国情院によると、金委員長は10月末、為替レートの急落を理由に平壌の両替業者を処刑し、8月には新型コロナウイルスの防疫対策として行っている物資搬入禁止令に違反した幹部を処刑した。
北朝鮮当局は海水が新型コロナウイルスに汚染されることを懸念し、漁業や塩の生産も禁止したという。
また今月初旬、羅先、南浦など外貨と物資の搬入が確認された地域の海上を封鎖したのに続き、平壌と慈江道も封鎖した。規制措置が長期化し、経済的な厳しさが増している。
1〜10月の北朝鮮と中国の貿易規模は5億3000万ドル(約550億円)で前年同期比4分の1の水準に減少。中国からの物資搬入が禁止され、食料品の価格が約4倍に値上がりした。調味料は4.6倍に、1キロ6000ウォン(560円)台だった砂糖は約2万7800ウォンに高騰したという。
河氏は原材料搬入が中止された影響で、産業稼働率は
金正恩政権が発足してから最低水準となり、「制裁、新型コロナウイルス、水害という三重苦で危機感を強調する表現と用語(のトーン)が強くなっている」と説明。金委員長については、「ストレスが高まるなどとし、過剰な感情、怒りをあらわにすることがしばしばあり、そのため非合理的な指示も多くなっている」と述べた。また、「新型コロナウイルスのため、外部から物資を受け入れないというこだわりが深刻」として、中国が支援するコメ11万トンが同国の大連港にあるが、北朝鮮に搬入されていないと伝えた。
国情院は北朝鮮が韓国の製薬会社に対し、ワクチン情報のハッキングを試みたが、韓国側が阻止したことも報告した。