NTTドコモから、MRが楽しめるヘッドセット「Magic Leap 1」が発売されました。しかしVRはよく耳にするけれどMRってなんなの? と疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。

6月19日の発売開始から間もない中、いち早くMagic Leap 1を使ったMR用のアトラクションが楽しめるという「code name: WIZARD 〜Episode 0〜」を体験してきたので、ここに詳細をレポートします。このアトラクションでは、なんと体験者が魔法を使ってスチームパンクの世界に入り込むことができます。

魔法の書に触ろうとする筆者。現実世界とCGが融合する世界で魔法使い見習いを目指すのが「code name: WIZARD 〜Episode 0〜」のストーリーです(写真は現実のゲームプレイの様子とゲームのCG演出を組み合わせています)

会場となる南青山のカクシン都内開発拠点。現在クラウドファンディングに参加しており、支援者はリターンとして同アトラクションを体験することも可能です(詳細は後述)

○リアルと魔法が重なりあう世界で「魔法使い見習い」を目指すのだ!

「code name: WIZARD」は人間世界と魔法世界が交錯する世界が舞台。今回のEpisode 0では、ストライダー(魔法が使える人間)になるための課題をこなすため「魔法使いの部屋」とよばれる場所におもむきます。

「魔法使いの部屋」に入る前に、スタッフが人間が魔法をみるために必要なアイテムを授けてくれます。ゲームは二人一組で進行

ここでは、スタッフ全員がスチームパンク風の衣装でお出迎え! MR用ゴーグルを装着する前なのに、この時点ですでにワクワクします

本来魔法を使えない人間が魔法をみられるようにする「マジック・サーチャー」を装着。コロナ禍のためマスク必須なので少々不審者のようにも見えます

さらに、秘められた魔法の力を引き出すという「マジックリング」を装着すれば準備完了!

フル装備になったらスタッフと一緒に魔法の練習。手をかざすと花が光り出したりして「魔法使いに、私はなる!」と、気分は大盛り上がり

スタッフから渡される魔法が視認できるようになる魔法のゴーグル「マジック・サーチャー」とは、もちろんMagic Leap 1のこと。

実は筆者、自宅にさまざまなVR用のゴーグルがあるのですが、ビックリしたのがMagic Leap 1の軽さと小ささ、顔を覆うようなVR用ゴーグルとはまったく異なる装着感で、違和感が少ないので世界へ没入しやすいと感じます。

ちなみに、上の写真で肩から斜めにかけている丸いポシェットのようなものはMagic Leap 1のメモリやバッテリーを格納する「Lightpack」と呼ばれるもの。VR系のアトラクションでは、リュックサックのようなCPUやバッテリーパックを背負わされることがありますが、こちらもかなりコンパクトです。ほとんど重さを感じませんでした。

「マジック・サーチャー」こと、今回利用したMagic Leap 1のグラス「Lightwear」。ユーザーの空間内での位置などを把握するため、グラスには9つのセンサーが搭載されています

○いざ、不思議な「魔法使いの部屋」に潜入……!

魔法が使えることを確認したら、とうとう「魔法使いの部屋」に潜入。写真だとちょっとアンティークな普通の部屋ですが、筆者には虹色に光る花や顔のある炎などが見える幻想的な部屋にみえています

ロウソク風ライトが怪しく光るアンティークな本棚。鳥かごも重要なアイテム……?

所狭しと怪しげなアイテムが並んでいます

部屋に入ると、何やら「声」が聞こえます。導かれるまま、明らかに怪しい本を触ってみると……

魔導書に封印されていた妖精が飛び出て逃げ出してしまいます

魔導書の門番に「部屋のヌシに見つかる前に妖精を捕獲しろ」と言われます。説明中にヒゲを触るとヒゲがフワフワ動く……説明そっちのけで門番をなでなでしたくなりますね

○逃げた妖精を捕まえろ!

魔法使いの部屋でやることは、基本的に逃げ出した妖精を捕まえること。部屋中に隠れている妖精を見つけ出し、指を装着した方の手でギュッと握ると、魔法の力で部屋につるされた鳥かごのようなものの中に移動させられます。

妖精はものかげに隠れているだけという子のほか、別のモノに変身していたり、魔法を使って隠れている子まで捕獲難易度はさまざま。なかにはパートナーと力をあわせて魔法を使わなければ捕まえられないような、「謎解き」が好きな人には嬉しい仕掛けもあります。そして、すべての妖精を捕まえると……? あとは実際に体験してのお楽しみです。

パートナーと一緒に部屋のあちこちを探索。2人一組で体験するアトラクションなので、お互いに「こうすればどうかな?」「あっち怪しくなかった?」などと相談するのも楽しい

妖精を見つけたらすかさずリングで捕獲!

捕獲した妖精は自動的に部屋の端にある鳥かごに送られます

ちなみに、今回体験したEpisode 0の謎はかなり簡単。Episode 0だけあってMRがどういったものかを体験する導入という印象でした。コンテンツを提供しているカクシンによると、本編となるEpisode 1からはボリュームは約3倍。謎解きも難易度をアップしてじっくり試行錯誤できる内容となるそうです。

現在Episode 1からEpisode 9までの本編を予定しているのですが、MRだけではなくAR、VR、さらにはリアル世界の謎解きを組み合わせた構成になる予定だとか。謎解き大好きな筆者としては、かなり魅力を感じる内容です。

○VRよりも「魔法を使う感覚」がリアル!

「現実世界にCGを重ねるならPokemon GOやドラゴンクエストウォークのようなAR(拡張現実)と何が違うの?」と感じる人もいるかもしれません。

ARが現実の映像にCGを重ねるものなのに対し、MR(複合現実)は空間自体をCGで構成し、そこに現実世界を重ねます。簡単にいえば、MRはキャラクターだけではなく空間ごとデザインされているので、キャラクターの裏側に回って後ろ姿をみるといったこともできるのです。見え方は近いものがありますが、キャラクターは現実の環境に合わせた実物大にもなっており、より仮想世界と現実世界が融合されているイメージです。

実際にMagic Leap 1のアトラクションを体験した感想は「VRよりも体験感覚がリアル!」ということ。

とくに感激したのがMRならではの「自分の身体や手を使って魔法が使える」という点です。VRの場合、CGで構成したアバターを自分の代理として動かす必要がありますが、MRなら実際に自分の指に装着している指輪が魔法で光り、自分の手で触れた現実のオブジェクトが反応するので、より「自分が魔法を使っているんだ!」という感覚を強く味わえます。

正直、CGの画質は今どきのゲームと比較すると決して良いとはいえないのですが(とはいえこのMagic Leap 1単体で空間とユーザーの動きを認識してコンテンツを即時表示しているのは驚き)、体験中は没入感が高く全く気になりませんでした。

一方、装着して最初に感じたのは視野角が少々狭いな、ということ。じつはMagic Leap 1の視野角は左右40度、上下30度ほどしかありません。ただし、この点はアトラクションを進めている内になんとなく慣れてきて、むしろ後半は「魔法のゴーグルを装着している」感を演出することで気分を盛り上げてくれました。

現在国内でMagic Leap 1を使った本格的なエンターテインメント用アトラクションはこのcode name: WIZARDのみ。クラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」にて「国内初Magic Leap1x魔法の世界!謎解きアトラクション体験会協力者募集!」として、支援者にEpisode 0の体験をリターンとして提供しています。