見る】

中国・黒竜江省佳木斯市に住む張暁東さん(Zhang Xiaodong、36)は、24歳の時に慢性進行性の炎症性疾患である「強直性脊椎炎」を発症した。

これは原因不明だが、脊椎や骨盤の炎症が広範囲に及び、次第に身体の強直が起きる病気で、張さんは発症から3か月で急速に症状が進み、現在は下半身が麻痺している。

張さんが唯一動かせるのは腕と手で、普段の生活は車椅子を使っている。自分の世話さえも大変な張さんだが、脳卒中を起こし寝たきりになった62歳の父と2人で暮らしており、買い出しから3度の食事の支度、家の掃除や下の世話まで張さんが全てをこなす。

実は張さんの両親は幼い時に離婚しており、強直性脊椎炎を発症してからの4年間は母にケアをしてもらったという。それまでのように動けなくなってしまった当初は前途を悲観したという張さんだが、母に勧められてコンピュータを購入し、パートタイムで仕事ができるようになった。しかし母が卵巣がんで死去した後は父の世話を受けるようになり、仕事が軌道に乗り始めた7、8年前、今度は父が寝たきりになって話すこともできなくなってしまった。

2人の世話を引き受けたのは高齢の叔父と叔母で、昨年の3月までは同居していたが、経済的にも体力的にも大変なことから世話役を引退し別々に暮らすようになった。張さんはそれまで暮らしていた2階の部屋を叔父と叔母に明け渡し、車椅子での移動が楽な1階に引っ越すと父の世話を自分1人でするようになったのだ。

「高齢の親戚にあれ以上負担をかけるのはできなかった。それは自分勝手なことだからね」と語る張さん。昨年にはお金を少しでも貯めようとSNSを開始、自分の病気や生活の様子を投稿すると、時々ボランティアがやってくるようになったという。また車椅子も寄付によるもので、張さんは政府から月に約12600円(700元)の補助金を受けながらなんとか暮らしているという。

張さんの朝は早く、5時に起きると6時には朝食をとる。服を着たり、靴を履いたり、掃除をする時は長い棒を使い、料理の時は身体を斜めにしたまま包丁を握る。また父に食事を食べさせる時はスプーンに1杯分をすくい、身体を拭く時は洗面器に水を汲んでタオルを絞って手渡しする。頭を刈るのもDIYで、ベッドに寝たままバリカンを入れる。ヘルパーを雇うお金がないため、全て自分で行うのだ。

父はそんな息子を見て時折涙を流すというが、張さんは「父を置き去りにすることはできない。父の世話は自分の責任。自分は決してあきらめないよ」と動じることはない。

張さんは最近、ある医師から「手術が可能なのではないか?」と病院に招待されて検査を受けており、「今の望みは手術を受けて立てるようになること。そうしたら父の世話もしっかりできるし、子供がいない叔父と叔母にも恩返しができる」と夢を膨らませる。また近所の野良猫が産んだ子猫を家族に迎えており、たくさんの元気をもらっているようだ。

ちなみに張さんには、「健康でも寝たきりの人の世話は大変なこと。この男性はすごいね」「インスパイアされる」「小さなことで文句を言っている自分が恥ずかしくなった」「彼から心の静けさ、忍耐、愛を感じる。リスペクトするよ」「涙が止まらない」「手術ができるといいね」「私も何かできることがあればサポートしたい」といった声があがっている。

画像は『South China Morning Post 2022年1月14日公開YouTube「Disabled son in China takes care of paralysed father」』のサムネイル、『MINNEWS 2022年1月15日付「A 36-year-old paralyzed man takes care of his 62-year-old paralyzed father. He cooks three meals a day and raises a stray cat.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)