【藤井聡太×広瀬章人】将棋研究2.0 第71期王将リーグ特集

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夏の残り香は、両者を自然と白いワイシャツに揃えさせた。
真白な壁を背景に、それは一筋の光を目指して日々実験に明け暮れる化学者の白衣姿にも重なる。

「ただ、強くなるために」――。
藤井聡太は昨秋、新たな研究材料としてGPUを使ったDL(ディープラーニング)系のソフト「dlshogi」を導入した。このエポックメイキングはすぐに棋士たちに波及し、少なくない数の者が後を追うことになる。

「dlshogi」は将棋界の“黒船”なのか?
今回の主題を定めた理由はここに集約される。トップ棋士8人のDL系ソフトとの距離感、今日の研究方法に迫りたい。

まもなく開幕する第71期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグでは、どんな化学反応が見られるのだろうか。今期も全21編のストーリーの幕開けに、ただ心が躍る。

戦いの場を日常に生き、自らの好奇心に貪欲な探究者・藤井聡太。
すべてを包み込む心優しき研究者・広瀬章人。
ここでは、読者とともに2人の「ラボ」を少しだけのぞいてみたい。

撮影/MEGUMI
取材・文/伊藤靖子(スポニチ)、ライブドアニュース編集部

「王将リーグ『将棋研究2.0』」特集一覧

まずはお二人の接点からお聞きしていきたいと思います。今回は藤井先生が広瀬先生をご指名されました。
広瀬 ありがとうございます。
藤井 いえいえ、よろしくお願いします。
広瀬 ちなみに他はどんな組み合わせになっているんですか? 永瀬(拓矢王座)さんは藤井さんを指名しなかったんですか。
それは想像にお任せします(笑)。先生方の希望からいろいろな組み合わせが考えられましたが、取材日程やこれまでにない目新しさなどを考慮して、対談相手を選択させていただきました。藤井先生から広瀬先生をご指名された理由を教えていただけますでしょうか?
広瀬 言いたくなかったら言わなくていいですよ。
藤井 ハハハ! 結構こういう対談は緊張してしまうので、広瀬先生だったら話しやすいイメージがあったので…(笑)。
広瀬 まともな答えをありがとうございます。任せてください。
藤井 お願いします、フフフ。
ひょっとしてお二人が面と向かってこのようにお話されるのは初めてですか?
藤井 初めてだと思います。
広瀬 そうですね。対局や「ABEMAトーナメント」などですれ違ったりすることはあるんですけど、話をするのは初めてですね。
広瀬先生とお話してみたいことがあったのでしょうか?
広瀬 それはないですよね。
藤井 ハハハ! いえいえいえ(笑)。
初めて藤井先生と会ったときのことは覚えていらっしゃいますか?
広瀬 会ったのは…、藤井さんのデビュー直後ですかね。棋士は将棋会館の「桂の間」でお昼ご飯を食べるんですけど、藤井さんがどこに座っていいかわからない感じだったので「ここだよ」って教えたことがありましたね。覚えていますか?(笑)
藤井 えー…………と(笑)。すいません。四段になってすぐのときですかね?
広瀬 そうですね。まだ連勝もそこまで伸びてないときくらいでしたね。「話す」に入らないような内容ですね。
昼食休憩中とはいえ、みなさん余裕がないと思われます。後輩を優しくサポートされる広瀬先生はさすがですね。
藤井 確かに対局中だと普通はなかなか人のサポートできないです。
広瀬 実は結構よくしゃべる人がいるんですよ。わかると思いますが、鈴木大介(九段)さんとか近藤正和(七段)さんとか…(笑)。その方たちが談笑していて若手棋士は黙々と食べている、という構図です。たまにこっちにも話が飛んでくるんですよね(笑)。
藤井 ハハハ! そんなことが…(笑)。
広瀬 A級(「順位戦」)の最終局とかは信じられないくらいシーンとしているんですけど、それは当然といえば当然ですよね。状況によっては話してほしいときもたまにありますけどね(笑)。
広瀬先生は現在34歳、藤井先生は19歳です。15歳の年の差がありますが、藤井先生は少年時代から広瀬先生の対局をチェックしたりしていましたか?
藤井 王位を奪取された頃からもちろん存じ上げています。
広瀬 その頃の僕は…。23歳で王位を獲ったので11年くらい前ですね。
藤井 たぶん奨励会に入る直前くらいだったと思います。
広瀬 8歳、9歳とかそれくらいですか。奨励会に入ったのは?
藤井 10歳でした。
広瀬先生がまだ居飛車党になる前ですね。
広瀬 私の振り穴党時代とか知っていますか?
藤井 はい(笑)、ハハハ!
広瀬先生が藤井先生の存在を知ったのはどのくらい前でしょうか?
広瀬 最初に名前が噂になったのは、確か鈴木大介先生が東海研修会の指導に行ったときに、飛車落ちで教えたらめちゃくちゃ強い子がいるということを言っていて、それがどうやら「藤井聡太」さんだったんですね。その当時は「ああ、そんなに強い子がいるんだな」くらいだったんですけど、それからほどなくして「詰将棋解答選手権」で優勝されて。あれよあれよという間にここまでになった印象です。

やっぱりプロが「強い子がいる」って言うのはよっぽどなんですよね。普通くらいのレベルの子では勝っても負けても印象に残らないので、やっぱりすごく光るものがあったんでしょうね。
藤井先生以外で過去にそのように言われた方はいらっしゃったのでしょうか?
広瀬 僕はそういう機会はなかったですね。藤井さんと小さい頃に指したことがあれば、そういうふうに思ったかもしれないですけど。
まずはお互いのチャートを見ていただけますでしょうか。(藤井三冠、広瀬八段のチャートの他に、すでにご提出済みの渡辺(明)王将、豊島(将之)竜王、糸谷(哲郎)八段のチャートも一緒に展開)。
広瀬 どれどれどれどれ?
藤井 おお〜。
広瀬 渡辺さんと豊島さんは常に高いですね。マイナスがない。
藤井 確かに。
広瀬 藤井さんは…「無の境地」……! かっこよすぎますね。
藤井 フフフ。
広瀬 (「王将リーグ3連敗で落ちこむ」を見て)さすがに落ちこんだんだ。
藤井 うーん…。厳密にいうと3連敗したときより2連敗目のほうが落ち込みました(笑)。
広瀬 豊島さんとでしたね。
藤井 はい。途中まで形勢が良かったということと、2連敗の時点で挑戦が絶望的になったので。3敗目はどちらかというと永瀬王座に完敗だったんですけど…(笑)。
広瀬 確かに負け方というのもありますよね。
藤井 はい。
広瀬 このときに記者のみなさんが「藤井さんは豊島さんが苦手なんだ」というのをワーワーワーワー書いて拍車をかけたんですね(笑)。
藤井 ハハハ!
広瀬 ここからでしたもんね、怒涛の連勝(年度をまたいで4カ月負け知らずの19連勝を記録)が始まったのは。3連敗した直後くらいからでしたよね。
藤井 「王将リーグ」3敗目のあとくらいから、確かに復調した感じでしたね。
広瀬 噂によると、そこらへんから使うソフトを変え始めた(ディープラーニング系ソフトの「dlshogi」を導入)と聞いたんですが。
藤井 時期としてはそれより少しあとで、「王将リーグ」が終わったあとくらいからです。
広瀬 自分でパソコンをセッティングしているんですか?
藤井 えーっと…。
広瀬 あ、言いたくなければ大丈夫ですよ。私も素人なんで全然。
藤井 グラフィックボード(将棋ソフトを動かすためのGPUが貼り付いた板)だけ買って、もともと使っていたパソコンで使えるように交換しました。
広瀬 藤井さんくらいのレベルだと簡単にできるんですか?
藤井 フフフ、えーっと(笑)。
広瀬 藤井さんは自分でパソコンに詳しいという意識はあるんですか?
藤井 特に全然。「dlshogi(従来のCPUではなく、GPUで動かす将棋ソフト)」を導入するのも割と苦戦したので…。
広瀬 それが完成してから使う戦法も変わった気がします。影響があったんでしょうね。
藤井 ハハハ! 調子が良くなったのはそれが影響しているのか、たまたまなのかわからないです、フフフ。
藤井先生が「dlshogi」の導入に苦戦されているとき、広瀬先生は「どきどき…」されていた、と。「どきどき…」とは何でしょうか?
藤井 確かに。フフフ。
広瀬 子どもが生まれるという「どきどき…」です(笑)。
藤井 お子さんが生まれて生活がかなり変わられた感じでしょうか?
広瀬 だいぶ変わりましたね、正直。チャートどおり(波の部分を指して)、毎日が波のような感じですよ(笑)。
藤井 波が! ハハハ!
広瀬 子どもと一緒に泣きたくなったり…。
藤井 ハハハ!
広瀬 11月下旬に生まれて最初の1カ月は(妻子は)里帰りしてたので、本格的に一緒に生活するようになったのは年明けくらいからなんですよね。バタバタしていて、その後すぐ藤井さんと対戦しなくてはいけなくて。まあ言い訳なんですけど。
藤井 フフフ。
広瀬 そんなわけで将棋に費やす時間が減ったり、あるいは細切れになってしまったんですよね。内容と生活が変わるのは覚悟はしていたんですけど、予想以上だった気はしますね。生活にムラがあるのはしょうがなかったんですけどね。

最近は落ち着いてきて、子どもがちゃんと寝るようになってきたんですよね。うちの子は全然夜泣きしないのが救いなんですけど、まだコロナ禍ということもあって全然外にも行けなかったので二重三重にちょっと大変なことが重なった感じでしたね。でもみなさん経験してることなんですけどね。
藤井 最後の「振り駒(※将棋で先手・後手を決める方法)の連敗が止まって残念」というのが気になります。
広瀬 実は今年度に入り4月から8月の千田(翔太七段)さんとやるまで振り駒で全敗してたんです。
藤井 何連敗ですか?
広瀬 たぶん8連敗くらい…。
藤井 ハハハ!
広瀬 もう笑っちゃいましたよね。こうなったら1年間後手番でいたかったなと思っていたので、止まっちゃって残念だったんです。藤井さんも後手番が多い印象がありますね。
藤井 去年まで後手番が多かったんですけど、今年は先手番が増えてきました。
広瀬 やっぱり確率は収束していく感じなんですね。
藤井 確かにあんまり偏ってほしくはないですよね。できれば均等にいってほしいです。後手が多かったり先手が多かったりすると、作戦的にも偏ってしまうので。
広瀬 直近の数局を調べてどっちかが多かったら「次は先手(後手)です」って調整してくれるルールがあったらいいですよね。
やはり先手番、後手番というのは気にするものなのでしょうか?
藤井 あー、どうなんでしょう?
広瀬 強い人ほど先後を気にしないといいますけど、(藤井先生を見ながら)どうなんでしょうね?
藤井 フフフ。
広瀬 自分も振り飛車党時代は全然気にしてなかったんですけど、居飛車の最先端の将棋を指すようになってから、だんだん気になり始めましたね。
チャートを見て他に気になるポイントはありますか?
広瀬 久しぶりに副立会と、初めて正立会人(※)をやりましたね。

(※対局で不正などがないか見届ける役割。正立会1名、副立会1名以上が置かれる)
藤井 ありがとうございました。
広瀬 いえいえ。でも今は対局者と話す時間が全くないので寂しいは寂しいですよね。「王将戦」も他のタイトル戦もそうだと思うんですけど。藤井さん自身はどうなんですか?
藤井 自分はコロナ禍でのタイトル戦しか経験してないので、それ以前を知らないというところがあって。
広瀬 お客様が入った状態の前夜祭を経験されていないんですね。
藤井 そうですね。でも前夜祭での挨拶を失敗したら結構引きずりそうなので…(笑)。
広瀬 あれ実は結構大変なんですよ。聞かれたことを答えるのではなくて、自発的に話していかないといけないので。
藤井 そうですよねー…。
しばらくの間はお客様と飲食を伴う形式の前夜祭というのは難しいかもしれませんね。
藤井 自分としては、お客様を前にしての挨拶がないのは安心してるんですが…(笑)。
広瀬 そこを安心しているんですね(笑)。「前夜祭でみなさんとの交流を楽しみにしています」って言っておいたほうがいいですよ。
藤井 ハハハ!
広瀬 ファンの方との写真撮影も恒例なんですけど、きっと藤井さんの前には長蛇の列ができるんでしょうね。あれ人気に差があると一方にすごい列ができてもう一方は…という現実が…。誰とは言いませんけど(笑)。
藤井 いやいやいや、フフフ(笑)。
副立会と正立会ではやはり気持ち的に異なるものなのでしょうか?
広瀬 過去には副立会人ばかりだったんですけど、副立会は責任という部分では多少気楽なんです。解説がメインの仕事の時もあるので。正立会の場合は、前日から検分に立ち会ったり、何かあったときの裁定や判断をする連盟側の代表という役割もあるので、そういうところは気をつけていましたね。対局規定を確認して千日手になったらどうするとか一応見ておきました。
藤井 フフフ。
広瀬 と、思って臨んだんですけど、「王位戦」は対局中の大きなトラブルもなく。対局2日目は取材対応ばかりになっていましたね。
チャートの中に「副立会で(緑霞山宿)藤井荘(長野県)に行く」と書いてくださいましたが、何か思い入れがあったのでしょうか?
広瀬 特に大きな理由はないんですけど、副立会も久しぶりだったんですよね。自分がタイトル戦に出たりとかでタイミングが合わなかったのと、久しぶりに遠出をしたなということで。あと名前が「藤井荘」だったので。
藤井 ハハハ!
広瀬 すごく良い温泉だったんですよ、森の中にあって。その期間に他に書くことがないので書いておきました。
藤井 ハハハ!
名人戦の藤井荘での対局のときには、昼食休憩の少し前に対局室に虫が現れるハプニングがありましたが、副立会人である広瀬先生が活躍されていました。
広瀬 あれは(正)立会が青野(照市九段)先生で、もう1人の副立会が横山(泰明七段)さんだったんですけど、どちらもいなくて自分しかいなかったんですよ。たまたま横山さんがどこかに行ってしまっていて(笑)。青野先生は大盤解説場に行っていたと思うんですけど、後で横山さんに会ったときに「ゴメンゴメン」と謝られました(笑)。
藤井 ハハハ!
広瀬 時間帯がぎりぎり昼休憩が近かったので良かったですね。2時間くらいあったら困ったと思いますけど、残り30分くらいだったので「すみません、休憩の間になんとかします」と言えました。ちなみに藤井さんは虫は苦手ですか?
藤井 王位戦第5局のときに対局室に小っちゃい蜘蛛がいて、自分のお盆の周りをウロウロしていたんで、気になって見ていました(笑)。
広瀬 嫌だとか怖いとかは?
藤井 蜘蛛ならたぶん大丈夫です。飛ぶ虫だとちょっと嫌かもしれないですね。
渡辺先生も飛ぶ系の虫が苦手というのは有名ですよね。
藤井 フフフ。
広瀬 確かに飛ぶ系は回避するのが難しいですよね。対局していた豊島さんは相手の近くに蜘蛛がいることに気がついていたんですか?
藤井 どうだったんでしょう(笑)。
広瀬 たまに盤にチョロチョロしている場合があって、そのときは跳ねのけるようにしてるんですけどね。
これだけ忙しい日程をこなしており、「藤井先生が複数人存在している説」も勘ぐってしまうほどです。今回のチャートもタイトル戦からご帰宅予定日の午前中に届き、とても驚きました。スケジュール管理の方法も教えていただきたいです。
藤井 自分だけ(チャートの)波が少なくて申しわけないです…(笑)。
広瀬 基本は自分で管理していますね。対局の連絡はもちろん連盟から来るんですけど、タイトル戦をたくさんやっていると、どうしようもなくてこの日しかない、ということもあるんです。そうじゃないときは「この辺からこの辺でどうですか」と聞かれるので、第1希望、第2希望を出して対局日程が決まるという感じですね。
藤井 自分の場合は、対局の日程調整は自分のほうで見ているんですけど、それ以外の取材とかは家族に調整してもらっている場合が多いです。一応「Googleカレンダー」に入れて管理しているので、見落としは減った気がします。
チーム戦として大きな話題となっている「ABEMAトーナメント」についてもお話しいただけますか。
広瀬 ドラフト(※)のことなんですけど、実は藤井さんが伊藤匠(四段)さんを選ぶっていうのが噂になっていたんですよ。

(※チームリーダーはABEMA側が選んだ棋士14名が務め、残るメンバーはドラフト会議形式で各リーダーが指名する。指名が重複した場合はくじ引きで決める)
藤井 え!? 噂に!? ドラフト前にですか?
広瀬 ええ。どこから漏れたかはわからないんですけど。でもさすがの選択で、見る目がありましたね。
藤井 情報漏洩があったんですね…(笑)。
広瀬 原稿に書かないほうがいいかもしれないですね(笑)。
ドラフト直後の取材のときにも複数の先生が同じようなご発言をされていたので大丈夫だと思います(笑)。
広瀬 「あの人は誰を取る」とか言って、情報をかく乱させる作戦の人もいたかもしれないですよね。でも誰も阻止しに行かず、最強のチームを生んでしまったんですね。
藤井 いえいえいえいえ(笑)。
広瀬 伊藤匠さんとは接点はあったんですか?
藤井 同じ年代なんですけど、奨励会に入って以降、全く対戦する機会がなかったので、プロになるまで棋風とかも知らなかったです。でもあのルール(※持ち時間5分で指すと5秒ずつ追加されるフィッシャールール)に強いという噂は聞いてました。
広瀬 ちゃんと情報はキャッチしているんですね。伊藤四段はとても落ち着いていますよね。
藤井 フフフ、確かに(笑)。
広瀬 もう1人は高見(泰地七段)くん。服部(慎一郎四段)さんとのドラフトの指名で競り負けての高見さんでしたけど、よく考えたら他に同世代がいないですもんね。誰を選んでも年上になっちゃいますもんね。(※その後、同世代として高田明浩四段がプロ棋士に上がったがドラフト時点では選択できなかった)
高見先生はどんな構想で選出されたのでしょうか?
藤井 服部さんを指名して、このお二人で通ると思っていたんです(笑)。
広瀬 ハハハ! 服部さんは正直被ると思ってましたよ。
藤井 そうなんですかー、なるほど…ちょっと読みが甘かったです…。ただ、高見さんという実力者を指名できて本当に良かったです。
広瀬 高見さんもやる気になったと思いますよ。藤井さんに選ばれるというのはスゴイことですから。私もある意味、メンバーの二人(丸山忠久九段、北浜健介八段)をビックリさせたと思うんですけど。たぶん、私から指名されるわけがないと思っていたと思うので。
藤井 フフフ。
広瀬 高見さんは良いお兄さん役ですね。
藤井 そうですね、本当にチームの雰囲気を良くしていただいています。
今年は各チームのTwitter開設も大きな話題となりました。渡辺先生は「戸辺(誠七段)さんはTwitter担当」と明言されており、各チーム広報担当の役割を担われている方もいるのかなとお見受けしました。
広瀬 確かに(笑)。丸山先生のツイートも新たな発見でしたよね。ガッキー(新垣結衣)結婚のニュースが出たときにちょうど藤井荘にいたんですよね。
藤井 ハハハ!
藤井先生の控室(※「ABEMAプレミアム」のみ視聴可能)での様子も新たな一面が垣間見られて楽しかったです(笑)
藤井 いやー、控室では失言が多かったんじゃないかと心配しています…(笑)。
広瀬 全然いいと思いますよ。失言といっても「これは勝ちでしょー」とかそういうレベルですよね。もっとひどい失言はみんないっぱいあると思いますよ。
藤井 自分では怖くて確認してないです(笑)。
広瀬 私も自分のチームは全然見れていないんですけど、たぶんカメラ回しっぱなしの中で使えるところを使ってるんじゃないですかね? 本当にマズイ失言は使われないと思いますよ(笑)。
藤井 フフフ。
広瀬 いやー、それにしても先日のチーム藤井戦は完敗でした。珍しくちゃんと事前に調べて作戦を立てていたんですよ。チーム藤井の予選の戦いを見返してみたんです。でも誰が出るかをじゃんけんで決めていて、じゃんけんの勝敗までは予想できないなって諦めました。
藤井 フフフ。
広瀬 じゃんけんで藤井さんは勝てないと見て、藤井さんは来ないと予想するべきでした。
藤井 ハハハハハハ!
「王将リーグ」について伺いたいと思います。今年も最強メンバーがそろいました。年齢の分布図でいうと、10代1人、20代2人、30代3人に、飛んで50代が1人。今年の印象を聞かせてください。
藤井 印象、そうですね。フフフ。「王将リーグ」は残留が4人なので、大きく印象が変わる感じはないです。どの棋士とも4局以上は指しています。今年も厳しいですよね。特に自分は前期陥落なので…(笑)。挑戦を目指す展開にしないといけないと思っています。
広瀬 私は近藤誠也(七段)くんとは対戦したことないんです。それが自分の中では一番新鮮ですね。あとは、よく対戦するメンバーという印象です。
藤井 フフフ。
広瀬 ただ、(対局表を)ご覧の通り将棋界の4強といわれるうちの3人が後手番での対局なんですよね。その差をどう埋めるかというのが課題です。ほんと、この組み合わせはひどいですよ(笑)。
広瀬先生は2年前の最終局での一局(※初めてのタイトル挑戦を阻止)、昨年も最終局で藤井先生の残留を阻んだ“藤井ストッパー”の印象があります。
広瀬 ほんと、すみませんでした。
藤井 いえいえいえ、そんな(笑)。
広瀬 2年前のあの将棋は途中からこっちがちゃんと勝たないといけない将棋だったんです。それを勘違いから結果的に劇的な感じになってしまったので、反省点のほうが多い将棋です。そういう意味では記憶に残っていますね。去年も、陥落に追いやってしまったんですけど、藤井さんはすぐに戻ってこられると思ったので「許してください」という感じです(笑)。
藤井 ハハハ!
今年は特に豊島先生との対局が続きますが、同じ方と対戦するのと違う方と対戦するのと、どちらがやりやすいですか?
藤井 それほど変わらないです。一局ごとに作戦を練るタイプではないので、こちらの調整の仕方は変わらないです。
豊島先生は「同じ方と対戦が続くと自分の調子がわからなくなるので王将リーグが楽しみ」とおっしゃっていました。
藤井 確かにそうですね、豊島さんとは5局連続だったかもしれないです。
広瀬 私が数少ない藤井さん以外の対戦相手です。そこからずっと藤井さんですよね。
藤井先生は3回目のリーグ出場、広瀬先生は5回目の出場となります。リーグ戦略の構想があれば教えてください。
広瀬 私の攻略プランは決まってますよ。後手番をどう対応するかです。最終戦が抜け番(対局がない)なので、それまでにみんなにプレッシャーをかけられる展開にできるように…そんなうまいことできるのかな(笑)。
藤井 ハハハ!
広瀬 過去に最終戦抜け番だったときにプレーオフの可能性があったんですよ。家で不思議な状況だなと思って見ていました。今回、藤井さんは最終戦が永瀬さんですか。
藤井 あ、はい。自分はあまりプランがないんですけど、前期はすぐに影が薄くなってしまったのでもう少し存在感を…(笑)。
広瀬 全然影が薄くなってないですよ。今年は「竜王戦」があるので、タイトル戦とリーグ戦の同時進行は初めてですよね。それが影響あるのかわからないけど。
藤井 挑戦を目指すとすると5勝がそのラインになるので、前期の自分だと相当厳しいという感じです(笑)。どの対局もしっかり良い状態で臨まないといけないなという気持ちです。
今年は「研究」をメインテーマに設定させていただきました。2年前くらいに藤井先生が高性能PCを自作されたり、昨年秋に新しくディープラーニング(以下、DL)系のソフトを導入されていることが話題となりました。今年に入って渡辺先生を筆頭に他の先生方もそれに続けと導入されている方が増えてきて、将棋界に新たな流れが来ている印象があります。
藤井 そういう流れがあるみたいですね。
糸谷先生は関西の先生方のPC購入や設定をお手伝いされているそうで、「サポートセンターのようになっている」ということをおっしゃっていました。PC購入に付き合って値段交渉をしてあげたり、セッティングまで担っているそうです。
広瀬 え、仲介業とかをしているんですか?(笑)
藤井 えーー!! スゴいですね!!
広瀬 仲介手数料をもらっているんじゃないですか(笑)。
藤井 仲介手数料(笑)、ハハハ!
研究成果のひとつとして、2月18日の「竜王戦」2組ランキング戦の広瀬先生との対局でプロ棋士になって初めて先手番での相掛かりを指されました。
藤井 はい。
広瀬 いや、意表を突かれましたね、さすがに。
藤井 フフフ。
広瀬 そう(意表を突かれているなと)思いました?
藤井 ハハハ! いえいえいえ(笑)。
広瀬 ▲7八金(※相掛かりの戦型となる手順)を見てこっちは青くなりました。想像してなかったので。
藤井 ハハハ!
先手相掛かりは準備されていたんでしょうか?
藤井 どこかで指してみようとは思っていました。
広瀬 運命の歯車が…。絶妙のタイミングでしたね。相掛かりは後手番でも指しているじゃないですか。後手番と先手番は違うとはいえ、後手番の相掛かりが苦手というわけではなかったと思うんですよね。

いつか先手番でやるだろうとは思っていたんですけど、最近、時代的にも相掛かりが流行っているし、若手でも相掛かりが得意な人が多いので。その「いつか」が私に来たか、と(笑)。
藤井 今年の1月くらいからは指すタイミングを伺っていて、先手番で横歩取り(※後手番が誘導する将棋の戦型)にならなければ指そうと思っていました。そのタイミングが、はい、「竜王戦」(の広瀬戦)で…という(笑)。
一方で昨年の「棋聖戦」を最後に、先手での角換わりをしばらく封印されていて、約1年ぶりくらいの7月13日の「王位戦」第3局で解禁されました。
藤井 「王位戦」の第1局が先手番の相掛かりだったんですけど、早い段階で形勢を損ねてしまったので、その反省もあって…。
広瀬 ほぼ初めての完敗だったんじゃないですか?
藤井 うーん、こっちがちょっと工夫しないといけないのかなというふうに思いました。もともと王位戦の番勝負のどこかで、角換わりを指す機会はあるかなと思って、ある程度考えていました。
渡辺先生は「藤井さんは自分のテーマが優先で、対戦相手に合わせているわけではないのではないか?」との考察していましたがいかがですか?
藤井 そう…ですかね…? そうですね、私には渡辺名人のような戦略があまりないので、読みづらいということでしょうか。
広瀬 難しいところで、みんなが共通と思っている戦型のテーマがみんな一緒かと思うと実はそうでもないという。あるいはこの対局に合わせた秘策みたいなところもあるので、あんまりそういうのを隠さないというのが藤井さんなんだと思います。……たぶん(笑)。
藤井 ハハハ! この対局ではこれをやろう、と考えていると外れたときにガクッとしちゃうので、あまりそういうことを思わないようにしています。どういう形になっても普通にできるのがいいかなと思っています。
まさかそれこそがチャートにある「無の境地」?
藤井 いえいえ、それはあんまり関係ないです(笑)。
広瀬 でもそれが棋士の究極系ですね。
昨年の11月に「dlshogi」を導入されたということですが、実際に使ってみた感覚はいかがでしたか?
藤井 違いますね。特に序盤の評価値が割と極端な違いが出ることが多かったです。使っていって「特徴」というのがハッキリあるなという印象でした。
渡辺先生が新しいPCを導入されたときは、初期設定にも苦労されたようでした。
広瀬 結構大変そうですよね。藤井さんは自分でセッティングしたんですか?
藤井 なんとか(笑)。
自分でやったとしても、それが正しく設定されているかわからなくて不安になりそうな気がします。
藤井 確かにわからないです、ハハハ!
渡辺先生も以前使っていたPCの性能が100%発揮できていない設定だったことが判明していました。
藤井 あー、スレッド数の設定が正しくなかったという…?
しかしそれでいてあの強さというのが驚きですが、渡辺先生クラスがあの状況…ということは多くの棋士が正しく設定できていない可能性が高いですよね。
藤井・広瀬 ハハハ!
それにしても藤井先生は本当にコンピューターにお詳しいですね。「dlshogi」のインストールは簡単ではないはずです。インターネットで調べながら設定されたのでしょうか?
藤井 はい、“ググり”ながらなんとか(笑)。
広瀬 藤井さんはソフトの開発者の方との接点はあるんですか?
藤井 特には。「dlshogi」がかなり強くなっているということは、「水匠」(将棋ソフト)開発者の杉村(達也)さんにお会いしたときに伺ったので、自分でも導入してみようかなと、それがきっかけでした。
「水匠」プラス「dlshogi」という流れが将棋界全体でも来ているのですね。
藤井 フフフ、そうなんですね。
「水匠」は序盤で評価値「1」を付けることが多いですが、「dlshogi」は極端に「200」などを付けることもあるようですね。なぜ「200」を付けるかということを理解できないと、使いこなせていないということになるのでしょうか?
広瀬 そうなんですか?
藤井 序盤に関しては「dlshogi」のほうが強いんです。
広瀬 それはハッキリしてるんですね。
藤井 そうだと思います。なので、序盤に関してはおそらく「dlshogi」を見たほうがいいのかなという気がします。
強いかどうかの判断は、評価値や読み筋の提示を見て判断しているのですか?
藤井 「dlshogi」のほうが局面評価の精度が高いので、序盤においては強いと思います。終盤は水匠の方が正確な場合が多いです。
表示されている評価値を信用して素直に受け止められているということなのでしょうか?
藤井 うーん…。評価値の数字だけが大事というわけではないような気がします。局面を進めると数字が動く場合も多いですし、その数字そのものよりはその局面をどう評価するのが良いかというところですかね…うーん…言語化が難しいですね…。
広瀬 確かに評価値の数字をどう理解するかは人それぞれ違いますしね。
豊島先生と糸谷先生にお話を伺ったときも「200、300くらいなら気にしない人がいる」とおっしゃっていて、特に振り飛車勢(※今回の王将リーグは全員が居飛車党)はメンタルが強いということをお話してくださいました。
藤井 ハハハ、メンタル! 確かに振り飛車は互角なら優勢みたいな(笑)。
広瀬先生も一昨年のインタビューで新しくPCを替えられたということをお話されていました。
広瀬 全然古いPCですけど。
藤井 いえいえ。
広瀬 細ぼそとそれを使っていますけど、話を聞いていると私も頑張ってDL系を使わなきゃいけないのかと思わされることが多いですね。
ということは、広瀬先生も渡辺先生に続いて130万円のPCに手を出されますか?
藤井 DL系のソフトを使うのに、おそらくそんなにはかからないです(笑)。
広瀬 お店と値段交渉しないといけないのか…。糸谷さんに頼むしかないのかな…。
藤井 値切っていただいて(笑)。
広瀬 自作というのは?
藤井 全然メリットはないです(笑)。
え? そうなんですか。組み立て料など中間マージンがないぶん、自作のほうが安くなるイメージがある気がします。
藤井 うーん、いやー、どうでしょう…それも怪しいような…。
広瀬 安くなるわけではないんですか?
藤井 パソコンの構成次第だと思います。最近はゲーミングPCの需要があるので、ゲーミングPCでよくある構成だとそのまま買ったほうが安いと思います。ちょっと珍しい構成ならパーツごとに買ったほうが安い場合もあります。将棋ソフトメインの場合、CPUとGPUどちらも必要な感じになってきたので、売れ筋のものとそんなに構成的な差がなくなってきた感じかもしれないです。
豊島先生と糸谷先生から、「GPUは仮想通貨のマイニングブームで今は高い」という話を伺いました。
藤井 そうですね、今年に入ってかなり。少し落ち着いたんですけど高くなっていてなかなか買えないですね。
広瀬 若手棋士たちもそっちのほうに移行し始めているんですかね? 勝ってる若手は高性能PCを買えるので、さらに勝つという循環になりそう。棋士は幸か不幸か他にお金の使い道がないんですよね、今は外に遊びに行けるわけでもないし。元が取れればそんなに高くはない「経費」になるのか。
藤井 ハハハ! 経費(笑)。
とはいえ、序盤が強いのがハッキリわかっているなら、DL系ソフトを導入したほうがメリットになると素人目には思うのですが、そういうわけでもないのでしょうか?
広瀬 渡辺さんもそうですけど、我々世代のところがちょっと悩みどころなんじゃないですかね。30半ばで戦法を変えるというのは大変なことなので。渡辺さんはそれを死に物狂いでやるという決断なんだと思うんですけど。

例えば(佐藤)天彦(九段)さんみたいに振り飛車を指したりとかそういう人もいますし、糸谷くんも使っているようですけど、序盤研究として使っているわけではなさそうだし、力戦派(※定跡から外れた戦いを得意とする)というところは変わらないですよね。難しいところですね。自分の世代はタイミング的に難しいなと感じます。
ちなみにこれだけソフトが強くなった今でも対戦することなどもあるのでしょうか?
藤井 対局が少ない時期にはやることはあります。対局が多いと指してばかりだと疲れるので(笑)。対局が少ない時期は、ある程度調整するためにやることがあります。
広瀬 へー。
藤井 ただ最初の局面からやると展開的に偏ってしまうので、「互角局面集」(※ソフト開発者のサイト上で公開されている)とかを使って途中からスタートしてやったりします。
藤井先生ならソフトに勝利することもあるのでしょうか?
藤井 さすがに(強さの設定は)緩めています、フフフ。
広瀬 実戦と同じような環境で考えるために、という意味ですか?
藤井 そうですね。
広瀬 集中して何時間も対戦したりするんですか?
藤井 そんなにはやってないです。ずっと集中するのは難しいですよね…(笑)。ただ、やっぱり人間同士でも定跡で同じような展開になることも多いので、途中からやると違う局面でちゃんと自分が判断できているのか、できていないのかを把握できるというメリットがあります。
ソフトから学んで人間もかなり進化してきました。今の棋士であれば過去のどの時代のソフトなら勝てそうでしょう?
広瀬 どうなんでしょうね。
藤井 フフフ、どうなんでしょう。
広瀬 確かに藤井さんがどのソフトだったらいい勝負ができるのか興味はありますけど、聞かれる側は大変ですね(笑)。
藤井 うーん。ただ「電王戦」で人間側が勝てたのは対コンピューター戦略を駆使したという展開が多かったので、基本は厳しいでしょうね。

ソフトの棋風とか特徴を把握していない状態でやったらやっぱり厳しいと思います。人間のほうが対応できる展開の幅が基本的に少ないと思うので、見たことがない展開になったときに上手く対応するって難しいような気がします。特定の展開を狙って誘導するみたいなのが勝ちパターンなので、そういうことをしないと結構難しいと思います。
一方で対人戦というところで、「VS」(1対1の研究会)での研究についてはいかがでしょうか?
広瀬 こういう状況で月に10回も20回もやったら怒られそうなので…。
藤井 ハハハ!
広瀬 今は月に2回くらいですかね。あとは家でなんとかやっているという感じですけど、オンラインはやってないんです。自分はオンラインだとどうしてもダレてしまうので。去年、豊島さんがオンラインでも盤で駒を並べていると聞きましたけど、自分はどうしてもできなかったですね(笑)。
藤井 確かに。
広瀬 藤井さんは? 聞いていいのかな、どうなんですか(笑)。
藤井 自分は去年からすべてネットだけになっています。
広瀬 永瀬さんともネット?
藤井 あ、はい。
広瀬 永瀬さんとは移動の距離という問題もあるからね。
藤井 そうですね、元からそんなに対面の研究会は多くなかったので、それほどあまり大きな変化はないです。
広瀬 ネットでもちゃんと集中してできるんですね。
藤井 いや、うーん…。やっぱり集中力は落ちますね(笑)。
広瀬 ですよね(笑)。ピンポーンと宅配便が来たり。ああ、でも藤井さんは親御さんがいるから大丈夫か。
藤井 確かに対面と同じように集中するのは難しいですね。
感想戦はイヤホンなどでそのままネット上で行うのでしょうか?
広瀬 感想戦は画面でチャットしたり、自分は電話だけですね。ちゃんと感想戦やる人は「Zoom」とかをつないでやったりするんですかね? そういうところからして自分はモチベーションが上がっていないというのがわかりますよね(笑)。
藤井 感想戦は電話ですね。
広瀬 電話。良かった、自分以外に電話派もいるんですね。
藤井 割と符号だけで進める感想戦も多い(※プロ棋士は将棋盤を使って指さなくても言葉のやりとりで局面を理解できる)ので、それほどデメリットは多くないような気がします。
先程のコンピューターのセッティングの話との関連になりますが、テニスや格闘技の世界では選手の技術面やメンタルケア、戦略面をサポートするためのコーチが複数ついています。これだけ棋士もいろいろなことをやらないといけない時代になり、コーチ制度なども取り入れるようになるのでしょうか。
藤井 どうなんでしょう。確かにチェスの世界だとコーチとかが付いていますよね。将棋はこれまでそういう文化が全くなかったので…うーん。どうなんですかね、フフフ。
広瀬 付いてほしいですけどね。こんなだらけた生活を送っているので自分はコーチがいてくれたほうがいいです。
藤井 ハハハ! いえいえいえ(笑)
特に研究環境でソフトのセッティングなど技術面をサポートする専門スタッフが付くことは現実味がありそうな気がします。
広瀬 対局を分析してくれるスタッフが付くことは願ってもないことですね。それでどうやったら藤井さんに勝てるかを教えてほしいです。
藤井 ハハハ! どうなんでしょう。
広瀬 そういう風習がなかったですからねー。
藤井 確かにそういうことをやる方が出てきたら流れが変わるかもしれないですね。
広瀬 対局結果を分析することができる方もそんなに多くはいないでしょうから、コーチは早いもの勝ちになりますね。
サッカーではGKコーチや戦術コーチだけではなく、スローイン専門コーチなど、かなり細分化していますね。将棋でも序盤専属、中盤専属、終盤専属などが登場する未来が…。
藤井 スローインコーチ! へー、そうなんですか! 大事なんですね。
広瀬 大事なのかなと思うんですけど、いるんですよね。
藤井 確かにそういうコーチを取り入れて成果を出す方がいれば…。
広瀬 将棋の知識も必要になってきますしね。できる人は限られてくるでしょうね。(了)

「王将リーグ『将棋研究2.0』」特集一覧

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応募方法
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受付期間
2021年9月19日(日)12:00〜9月25日(土)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/9月27日(月)
    当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから当選者様宛に個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
    当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから9月27日(月)中にダイレクトメッセージでご連絡させていただき、9月30日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選にかかる権利を無効とさせていただきます。
    賞品の発送
  • 賞品の発送はキャンペーン終了後、9月内に予定しておりますが、都合により多少前後する場合があります。予めご了承ください。
キャンペーン規約
  • 本キャンペーンはLINE株式会社が行なっており、Twitter社とは一切関係がありません。
    ・応募は20歳以上の方に限ります。
    ・応募は日本国内在住の方に限ります。また、賞品の発送先も日本国内に限ります。
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    ・キャンペーンツイートに「いいね」やリプライをしても応募対象にはなりません。応募の際は必ずライブドアニュースのTwitterアカウントをフォローの上、指定のキャンペーン投稿をリツイートしてください。
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