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 顔の整形を公表する芸能人やYouTuberも増え、悩みやコンプレックスを解消する手段として美容整形が身近になってきた。そこで週刊女性PRIMEとYahoo!ニュースでは、美容整形に関するアンケートを実施。うち2人の女性に手術を受けた理由を聞くと、リスクを負っても整形をする理由や、顔に対するそれぞれの思いが見えてきた──。

【写真】整形経験を赤裸々に語ってくれた菜々子さん、ユリさん

 今回の調査は7月29日から8月5日にかけて実施し、対象はYahoo! JAPANユーザー1183人。男女比は4対6、年代は20代が15%、30代が26%、40代が35%、50代が16%と、30〜40代の回答が半数以上を占めた。

「整形してよかったと思いますか?」という質問に「はい」と答えたのが89.2%、「いいえ」は10.8%と満足度が高い人が多いことがわかった。また、「周囲に整形をカミングアウトしていますか?」という問いに「はい」は42.8%、「いいえ」は57.2%という結果に。整形が認められつつある反面、「言う必要がない」「まだまだ偏見があるから」などのコメントも多く、やはり隠しておきたいという人も多いようだ。

とにかくメイクの面倒をなくしたい

 1人目は東京都在住の会社員・菜々子さん(仮名・42歳)。タレントの壇蜜似の和風美人で、黒髪ロングがよく似合うおしとやかな雰囲気だ。肌にはハリと透明感があって若々しく、こまめにケアをしている美容感度の高い女性という第一印象だが、明らかに整形したという感じは受けない。

 菜々子さんは、埋没法で二重にしたのが最初の整形だったという。大学4年生のとき、就職が決まったあと自分の貯金で整形し、親にも友達にも内緒にした。

「もともとは奥二重で、よく言えばつぶらな瞳だったんです。地味めの顔なので、メイク時はなるべく派手に見えるように厚化粧して。高校生のころから毎日、アイプチで二重にするのが面倒臭くて。とにかくメイクの面倒をなくしたいと思ったのがきっかけですね。

 あとは、うちは親がすごく厳しくて。中高生くらいのころって色気づいて髪を巻いたり眉毛を切ったりしたい時期ですけど、それが絶対許されない家でした。そんなことしてる暇があったら英単語の 1つでも覚えろって。整形したのはその反動もあったのかな。自分の力で、お金が自由にできるようになったから、やりたいなって欲が出てしまったのかも」

 しかし糸で二重を縫いとめる埋没法は、人によっては2〜3年経つと糸がゆるんだり、取れたりすることもある。菜々子さんも糸がゆるむことが何度もあり、28歳のとき、二重切開に踏み切った。ちょうど勤めていた会社をやめて転職活動中で、ダウンタイムを取れて好都合だったのだ。まぶたの脂肪をとって、二重の線を切って糸で縫うという少し大掛かりな手術となった。

 30代後半になってからは目の下のクマが気になるようになる。

「年齢とともに目の下の脂肪の膨らみに影ができて、疲れて見えるようになって。それで『ハムラ法』っていう目の下を切開して中の脂肪を別の場所に移動させる、クマ取りの手術をすることにしました」

もっとも重要なのは医師選び

 今ではクマは全く気にならなくなり、筆者から見ても傷痕などもなくスッキリとした印象だ。菜々子さんいわく「大成功」。手術の際に頼りになったのが『5ちゃんねる』の美容整形スレッドだったという。

「5ちゃんねるの美容整形板でずっと情報収集をしていました。みんなビフォーアフターの写真を出して“手術後、経過何日目”とか共有してるんです。そのハムラ法の手術後にすごい腫れて、失敗かな、どうしようって怖くなった期間があったんですけど、腫れてる目元の写真を出したら、“こんなもんだよ。本当に落ち着くまでには半年くらいかかるよ”ってコメントが来て。それを見て励まされました。あとはTwitterの整形垢(アカウント)をフォローしていろんな人のレポートを読んだりしました。

 でも5ちゃんやTwitterはウソも書き込めるので参考程度にして、自分でクリニックに行って目で見たものを信じるようにしています」

 最近では、『鼻尖縮小』という鼻先をシャープにする手術に挑戦したいとあるクリニックにカウンセリングに行ったが、「あなたの鼻の形でやっても効果のある手術じゃない。顔の下半分が大きいから、鼻よりエラを小さくしたほうがいい」と医師からアドバイスされ、鼻の手術は諦め、エラボトックス注射を打ってシャープな輪郭を手に入れた。

「先生が患者の希望した施術を止めるということは、お金目当てよりも、私の立場になって考えてくれたのかなって。逆によかったと思います」

 歯列矯正なども含めて、20年間で美容整形に200万円以上かけてきた菜々子さん。その中でもっとも力を入れているのが医師選びだという。

「実際、切る整形手術は最低数十万円かかりますからね。予算でやれる範囲で一生懸命考えて、絶対失敗しないように、慎重に。手術するときは3軒くらいクリニックを回ってカウンセリングを受けます。したい施術の数をこなしていて得意な先生がいいですね。担当した症例写真を見せてもらって、希望どおりにやってくれそうな先生に決めています。あとは話を聞いてくれそうな先生ですね、上から目線の人もたまにいるんで。ヤバいと噂になっている施術を勧めてくるような先生もダメ」

 と蓄積した整形知識をもとに、評価軸がしっかり決まっているようだ。

「手術前はいつも震えるほど怖い」と話す菜々子さんだが、その怖さを乗り越えてまで整形したい理由はなんなのだろうか?

「コンプレックスをなくしたいというのが一番。人と会うたびにクマとか目とか、嫌なところをいつも意識しちゃう。トイレの鏡を見ても萎える、電車の窓に顔が映っても萎える……。まあ、クマなんて誰も見ちゃいないんですけどね(笑)。ただ意識しないように生活したい、結局は自己満足なんです」

 転職の際や長期休暇が取れるときに少しずつ整形しているので、周囲にはあまり気づかれていないという。あえて自分からカミングアウトすることもない。年を重ねてからは顔のパーツを整えるよりも、アンチエイジングにシフトしていきたいと考えている。

「たるみは日に日に気になります。メイクでは限界だなって思うから、こめかみのあたりの皮膚を切って引き上げる『切開リフト』は絶対やりたいです!」

 自分に必要な施術を取捨選択するなど、整形と上手な付き合い方をしている菜々子さん。若々しい姿は今後も維持されそうだ。

「私は醜いんだ」とマインドコントロールされて

 2人目は岡山県在住の自営業・ユリさん(仮名・41歳)。パッチリした目にスッと通った鼻筋で、女優の伊東美咲に似た美人だ。不自然さはなく、整形とは言われなければ気づかない。ユリさんのサバサバとした喋り方の中に、ほのかに芯の強さを感じる。

 ユリさんは25歳の時に埋没法で二重にし、目頭切開をして目の横幅を広げた。さらに鼻にプロテーゼを入れて高くし、ボトックス注射をエラに打って細くした。ガラッと顔を変える大掛かりな手術で、費用は合計100万円ほどかかったという。整形するに至った壮絶な理由を打ち明けてくれた。

「高校時代、同級生の女の子から陰湿ないじめを受けていて。その子にずっと“ブス、ブス”って言われ続けていたんです。それまでは容姿をからかわれたりすることはなかったのに、あまりに毎日言われるから、私は醜いんだってマインドコントロールされてしまった。言葉だけならまだしも、“ユリちゃんはブスだから、私が綺麗にしてあげる”って言って教室にあった汚いハサミを取って、いきなり私の前髪をバッサリ切ったんです。可愛くなったね〜って、ゲラゲラ笑ってました」

「今となっては過ぎたことですけど」と笑顔で話してくれたが、当時のユリさんの心境を想像するだけで胸が痛む。こんないじめが高校3年間、続いたのだという。

「私ひとりだけそいつに攻撃されてましたけど、めげずに登校してました。その子はいじめがかっこいいと思ってたのかな。なんで私がターゲットになったのかはわからないです」

 あまりに理不尽ないじめだが、そのときに「私はブサイクなんだから、貯金して整形するんだ」と決めたという。大学に進学後、バイトでお金を貯め、卒業後は上京して働きながら、どのクリニックがいいか1年かけて徹底的にリサーチ。何軒もカウンセリングに回って「この先生なら」と思える医師に巡り会い、満を持して整形に踏み切った。

 手術後、ダウンタイムは1か月かかったと振り返る。

「目と鼻がパンパンに腫れたし、抜糸してないから糸も見えてて。赤だったり緑だったり顔色も最悪(笑)。傷口が化膿してしまうので、1週間はお風呂も入れないんですよね。夏場だったのでそれが一番つらかったです。1週間分の食料を買い込んで、ずっと家から出れない状況でした」

 それからユリさんの人生は一変した。初めて会う人に「お綺麗ですね」と言われ、男性からは明らかにモテるようになったという。そこでユリさんはある行動に出る。

「地元に帰って、いじめっ子の顔を見てやりたかったんです。同級生みんなで集まったときに対面しましたけど、当の本人は絶句してましたね。私の顔を見て“顔が違う”ってひと言だけ言って、それ以降は何も触れてきませんでした。相手には“あの頃の私はあなたに殺されました”って無言のメッセージを伝えたかったんです。向こうがどう思っているかはわかりませんから、スッキリはしないけど、整形してよかったか悪かったかと言われれば絶対してよかったし、後悔はないですね」

整形しても何しても、陰口を言う人は言う

 憎んでも憎みきれない女へのリベンジ──それがユリさんの整形理由だった。家族の反応はどうだったのだろうか。

「そのころ母は他界していて。父と姉がいるんですが、父は整形した直後の私の顔を見ても気づかなかったですね(笑)。 “東京で洗練されたんだね、綺麗になったね”って言うだけで。その後も父にはあえて整形したことは伝えていません。姉はさすがに気づいて驚いてましたが、理由を話すと“あなたが決めたことならいいんじゃない”って。父は今や認知症なんですけど、何もわからなくなって幸せそうにしてるんで、このまま知らないまま幸せでいてほしいなって思います」

 周囲の人にも積極的にカミングアウトはしなかったという。

「陰で“あの子整形してるよね”って言う人もいましたけど、そこで私が思ったのは、そういう陰口を言う人は、整形する前の私をいじめてた人だけだったんですよ。前から普通に接していた人は、私が顔を変えても何も態度は変わらないし、“整形した?”って聞かれたら、爽やかに“した”って言える。整形しても何しても、言う人は言うんですね」

 手術から15年。整形に対するハードルが低くなったとはいえ、世間の声はまだ厳しいものが多い。

「整形だって非難する人もいるけど、自分がお金貯めてやって何が悪いのって思います。古風な人は“もらった顔に傷をつけて”っていう人もいるけど、じゃあ、生まれながらの病気も直さないのかって。整形で前向きになれたり、人に優しくできたりするならいいんじゃないかなと思います。美容院みたいに気軽に利用して、やりすぎちゃうのはよくないと思うけど」

 今後、また整形したいと思うかと問うと──。

「目元やエラなど、徐々に元の自分の顔に戻ってきてるなとは感じますが、今は特に考えてないです。若いうちにやったからですかね、あんまり老化に抗う気持ちはない。もうちょっと年を重ねたら思うかもしれないけど、いまは自然に運動だったり食事だったり、エステでケアできる範囲でいいのかなって思います」

 いまの自分の顔が気に入っていると微笑む。中には依存と言えるまで整形を繰り返してしまう人もいるが、ユリさんはなぜそうならなかったのだろう。

「私の場合、リベンジのために整形する、っていうのがはっきりしていたので、一度で満足できたのかもしれません。でもそれは結果論で、私だってどこかで間違ってたら、モテた感覚を取り戻したい! ってオバQみたいな唇になってたかもしれないですけどね」

 最後にユリさんは、整形したからこそわかった思いを話してくれた。

「整形して思うことですけど、結局は顔じゃないんですよ。これを言ったら最後なんですけど、どんな顔でも幸せならいいんですよ。芸能人でもあんなに綺麗なのになんで整形を繰り返しちゃうんだろう? っていう人がたまにいますけど、きっと幸せじゃないんだと思います。満たされない心を整形で埋めているように見えちゃう。どんな顔でも、誰か一人でも内面を見てくれる人、君じゃなきゃダメだって言ってくれる人がいれば、顔なんてどうでもいい。私はそういう人にはまだ出会えていないんですけど、そう思えたら幸せでしょうね」

 整形でコンプレックスを解消することは何も間違っていない。ただ、心の持ちようで人生は幸せにも不幸せにもなるということは覚えておきたい──ユリさんの言葉を聞いてそう思った。

※この記事は週刊女性PRIMEとYahoo!ニュースによる共同企画です