トヨタ新型「ミライ」は高級輸入車を超えた!? 単なるエコカーじゃない最新FCVの魅力とは

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水素で走るFCV「ミライ」がフルモデルチェンジ

 水素を燃料にして走るFCV(燃料電池車)は、水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、モーターを駆動させて走行するクルマを指します。

 わずか数分の水素充填で長距離を走れることや、排出するのは水のみというクリーンさから、究極のエコカーとして注目されています。

2代目にフルモデルチェンジしたトヨタ「ミライ」

【画像】まるでスポーツカーみたい! 進化したトヨタ「ミライ」とは(42枚)

 国産のFCVとしては、トヨタ「MIRAI(ミライ)」とホンダ「クラリティ フューエルセル」の2車種がありますが、とくにミライは、2014年に発売されて以来、世界初の量産FCVとしてグローバルに展開されてきました。

 そしてデビューから6年経過した2020年12月に、ミライは2代目へとフルモデルチェンジ。新型ミライはどのようなモデルに進化したのでしょうか。

 水素で走るクルマというのがミライの最大の特徴ですが、実際にクルマを目の当たりにすると、高級感なプレミアムセダンという印象です。

 新型ミライのボディサイズは全長4975mm×全幅1885mm×1470mmと、トヨタの高級ミニバン「アルファード」よりも全長・全幅は大きく、迫力満点のセダンだといえます。

 外観はエモーショナルなスタイリングを目指し、スピード感あふれるプロポーションと大胆な面の変化を重視した造形を融合させた堂々たるデザインです。

 内装は、インパネ上部に配置された先進的な12.3インチの大型ディスプレイや座り心地の良いシート、上質感を感じさせる室内空間などが際立つインテリアとしました。

 新型ミライのチーフエンジニアを務める田中義和氏が、「クルマの作り込みや走行性能、ハンドリング性能にはかなりこだわっており、BMWやメルセデス・ベンツに負けないクルマを目指した」というように、FCVという特徴以上に、高級感や先進性などといった特徴が全面に押し出されているようです。

 先代の駆動方式はFFでしたが、新型はFR高級車用として定評ある「GA-L」プラットフォームを採用。

 小型で高出力化したFCスタックはフード下に、モーターと駆動用バッテリーはリアに配置するとともに、水素タンクも含めたFCシステムを最適に配置することで、前後50:50の理想的な重量配分を実現しました。

 実際に運転してみると、「ノーマルモード」では、アクセルを踏むと自然な感じで加速していきますが、エンジンがないのでとても静か。良い意味でFCVっぽくなく、高級セダンとしてまったく違和感のない、上質な乗り心地が味わえます。

 その一方、ひとたび「スポーツモード」を選択すると、2.2t超の車重をまったく感じさせない力強い加速を見せるところは、さすがはモーター駆動といったところ。

 また、首都高のカーブでは、スポーツカーさながらの卓越したコーナリング性能を見せてくれました。

1充電で850kmものロングドライブが可能に!

 走行性能の高さや静粛性に優れたミライですが、実用性も兼ね備えています。

 航続距離を延ばすため、FCスタックの高性能化とともに、先代では2本だった高圧水素タンクを新型は3本搭載。1充填につき850kmのロングドライブを可能にしました(WLTCモード)。

トヨタ新型「ミライ」

 また、先代モデルは後席2人掛けの4人乗りでしたが、新型ミライは後席3人掛けの5人乗りへ変更。

 とはいえ、後席中央の足元は一段高くなっていることから少々窮屈なので、2人掛けでゆったり座るのが良さそうです。

 快適性も追求し、前席だけでなく、後席左右にも、シートヒーターおよび、ベンチレーションを備えました。

 また、寒い冬に手元を温めてくれるステアリングヒーターも装備しており、トヨタ車唯一の全周タイプとすることで、どこを握っても温かさが伝わってきます。

 トランクルームも広く確保しており、9.5型のゴルフバッグは2つ、9型であれば3つ載せることができるといいます。

 さらに、新型ミライの面白いところは、走るほどに空気がキレイになるマイナスエミッションを実現しているところです。

 ミライは走行中のCO2排出ゼロはもちろんですが、発電のために取り入れた空気をキレイにして外に出す空気清浄システムを開発。

 ダスト除去性能を高めたエアクリーナーに加え、化学物質を除去しPM2.5の発生を抑えるフィルターを用いることで、大気を浄化する機能も盛り込まれました。

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 FCVの普及には水素ステーションの拡充が不可欠とされていますが、設置個所がまだまだ少ないのが現状です。

 しかし、水素はさまざまなものから作り出すことが可能で、使用するときにCO2を排出せず、タンクに貯めて運ぶことができるという点でも将来の有望なエネルギーとして期待されており、トラックやバス、フォークリフトなどの商用車にも活用されています。

 現時点では、乗用車のFCVとしては、このミライとホンダ「クラリティ フューエルセル」の2車種ですが、さらなるFCVの普及を目指すには、セダンだけでなく、SUVやミニバンといったバリエーションも必要になるでしょう。

 水素ステーションの拡充とともに、選択できる車種が今後増加すれば、FCVはこれまで以上に多くの人から選ばれるパワートレインになり得るのではないでしょうか。