このラーメンは初。スープを飲むと、ラムの香りとパンチのある旨みがぶわっと広がる。のどぐろは、う〜ん、よくわからないけど、きっとこの厚みや複雑さのベースになっているのだろう。とにかく、ラーメンというより本格フレンチの一品かと思うようなスープなのだ。そこにラムチャーシューやつくねものっかって、1000円というお値段も納得できるクオリティ。まさにラーメンの“進化”を感じた。
ラムとのどぐろのラーメン 煮卵入り 1100円[住所]東京都豊島区南大塚3-46
[電話]03-5924-6554
[営業時間]火のみ11時〜15時、17時〜売り切れ次第終了
[休日]水〜月
[交通]JR山手線大塚駅南口から徒歩3分
夜は人気チェーン居酒屋
瀬戸内いりこラーメン 古田島
神保町
さて、お次は神保町にある『瀬戸内いりこラーメン 古田島』へ。『ふくの鳥』というチェーン系焼鳥店の昼の顔。店内は広く、席数も多いため、ランチタイムの真っ只中でもNO行列。それに席幅もゆったりで、他人との距離もバッチリだ。
実は今まで、“煮干し系ってそんなに……”だったが、こちらのエグミのない透き通るような旨みに考えは一気にガラリ。卓上にある「いりこ酢」や「いりこ 一味山椒」で味変しながら、スープも完飲したほど。本誌ラーメン特集で紹介している煮干し系の店と、確実に肩を並べていた。
瀬戸内いりこ 味玉ラーメン 850円[住所]東京都千代田区神田神保町2-20
[電話]03-5275-3350
[営業時間]11時〜15時
[休日]日・祝
[交通]都営地下鉄三田線ほか神保町駅A4出口から徒歩3分
夜は居酒屋の製麺所直営店
麺屋 TAMOTSU
渋谷
最後は渋谷の『麺屋TAMOTSU』だ。長野市にある製麺所の直営店で、昼はラーメン、 夜は居酒屋として営業。ご自慢の麺を啜ると、パツッとした歯切れもよく、のど越しが超なめらか。中華麺には必須と言われる“かんすい”不使用なんだとか。なのに、コシもきちんとあって、どうやって打つんだろ?
スープは伊吹いりこの、すっきりとした和風ダシで、全体的に和な趣きだ。“ラーメンはちょっと重い”そんな世代や気分の時にもバッチリだろう。一緒に注文した「佃煮めし」はイリコの佃煮がのっかって、それだけでも、スープをかけてお茶漬け風に食べても抜群だった。それにホスピタリティあふれる接客で元気いっぱい。とある人気店の無愛想な対応にザラついていた(本誌2021年2月P54の座談会参照)私のハートを癒してくれた。ありがとう。
香 〜かおる〜 880円他にも、固定メニューに絞らず、その時々の食材で全く違う1杯を出す『麺処 図鑑』(下写真)など、どこもレベルが高い! そんな二毛作の店、これからも注目だ。
渋谷にある『麺処 図鑑』の「特製牡蠣の淡麗そば」 (1200円)。取材時は牡蠣ダシで、その前は鴨ダシと、その時々の食材にスポットを当てた一杯を提供取材・撮影/菜々山いく子