ヒトミさん(仮名)

 結婚したくても、恋人がいない。恋人を作りたくても出会いがない。そんな女性も多くいるでしょう。
 一方で、何度も結婚をしている女性もいます。結婚する人のうち再婚の割合は年々上がっていて、平成30年の結婚件数のうち夫が再婚19.7%、妻が再婚16.9%(厚生労働省、人口動態統計)。花嫁さんのうち約6人に1人は、再婚というわけです。

 今回話を聞いたヒトミさん(仮名)は、現在36歳ですでに4度もの結婚を経験しています。初婚は26歳なので、かなり早いペースで離婚と結婚を繰り返したことになります。

 本人は、4回も結婚した自分を「何ごとにもこだわりがない性格だから」と言います。それにしても、途中で結婚という制度にうんざりしないのか? ヒトミさんに結婚4回の顛末を聞きました。

◆初めての結婚は、夫の忙しさにすれ違う日々

 最初の結婚相手は、2つ年上のテレビ関係の仕事をしている卓也さん(仮名)でした。友だちが開いた飲み会で知り合い、同棲を経てトントン拍子で結婚。しかし、ほどなくして、仕事で忙しい卓也さんに不満を抱くようになります。

「テレビの仕事ってとても忙しいんです。今みたいに働き方改革なんてないときですから。休みなしで働いていました。1週間丸々会えないようなこともあって、寂しくて仕方なかったです」

 寂しさを埋めるべく通い始めたパン教室で、ある女性と知り合います。その女性の夫も超忙しいテレビ関係の仕事でしたが、決定的な差がありました。

「彼女の旦那さんはテレビ局勤務で、卓也さんは制作会社勤務。テレビ局と制作会社とでは、お給料がまったく違うんです。あるとき、彼女は旦那さんに海外旅行をプレゼントされていました。いつも忙しくて迷惑をかけているから、子供と彼女のお母さんと3人で、ハワイに行って羽を伸ばしてきなよ、って。その話を聞いて、すごく自分が惨めに感じました。卓也さんのお給料ではとうていそんな事はできないので……」

 やり切れない思いの矛先を卓也さんへと向けるヒトミさん。彼の仕事に対する姿勢に不満を抱くようになったそうです。

「この人は、たとえ出世しても忙しさは続き、今と生活は変わらないだろうと思いました。私は子どもが欲しかったのですが、この人は子どもの運動会にも出られないだろうと思って。しかもお給料のアップも見込めません。そう思ったらサーッと気持ちが引いていきました」

 そして1年半の結婚生活にピリオドが打たれました。

◆2回目の結婚生活ではDVを受けて

 2度目の結婚は28歳のときで、離婚からわずか半年後のこと。相手は6つ年上の、スポーツ新聞のライター、浩二さん(仮名)でした。

「実は離婚をする少し前に知り合って、お互いに意識していたんです。女性は基本的に、離婚後半年(※)で結婚できますから。浩二さんは、職業柄いろんなことを知っていて、話していて楽しかったんですよね。それに、かなり強いアプローチを受けていたので、押し切られた形です」

※2016年の民法改正で、100日に短縮された。ただし例外規定もある。

 しかし、浩二さんは内面的な問題を抱えていたんだとか。

「プライドが高かったんです。私が彼の記事を読んで素っ気ない感想を言うと、怒るんです。あるとき、ちょっと言い合いになり、知っているライターさんの名前を出して、“〇〇さんの記事のほうがずっと面白いのに”と言ったら、殴られました。しかも、彼の腕時計が目に当たって痣になり、翌日には大きく腫れ上がっていました」

 それからは、物事の判断基準が、浩二さんを怒らせないかどうか、という一点だけになってしまったというヒトミさん。「毎日ビクビクしながら生きるのに限界を感じたので、別れ話を切り出しました。すると彼が毎回泣きついてくるんです。そんな姿を見ると、この人は可哀想な人なんだ、という思いがあふれてどうにも振り切れず仲直りをします。でもしばらくすると浩二さんはまた暴言を吐いたり壁を殴ったりします。そしてまた別れ話、のループから抜けられなくなってしまいました」