Googleは大手IT企業として、長年にわたり自社の強力なプライバシー対策を推し進めてきたほか、ウェブで利用される技術に関する標準化団体ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C)の一員としても活躍してきました。しかし、その舞台裏でGoogleは、W3Cによるプライバシー対策の取り組みを阻止するために動いていたと指摘されてます。

Google Blocking Web Privacy Proposals at W3C - CPO Magazine

https://www.cpomagazine.com/data-privacy/google-blocking-web-privacy-proposals-at-w3c/

ウェブ上のプライバシーやセキュリティ関連情報に特化したニュースサイト・CPO Magazineは2019年10月に、「Googleは2019年8月にcookieの廃止を定めたプライバシーサンドボックスを華々しく発表しました。しかし、その後ろ手ではW3Cによるプライバシーの取り組みを阻む工作も行っていたことが分かりました」と報じました。

CPO Magazineによると、GoogleはW3CのワーキンググループであるPrivacy Interest Group(PING)の憲章改正案に反対票を投じた唯一のW3Cのメンバーだったとのこと。W3Cは当時、多くのメンバー団体がWebプライバシーを軽視していることを懸念して、PINGの影響力を拡大させることを目的とした憲章の改正を目指していました。

この改正案に対しては、決議に参加したメンバー25団体のうち24団体が賛成票を投じていましたが、Googleの親会社であるAlphabetは反対票を投じました。W3Cは全会一致を原則としているため、Googleがたった1票の反対票を投じただけで、改正案は廃案になってしまったとのこと。

これについて、CPO Magazineは「国際連合安全保障理事会の常任理事国が1カ国でも拒否権を発動すると決議が不成立になってしまうかのように、Googleはたった1票でプライバシー対策に心血を注いできたW3Cのワーキンググループの努力を台無しにしてしまいました。この24対1の結果は、Googleが一般人に信じて欲しいと思っているほどにはプライバシー問題を真剣に捉えていないことを示すとともに、Googleが孤立を深めていることを象徴しています」と述べています。

by Marc Kubischta

伝えられるところによると、PINGは自社のプライバシー政策を強引に推し進めようとしているGoogleに対抗するための牙城となりつつあるとのこと。Googleに対抗しているW3Cのメンバーには、AppleやFirefoxを開発しているMozillaなどがありますが、とりわけプライバシー機能を重視したブラウザ・Braveは対Googleの旗手となっているそうです。こうした点から、CPO Magazineは「ポイントは、広告トラッキングがGoogleのビジネスモデルにとっていかに重要かという点です。プライバシー問題を回避して現状維持しておくことができるかどうかは、Googleの収益に直結します。このように、純粋にビジネス上の観点から見れば、Googleがなぜプライバシー基準に関するW3Cのイニシアチブを阻止しようとしているのかは容易に理解できます」と述べました。