さらに10月21日でも途中出場したフランクフルト戦では、全盛期のアリエン・ロッベンを彷彿とさせる得点シーンを演じており、ドイツ頂上決戦ではドルトムントを相手に3−2とする決勝弾もマーク。今夏補強の目玉は相手に疲労の色が見えた時の切り札として、大いにその存在感をみせているところ。その実力は当然ながら疑う余地もないものだが、ただフリック監督がサネの先発起用を見送るには別の理由もある。これまでの負傷の経過だ。
昨年夏に前十字靭帯断裂を断裂して9ヶ月を棒に振ることとなったドイツ代表FWは、この夏は新たな同僚がチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げる裏で個別による調整で復調をはからなくてはならず、開幕から間も無くして負傷で再離脱。4週間戦列から離れており、指揮官が細心の注意を払うことはうなずける。さらにサネのプレー自体からも離脱の影響はみてとれ、判断ミスが多く目に見えてリズムの不足が見て取れ、安易なロストも見られた。
とはいえ、この状況がそう長く続くわけではないことは言うまでもなく、その試みは今週末にも見られるかもしれない。そしてサネがその真価を発揮した時、バイエルンの本来の補強の意義が確認されることになる。