キヤノンのアメリカ法人であるCanon USAが2021年10月12日に、キヤノン製プリンターの所有者から訴えを起こされていたことが分かりました。原告は、「キヤノン製の多機能型プリンターがインク切れを起こすとスキャナー機能やファックスも使えなくなるのは不当」と訴えています。

New York man sues Canon for $5M, claims printers don’t scan when ink is low

https://www.fox6now.com/news/new-york-man-sues-canon-for-5m-claims-printers-dont-scan-when-ink-is-low

Canon sued for disabling scanner when printers run out of ink

https://www.bleepingcomputer.com/news/legal/canon-sued-for-disabling-scanner-when-printers-run-out-of-ink/

今回、Canon USAを訴えたのはニューヨーク州クイーンズ郡在住のDavid Leacraft氏です。アメリカのニュースメディア・FOX6 Newsが入手した訴状によると、Leacraft氏は2021年3月に地元のウォルマートでキヤノンのプリンターである「Pixma MG2522 オールインワンカラープリンター」を購入したとのこと。

Leacraft氏は「Pixma MG2522」をスキャナー機能目当てで購入しましたが、購入後にインクカートリッジの残量が少ないか空の状態ではスキャナーとして使えないことが判明しました。裁判資料には、「原告は、文書をスキャンするためにインクを補充しなければならないことを知っていたらこの機器を購入しなかっただろうし、そのために多くの金額を支払うこともなかっただろう」と記載されています。

Leacraft氏は、キヤノンのウェブフォーラムでこのことを相談しましたが、キヤノンからは「回避策はない」と回答されたそうです。本人の書き込みではありませんが、キヤノンのフォーラムにはLeacraft氏とキヤノンのやりとりとほぼまったく同じ書き込みがあります。この苦情では「PIXMA MG6320」が対象になっていることから、インクがないとスキャナーが使えないのは「Pixma MG2522」に固有の問題ではないことが分かります。

原告の弁護士であるMark Reich氏によると、キヤノンは広告で「当社のオールインワンプリンターは印刷・コピー・スキャンができる」と宣伝したとのこと。Reich氏は、スキャンをするにはインクが必要ではないことを指摘した上で、「キヤノンは消費者が文書を印刷するつもりがあろうとなかろうと、インクカートリッジを購入することを強制しています」と主張しました。

こうした点を踏まえて、Leacraft氏は「キヤノンがオールインワンプリンターの販売促進のために、通常の状況下でもスキャナーやファックスとして使えると表示したのは、虚偽の詐欺的な製品ラベルや広告の使用に当たる」として、同社に対して最低500万ドル(約5億7000万円)の賠償を求めました。

なお、この訴状は10月12日に裁判所に提出されましたが、まだ裁判所から受理されたわけではないとのこと。今回の一件を取り上げたIT系ニュースサイトのBleeping Computerは、訴訟についてCanon USAに問い合わせをしましたが、回答は得られなかったそうです。