人は一生のうち4分の1から3分の1を睡眠に費やしており、「なかなか寝付けない」「夜中に目が覚めてしまう」といった悩みは生活に大きな影響を及ぼします。近年注目を集めている「10kgほどの加重毛布をかけて寝る」というシンプルな睡眠改善方法について、科学系ニュースサイトのPopular Scienceが解説しています。

Do weighted blankets actually work? | Popular Science

https://www.popsci.com/story/science/weighted-blankets-anxiety/

近年欧米では「加重毛布をかけて寝る」という睡眠改善方法が注目を集めており、実際にこの方法を導入した自閉症や摂食障害などの精神障害関連の施設も現れています。実際に、長年精神科病棟に勤務してきた経歴を持つアネット・ベックランド氏が「加重毛布によって、拘束の必要がなくなった人もいました」と語り、デンバー医療センター精神科のキャサリン・イーロン氏が「高いレベルの不安障害を抱えるほど、加重毛布を好みます」と語るほど、医療現場からは「効き目がある」という声が上がっているとのこと。

加重毛布の睡眠改善効果は2010年頃から科学的調査が行われており、一貫した結論は出ていませんが、近年は「効果あり」とする研究が多いとのこと。2008年のマサチューセッツ大学の研究では「毛布によって改善したのか、横になることによって改善したのかは区別できない」と、2013年のコミュニティチャイルドヘルスセンターの(PDFファイル)研究では「自閉症スペクトラム障害の子どもには効果がない」と結論づけていますが、2020年のセントレオ大学の研究では「著しい鎮静効果がある」と、2020年のカロリンスカ医科大学付属病院の研究では「不眠症の傾向が軽減する」としています。

カロリンスカ医科大学付属病院の研究については、以下の記事で詳細に解説しています。

体にかける毛布を重くすると不眠症が改善するかもしれない - GIGAZINE

Popular Scienceは加重毛布に関する調査を続けているイーロン氏らが「明確な証拠はまだ出ていない」としながらも研究チームの全員が家族に対して加重毛布を購入したというエピソードを紹介して、現段階では加重毛布は睡眠に役立つと考えられ、自分の体重のおよそ10%に相当する加重毛布がオススメだと報道。その一方で、「心的外傷後ストレス障害(PTSD)まで治療できる」とうたう加重毛布の存在を挙げて、こうした主張には根拠がないと指摘しています。