ゲームエイジ総研、産経デジタル、日本ユニシス、ヒューマンアカデミー、レノボ・ジャパンの5社が設立した「Game Wellness Project」は、eスポーツタイトル(FPS系)のプレイが「課題遂行能力」に与える影響について検証を行い、結果をまとめた。

検証では、ヒューマンアカデミーe-Sportsカレッジに在籍する学生4名、講師(プロ)2名を対象に、トレイルメイキングテスト2種類(TMT-Aタイプ、TMT-Bタイプ)を実施。FPSゲームプレイ前にトレイルメイキングテスト(TMT)を行ない、その後40分間ゲームをプレイする。そして、ゲーム終了後に再度トレイルメイキングテスト(TMT)を実施し、ゲームプレイ前後の記録を比較した。

プレイ前後に実施したトレイルメイキングテストは、ワーキングメモリ・複数課題遂行能力を測るもの。TMT-Aタイプは、1から25までの数字を順番にできるだけ早く線でつなぐ時間を測定するもので「視覚性探索能力・配分性注意、持続性注意、認知的処理能力」を主に測定する。TMT‐Bは13個の数字と12個の平仮名が配列されたもので、数字ー平仮名を順番に線でつなぐ時間を測定するもの。Aタイプ、Bタイプともに回答時間が早いほど能力が高いと言える。

実施したテスト

プロeスポーツ選手を対象に実験を行ったところ、プレイ前に比べプレイ後のTMTの回答時間はAタイプで39.33秒から20.93秒、Bタイプでは38.3秒から31.58秒と、いずれも短縮。アマチュアの学生においてもプレイ前はAタイプ41.56秒から31.01秒、Bタイプで54.89秒から42.51秒と、プロと同様にいずれも時間が短縮する結果になった。

プロと学生のプレイ前のデータを比較してみると、プロがAタイプ、Bタイプともに回答時間が早く、さらにプロはゲームプレイ後にはAタイプで18.4秒と大きな短縮が見られることから、アマチュア学生よりもプロは、よりゲームプレイの刺激によって課題遂行能力が高まることが考えられるという。

アマチュアの学生に日を変えて同じ検証を行った結果も、TMT-Aタイプ、TMT-Bタイプともに、ゲームのプレイ前とプレイ後では課題遂行時間の短縮が見られた。継続的な検証結果でも、ゲームプレイによって課題遂行能力が向上するという結果を得られたという。

また、プレイ前のデータを見ると、TMT-Aタイプでは1回目が41.56秒なのに対し、2回目は36.89秒と、通常時においても回答時間が短縮しており、TMT-Bタイプでも1回目54.89秒、2回目48.56秒、3回目48.31秒と、回答時間が短縮。特に成績の良い対象者ではプレイ前のデータで1回目から2回目で9.77秒の回答時間の短縮が見られた。

このことは、継続的かつ長期にゲームをプレイしていくことで、ゲームプレイのパフォーマンス向上だけではなく、ゲームプレイ以外の日頃の生活の様々なシーンでの課題遂行能力が向上する可能性を示しているという。

結果として、同プロジェクトでは、今回の検証でゲームプレイによる課題遂行能力の向上が見られたとしている。また、プロとアマチュア学生の課題遂行能力の違いや、継続的にゲームプレイすることによる課題遂行能力向上の可能性も示された。