ウォルター・スコット社は、1983年にスコットランドのエジンバラでウォルター・スコット氏によって設立された。「お客様の資産を守りながら、増やす」というシンプルな目標をかかげ、「企業が生み出す価値が株式のリターンに反映される」という信念を持って運用している。持続的に富を創出できる優れた企業を世界中から探しだし、分析を行い、投資をして、長く保有することで良好なパフォーマンスを実現してきた。類似戦略の過去5年間(2016年1月〜2020年12月)の銘柄回転率は平均6.5%であり、保有銘柄の平均保有期間は12.5年と長期保有している。

 ウォルター・スコットでは新たな投資銘柄を決める際には、リサーチチーム全員の合意というルールで運営している。約20人のチーム全員の合意を得るのは容易なことではないが、「お客様の大切な資金ですから、簡単なプロセスであるべきではないと考えます。新しい投資アイデアは経験も豊かで、様々な強みを持ったチームで徹底的に議論されます。そのチャレンジに耐えうるような企業でなければ、素晴らしい長期投資とはならない」(多次氏)との考えで、徹底している。

 実際に、投資先企業に収益性や財務体質などで非常に高いハードルを設けているため、投資ユニバースは世界中の数万とある上場企業のうち約2000社程度になる。そのうち約500社について綿密なリサーチを行っており、そこからさらに厳選した約50社でポートフォリオを構築している。

 多次氏は、「リサーチチームは『長年の運用哲学とプロセスをひたすら貫く』という確固たる信念で結ばれています。チームで意思決定をするというのはユニークですが、実に規律正しく運営されているのです」と、一貫した運用姿勢が優れたパフォーマンスにつながっていると胸を張る。

 当面の運用環境について、新型コロナウイルスの変異株の影響が読めない不透明な環境にあるが、「外部環境が不安定な局面においては、通常のインデックス投資に比較して、追い風と言えるのかもしれません」という。同ファンドは、類似戦略の運用成績でもわかるように、「ITバブル崩壊」、「リーマンショック」などの外部環境が不安定な局面を克服してきた。このことは保有している企業の財務体質が強固で、収益力も高く、また、事業基盤もライバル企業より優位性があるので、経済が危機的な状況の時にも成功を続けて行くことが可能になるためといえる。これは単に企業が生き残るというだけでなく、弱い企業のビジネスを獲得する形でより高い成長につなげることが可能であるということを意味する。

 また、世界的なインフレ懸念で利上げが進みそうな環境では、財務体質が強固で借金の少ない会社で高いROEを実現できている企業は、一般的なグロース株投資でよく言われる「借り入れが大きく金利上昇時に弱い」という事はあてはまらない。「ウォルター・スコットの運用哲学は、実際に効果を発揮しています。時間と辛抱を要する局面はあるかもしれませんが、現実に有効なのです」と語っている。