「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」などで知られるライアン・ジョンソン監督がインタビューで「Appleは悪役にiPhoneを持たせることを許可していない」と述べました。

Watch Notes On A Scene | Director Rian Johnson Breaks Down a Scene from 'Knives Out' | Vanity Fair Video | CNE

https://www.vanityfair.com/video/watch/notes-on-a-scene-director-rian-johnson-breaks-down-a-scene-from-knives-out

Apple tells moviemakers that villains can’t use iPhones, Rian Johnson says | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2020/02/apple-wont-let-filmmakers-put-iphones-in-villains-hands-rian-johnson-says/

Apple does not 'let bad guys use iPhones on screen' | Technology | The Guardian

https://www.theguardian.com/technology/2020/feb/26/apple-does-not-let-bad-guys-use-iphones-on-screen

Apple wont let bad guys use iPhones in movies says Knives Out director

https://www.cnbc.com/2020/02/26/apple-wont-let-bad-guys-use-iphones-in-movies-says-knives-out-director.html

ジョンソン監督が新たに手がけた「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」はジェームズ・ボンドで知られるダニエル・クレイグやキャプテン・アメリカで知られるクリス・エヴァンスなどの豪華メンバーが登場するミステリー作品。もともとミステリーが大好きだというジョンソン監督が「アガサ・クリスティーに捧ぐ」として脚本も手がけており、その脚本は第92回アカデミー賞脚本賞にノミネートされました。

そんな「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」に関するインタビューの中で、ジョンソン監督は「AppleはiPhoneを映画で使うことは許可しています。しかしここからがとても重要なことなのですが、それがミステリー映画だった場合、悪役はiPhoneを持つことができません」と回答。「iPhoneを持っているキャラクターが犯人になることはない」ということを明かしました。

加えて、ジョンソン監督は「私は次にミステリー映画の脚本を担当したときの自分を困らせるつもりなんです」「悪人だと最後までわからないキャラクターが登場する映画の制作者は、(iPhoneの秘密を話している)私を殺したいでしょうね」ともコメントしました。実際のインタビューの様子は以下の2分50秒あたりから見ることができます。

Director Rian Johnson Breaks Down a Scene from 'Knives Out' | Vanity Fair - YouTube

このニュースを報じたイギリス大手紙のガーディアンによると、Appleのようなブランドが「映画内でどのように扱われるか」を求めるのは一般的なことだそうです。その一例が2009年のアカデミー賞で8部門を受賞した「スラムドッグ$ミリオネア」で、ダニー・ボイル監督はコカ・コーラとメルセデス・ベンツから苦情を受け取ったことを告白していました。コカ・コーラはギャングが主人公たちに振る舞う飲み物として作中に登場したことが問題視され、メルセデス・ベンツはスラム街のシーンに使われたことが問題視されたそうです。メディアリサーチ企業のPQ Mediaは、製品を映画内に登場させるために、企業ブランドが2019年に総額114億4000万ドル(約1兆2600億円)を支払ったと推定しています。

テクノロジーメディアのArs TechnicaはAppleの要求に法的拘束力が存在するのかを疑問視しています。仮にAppleが自社製品が映画内でどのように扱われるかに対して各映画制作会社に支払いをしている場合はAppleの要求は正当なものだといえますが、知的財産問題を専門とするパブリック・ナレッジで法務部長を務めるJohn Bergmayer氏は、「ごく一般的な製品を通常の方法で使用する場合はライセンスを得る必要はありません」と回答。Appleが映画制作会社に支払いをしているのではなく、映画制作会社がAppleの訴訟を避けるために自主的に使用を控えているか、映画内で使われる製品をAppleが無償提供する際に条件がついているのでは、と推測しています。

なお、アメリカの大手メディアCNBCによると、「『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の登場人物のうち何人かはiPhoneを持っている」そうです。