事故物件をあえてオープンに! マイナス物件をプラスに変える業界初の不動産会社
ライブドアニュースの看板犬「ドアふみ」が、世の中のソーシャルグッドな活動を取材する「ドアふみの社会科見学」。

今回は、事故物件の買取・売却・流通を専門に行うサイト
「成仏不動産」
を運営する、株式会社MARKSを訪れた。

強烈な名前とは裏腹に「世のため、人のため」をモットーとする取り組みで今、多くの同業者、メディアから注目されている。
これも…
これも“元”事故物件!

事故物件は「だいたい暗い」

今回はZOOMで話を聞いた
めちゃくちゃキレイで驚いたぜ…!
ありがとうございます。弊社では、いわゆる事故物件をリフォームし再販しているのですが、物件購入の決め手が「内装がよかったから」と言われるのがすごく嬉しいです。
事故物件と言われる場所って、全体的に暗いところが多いんですよ。床が暗い、天井が低い、日当たりがわるいとか。
記事上部で紹介した物件の“リフォーム前”の状態
なので、リフォーム時の色使いは気にするようにしてますね。天井を抜いて開放感をもたせたり、かなりガラっと変える物件もあります。

今後は「自殺しにくい物件」というのも考えていまして。

本当にちょっとしたところで自死は起きてしまうので…ドアをスライド式にするとか、少し工夫するだけでちがうと思うんです。
たしかに…気持ちが闇落ちしないような部屋ができたらいいよなぁ。

そもそも事故物件ってナニ?

(ドアふみによる事故物件イメージ)
事故物件〜事故物件〜てみんな言うけど、明確に定義はあるんだっけ?
ありません。「事故物件」は、どこかの誰かが言い出した言葉が定着したもので、法的な呼び名ではありません。
一般的には孤独死(病死)、自殺、事件、事故があると事故物件と言われますね。
大手の不動産検索サイトで「告知事項あり」と書かれている場合、事故物件のことが多いですが、成仏不動産では「7つの区分」という独自の区分けをして各物件に表示しています。
事故物件となった根拠が7段階で示されている
ちなみに事故物件の場合、「二人目以降の入居者に告知する義務はない」という通説がありますが「必要はない」という決まりはないんですよ。
何人目まで伝えるかとかは、事故物件の所有者と委託された不動産会社次第で、ケースバイケースだと思います。
ほ〜…勉強になるな。

ところで最近の事故物件に何か傾向はあるのだろうか?
孤独死は確実に増えていますね。やっぱり高齢者の単身世帯がかなり増えてきていますし生涯未婚率も高くなっていますので、これはもうしょうがないことかなぁと。

あとは自殺。失業率と自殺者数は連動してしまうので、コロナ禍で失業率が悪化してしまうと自殺も増えていってしまいます…。

社内では「事故物件」とは言わない!?

いきなりですが、私たち事故物件という言い方は、正直よくないと思ってまして。社内では使ってないんです。
えっそうなの?
成仏不動産で扱う物件はすべて「成仏物件」と呼んでいます。
建物ってずっと空き家にしておくと、空き巣に入られたり経年劣化で傷んだり、諸問題が発生します。まずそういう状態が不動産にとってよくない。

「新しい人が入って生活してくれることこそ、不動産にとっての成仏なんじゃないか」という思いで、成仏不動産という名前にしたんですよ。
成仏不動産のスタートは2019年4月ですが、弊社はそれ以前から通常の不動産業務を行っていまして。

その過程で、事故物件を抱えて困っているオーナーさんが相当数いることがわかったんです。それがそもそもの始まりです。
事故物件発生から入居までを一気通貫でサポートしている
弊社でいちばん取り扱っている孤独死(物件)も、じつは明確な定義はありません。発見されるまでに時間がかかると、孤独死と言われることが多いですけど。
そうなのかぁ。なんとなく孤独死って、悲惨なイメージだけが先行してる気もするぜ。
以前、お付き合いのあるお坊さんが「世の中で人が亡くなってない場所なんてほぼない。そんなこと言ってたら住む場所なくなるよ」とおっしゃっていて。

自宅で亡くなる可能性は誰にでもありますし、昔は病院で亡くなるほうが珍しかったと考えれば、そのとおりだと思います。

とはいえ心霊現象の有無は気になる…

やっぱりお化け的な方向の話、気になるんだけど、そのへんどう?
まったくないです(苦笑)。
ホントに? 全然!?
いっさいありません(笑)。私は霊感もないですし、実際に事故物件を目の当たりにしてみてもとくにないです。

気にするかしないかは、結局、心理的な印象の有無で、逆にそこがない方にとっては「お得な物件」でしかないんですよ。
最近購入される方の傾向としては、コスパ重視の若いお客様が多い印象です。20〜30代のお子様がいるかいないかくらいのカップル、ご夫婦とか。

あと、人の生死に関連する職業の方はほぼ気にされませんね。看護師、医師、介護士、葬儀関係の方など。
なるほど…日常に「死」がある人たちは、肝が据わってるのかもな。

すべては「世のため、人のため」

成仏不動産で特殊清掃、お祓い・供養を行うと、証明として「成仏認定書」が発行される
成仏不動産の目的は、事故物件を流通させて、今までなら「事故物件だから」と、安く買い叩かれていた物件の価値を上げて、正しく買い取ることです。

同時にそれは世間がもつ事故物件のイメージを変えていくことでもあって…。
汚い、暗い、怖い、といったイメージを物理的にも心理的にも払拭してしまえば、むしろ価値は上げられる、ということをお伝えしたいですね!
弊社の企業理念は「世のため。人のため。」なので、事故物件に限らず、今後も不動産をとおして、世の中の困りごとを解決していきたいと思っています。
あのー…最後にどうしても聞きたかったことなんだけど、「大島てる」(※)ってチェックしてる?
※事故物件の情報提供サイト
(笑)してますよ。じつは大島てるさんと弊社は密接な関係でして。先日、ABEMAで弊社代表×大島てるさん×ひろゆきさんの討論番組をやりました。

立場は異なりますが、同じ世界を見ている者同士、つながりはございます。

「事故物件は怖くない」。営業マンが見たリアルな現場

「ドアふみの社会科見学」は、毎回漫画にもなるんだぜ。今回は成仏不動産の営業担当・萩原さんに印象的だった出来事を聞いてみた。合わせて読んでくれよな。
今回の取材先:
成仏不動産(じょうぶつふどうさん)
事故物件の買取・売却・流通を専門に行うサイト。運営する株式会社MARKSでは、事故物件の仕入れからフルリノベーション、販売までをワンストップで行い、これまでブラックボックスだった事故物件市場に光を当てた。会員制の「成仏物件倶楽部」では投資家向けの未公開情報も。現在業務拡大につき人材募集中とのこと。
取材・文/ドアふみ
撮影・ドアふみの手伝い/編集部
漫画/龍たまこ