男児は生後4カ月のころ、小児がんの中でも希少がんとされる網膜芽細胞腫で左の眼球を摘出。最近になって右目にもがん細胞が広がっていることが分かった。左目には義眼を装着している男児に右目を残してあげたいとの家族の意向を受け、主治医は最新の治療が受けられる日本への渡航を提案。受け入れ先の病院が見つかり、多くの人の善意によって治療費も集まったが、新型コロナの影響で、ビザと渡航後の隔離の問題が残っていた。
加藤所長によれば、日本は現在、ビジネス目的と人道上の事情に限って
台湾人の入国を認めている。渡航には事前のビザ申請が必要になるが、男児の事情の特殊性を考慮し、外務省は優先的処理を認めたという。
外交部(外務省)は13日に男児が治療目的の訪日を希望しているとの情報を把握し、すぐに交流協会の台北、高雄両事務所に連絡。特殊な事情などを日本側に説明した。男児の家族は16日に高雄事務所でビザを申請した。
男児は来月5日に日本に向かい、14日間の検疫措置を経て、同21日から東京都内の病院に入院して小線源治療を受ける。同26日以降、治療状況に応じて退院できる予定だという。
(陳韻聿、洪学広/編集:名切千絵)