DIGIDAY[日本版]がお届けする、2020年・2021年の年末年始企画「IN/OUT 2021」。この企画では、我々が開催してきたさまざまなイベントでお世話になった、日本のブランドおよびパブリッシャーのエグゼクティブたちへ、新しい1年にトレンドイン・トレンドアウトするであろう事象について考えを伺った。
日本ビジネスプレスの企画推進部で部長を務める瀬木友和氏の回答は、次のとおりだ。
――2020年を総括すると、どんな1年でしたか?
BtoB広告市場において、ウェビナー市場/バーチャル展示会市場が本格的に立ち上がった1年となった。JBpressでは、2020年の3月初旬からすべてのイベントをオンラインに切り替えて実施した。リアルなイベントとは異なるノウハウやツールが求められるため当初は試行錯誤の連続であったが、今では運用もかなりの部分が標準化され、リアルなイベントビジネスに比べて、利益率が大幅に向上。ひとつのイベントにかかる工数も少なく押さえられるため、イベントの開催回数も増加し、広告収益全体におけるタイアップの落ち込みをカバーしてあまりある成果となった。
――2021年、必ず押さえておきたいと思う、新しいトレンドは?
編集コンテンツも広告コンテンツも動画の価値がさらに高まる1年になるものと考えてる。BtoB広告市場では、バーチャル展示会のプラットフォームが次々とリリースされている。来場者のニーズ、出展社のニーズ、主催者のニーズ(運用・コストなど)の最適解がどこにあるのかを見極めることが肝要と考えている。また、コロナ禍がある程度収束した後、フィジカルなイベントのニーズがどこまで戻るのか。そのとき、メディアとしてフィジカルイベントとどう向き合うのかという点は常に意識している。
――2021年、もはや時代遅れと思える、既存のトレンドは?
これまで、BtoB広告市場のリードジェネレーション施策ではPDF資料によるリード獲得が主流であったが、2020年にはウェビナー、バーチャル展示会という新しい選択肢が加わった。PDF資料によるリード獲得はお手軽というところはあるが、広告主から見た場合の獲得単価の高さや所要期間の長さといった点で、ウェビナーに劣る面が見られるようになった。媒体社のビジネスという視点で見ても、PDFによるリード獲得は特に件数保証を求められる案件においてリスクが高く、一部のIT系メディア以外には積極的に伸ばしたい分野ではなかった。ウェビナー市場の立ち上がりにより、PDF資料によるリード獲得の負の局面がクローズアップされるようになりつつある。
-
年末年始企画 [IN/OUT 2021] Brands の回答一覧- 年末年始企画 [IN/OUT 2021] Publishers の回答一覧
Edited by DIGIDAY[日本版]編集部