「どうなる?」 工事誘導を無視しても違法ではない? 無視した事故の過失は誰につく?

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誘導を守って安全かつ円滑な走行が求められる

 道路を走っていると、工事によって一時的に道路が片側通行となっていることがあります。

 片側通行の際には、交通誘導員の指示や仮設信号で交通が制御されますが、そうした誘導を無視することは違反になるのでしょうか。

工事による誘導を無視すると違反になる? 事故したらどうなる?

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 道路を走っていると、工事によって一時的に道路が片側通行となっていることがあります。

 片側通行の道路では、交通誘導員がクルマの誘導をおこなって交互に通行を促したり、仮設の信号機によって無人での交通誘導がおこなわれていたりします。

 しかし、夜間でクルマが少なかったり、片側通行の距離が短かったりすると、通行を止められていても「進んでも危険性はないのでは?」と考える人もいるかもしれません。

 国や行政によって設置された信号や標識の指示を無視すると、道路交通法違反などに該当する違法行為となりますが、交通誘導員や仮設信号機は無視すると同じく違法行為となるのでしょうか。

 そもそも、交通誘導員などに関する法律は「警備業法」によって定められています。

 警備業法には、警備業をおこなう担当者の服装や警備業を営む際に必要となる「認定証」などについて記載があります。

 その警備業法第15条には「警備業務実施の基本原則」が示されており、「警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たつては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない」と定められています。

 よって、交通誘導員や交通を誘導する仮設信号には、厳密には法的効力はないということになります。

 だからといって、交通誘導に従わなくても良いということでは決してありません。

 警備業法の第21条には「警備業者は、その警備員に対し、警備業務を適正に実施させるため、この章の規定によるほか、内閣府令で定めるところにより教育を行うとともに、必要な指導及び監督をしなければならない」と記されています。

 このように交通誘導員は、正社員やアルバイトなどの雇用形態に関わらず必ず研修を受けることになっています。

 研修は主に4日から5日間で、計20時間おこなわれるものとなっており、誘導をおこなう際の基本原則や関わる法令、万が一の事故などに備えた対応方法などを学びます。

 つまり交通誘導員は、単に状況に応じた誘導をおこなっているのではなく、法令やきまりに基づいて、適切に業務を遂行しているものです。

 したがって、安易な気持ちで指示を無視することは絶対にいけません。

誘導を無視して事故を起こしたら? 過失は誰につくの?

 前述のように、従うべきである交通誘導ですがもし誘導を無視して事故を起こしてしまったら過失は誰につくのでしょうか。

 このことについて、自動車保険を扱う三井住友海上火災保険株式会社の担当者は、以下のように話します。

「具体的な割合については、ケースバイケースとなるため、一概にはいえませんが、片側通行を無視して進行し、事故を起こした場合は、一般的には事故を起こした側の責任が重くなるといえます」

 このように、実際の過失についてはその場の状況によっても、異なることがあるといいますが、基本的には誘導を無視した側の過失が重くなることが予想されます。

警備員の誘導を無視して事故を起こすとどうなるのでしょうか?

 さらに、前出の担当者は、誘導に従っていた側の過失割合について以下のように話します。

「ルールに沿って走行していた側に、予見可能性や回避可能性がないことが立証できれば、一方的な過失になることもあり得ます。

 しかし、そうでない場合には、誘導に従っていた側にも一定の過失が生じる可能性があります」

 つまり、誘導に従った側に過失がつかないためには、事故の起こったときの様子をしっかりと記録しておき、こちらに非がないことを証明する必要があります。

 例えば、三井住友海上火災保険では、事故の記録を残しておくためにドライブレコーダーの設置を推奨しています。

 ドライブレコーダーの記録は、事故時の正当な記録として提出することができるため、万が一にも備えて設置しておいたほうが良いかもしれません。

※ ※ ※

 前出の担当者は、交通誘導員の関係する事故について「過去に事例がある」と話しており、実際にしばしば見られるケースだといいます。

 指示を無視すること自体が違法となる可能性は低いですが、安全と円滑な交通のために、しっかりと誘導に従うようにしましょう。