ヘビの写真を投稿した大学院生が新種発見のきっかけに(画像は『Pensoft blog 2021年12月1日付「Snake photo posted on Instagram leads to the discovery of a new species from the Himalayas」』のスクリーンショット)

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趣味で生き物の写真をInstagramに投稿していたインドの大学院生が、新種のヘビを発見したことが話題になっている。この投稿を偶然見かけた爬虫類学者が大学院生と連絡を取り、捕まえてもらったヘビを調べて新種であることが判明した。「Instagramの投稿が新種の発見に繋がるとは、とても興味深い」と学者も驚いているという。『EcoWatch』などが伝えている。

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印パンジャーブ州アムリトサルにある大学「Guru Nanak Dev University」の大学院生であるヴィレンダー・バラディワジさん(Virendar Bhardwaj)は、昨年のパンデミック中にヒマーチャル・プラデーシュ州チャンバにある自宅の裏庭を散策し、そこで見つけた様々な生き物の写真を撮影していた。

ヴィレンダーさんはそれらの写真を自身のInstagramに投稿しており、アカウントは鳥類、爬虫類、昆虫類、哺乳類など多様な生き物の写真で溢れている。

しかしその中で、昨年6月5日に投稿された1枚のヘビの写真がインドの国立生物科学センター「National Centre for Biological Sciences」に勤める爬虫類学者ジーシャン・A・ミルザさん(Zeeshan A. Mirza)の目に留まった。

ヴィレンダーさんはそのヘビを、同地域に生息するククリィヘビ属の一種であると記していた。ククリィヘビ属は、牙がネパールの短剣“ククリ”に似ていることからその名が付いたと言われる。しかしジーシャンさんは写真のヘビを見て、ククリィヘビ属に似ていたが少し違う点があるように感じた。

「新種のヘビかもしれない」と思ったジーシャンさんは詳しい調査をしたいと考え、ヴィレンダーさんに連絡を取り「可能であれば撮影したヘビを見つけて欲しい」と依頼した。

のちにヴィレンダーさんは2匹のヘビを見つけることができ、ジーシャンさんはグジャラート州スラトにある大学「Veer Narmad South Gujarat University」のハーシル・パテルさん(Harshil Patel)と共にそのヘビの調査を開始した。

パンデミックによる規制の影響で特定作業は一時中断を迫られるなど遅れもあったが、今年の初めにDNA検査やCTスキャン検査などを再開したところ、今回発見されたヘビはククリィヘビ属とは異なり新種であると判明した。

ジーシャンさんら研究チームはこの新種を、発見場所となった渓谷「Churah Valley」にちなんで“Oligodon churahensis”と名付け、先月2日にその詳細が学術誌「Evolutionary Systematics」に掲載された。

ジーシャンさんは「西ヒマラヤ(新種のヘビが発見された地域)は、爬虫類や両生類の多様性という観点ではあまり調査が進んでいないので、新種の発見は驚くべきことではありません」と話しながらも、「Instagramの投稿が世界に知られていなかった可愛いヘビの発見に繋がったというのは、非常に興味深いことです」と感心している。

さらに「最近では新種を発見するために多様な生物が生息する僻地に行きたがる人も多いですが、自分の家の裏庭に目を向けてみればそこで新種が見つかるかもしれないですね」とコメントしている。

なお過去には、浜辺を散歩していた4歳女児が2億2千万年前の恐竜の足跡を発見したこともあった。学術的な新発見は身近な場所にあるのかもしれない。

画像は『Pensoft blog 2021年12月1日付「Snake photo posted on Instagram leads to the discovery of a new species from the Himalayas」』『himalayan_xplorer 2021年6月5日付Instagram「Kukri」』『Mongabay-India 2021年11月29日付「Scientists describe a new Himalayan snake species found via Instagram」(Photo by Virender Bhardwaj(Mirza et al 2021))』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)