その一方、別の開発者がApp Storeに同様のアプリ「Rewound」(巻き戻し)を提出し、承認を得て公開することに成功しました。いくつかの手順は必要ですが、
iPhone上に懐かしの
iPod classicの使い心地や手触りが蘇ります。アプリ開発者のLouis Anslow氏は、App Storeの審査をくぐり抜けるため、いくつかのトリックを使っています。一般的にアップル製品またはインターフェース画像の使用が禁じられていますが、本アプリもストアでは「
iPod Classic」のキーワード検索ではヒットせず、デフォルトの設定では普通のサードパーティ製アプリと変わりのない見かけです。インストール直後の素の状態では、再生や巻き戻しなど、何の変哲もないコントロールボタンが実装されています。
ではなぜ「
iPod Classic」風になるのか。その秘密はユーザーが任意の画像をプレイヤーのスキンとして追加できる機能にあります。アプリ内にデータとして含まれていない画像(つまりApp Storeの審査対象ではない)を追加すると、ボタンが非表示になり、仮想クリックホイールで操作できるようになるというわけ。
筆者も実際にインストールして使ってみました。まず設定でスキン(Custom Skin)を選択。さらに「Download Skins」をクリックしてTwitterあるいはWeiboに移動し、そこで画像を「写真」にダウンロード。そして「写真」からスキンを選ぶと、
iPhoneが
iPod classicに変身するのです。
本物さながらにホイールを丸くなぞってスクロールさせ、中央をタップして項目を選択できます。触覚フィードバックも
iPhoneのハプティック機能で再現されており、まるで
iPod classicを手にしているかのよう。アルバム、アーティスト、曲やプレイリストも利用可能です。
Anslow氏は海外テックメディアThe Vergeに、アプリの最初の狙いは
iPodインターフェースを再現することだったが、将来的には何種類かのタイプのテーマをサポートできるよう設計していると語っています。そうすれば「
iPod classicシミュレーター」ではなく「多様なテーマが使えるMP3プレイヤーが、たまたま
iPod classicに似た使い方もできる」ということで、アップルが削除する可能性が低くなるかもしれません。
また現状ではApple Musicの定期購読が必須となっていますが、Anslow氏はSpotifyサポートを追加すると約束しています。
本アプリは無料でダウンロードでき、iOS 10以降を実行している
iPhoneおよび
iPod touchと互換性があります。一部の機能は、1回限りのアプリ内購入でロック解除できます。なお
iPod classicの再現だけであれば、追加料金はかかりません。
とはいえ、アップルがアプリを承認した後に削除する事態も珍しくないことです。興味のある人は、早めにインストールして試してみるのがよさそうです。
Rewound(App Store)