すでに世界選手権と全日本選手権は制覇した。男子100キロ級代表のウルフアロン(了徳寺大学職員)が目指すは、地元開催のオリンピックでの金メダル、そして三冠の達成だ。
山下泰裕さんや井上康生男子代表監督ら、歴代のレジェンドが成し遂げてきた偉業への挑戦に「しっかり優勝して、歴史に自分の名前を刻みたい」と野望を抱く。
座右の銘は「夢は大きく、目標は身近に」。
オリンピック金メダルの夢を掲げてからというもの日本の頂点に立ち、2017年には世界一にもなった。怪我で
柔道ができなくても結果が出ない時も一歩一歩その歩みを進めてきた。
そんなウルフは
柔道には常に冷静に向き合ってきた。
「"死ぬこと以外はかすり傷"をあげる
柔道家も多いけど、その言葉は挫折していない人が使う言葉。かすり傷だって、いっぱい受けたら死にますからね」
ウルフ・アロン Photo:Sachiko Hotaka
五輪が1年延期になったことはプラスに捉えている。
「去年の7月は調子も悪かった(19年に右ヒザを負傷し、手術を受けた)。この1年を通して、自分の体を見つめ直すことができたと思います」
ゴールデンスコア(延長戦)に入ると滅法強いことから、一部ではその時間帯は"ウルフタイム"とも呼ばれている。
東京五輪でもゴールデンスコアになれば、無尽蔵のスタミナを武器にウルフならではの強さを見せつけるか。