そこでNECが取った戦略が、独自仕様のPC-98x1シリーズを捨て、「PC97/PC98システムデザイン」に準拠したPC/AT互換機へと舵を切る事でした。この最初の製品群として投入された「PC98-NXシリーズ」が発売されたのが、1997年の今日です。
NECではPC-98 NXシリーズを「新世界標準パソコン」と呼び、リリースでもしっかりと書かれているほど。独自仕様で一時代を築いたこともあり、路線を変更するにしても過去を捨てきれず、少しずつ手を出して様子を見る......ということをやりそうなものですが、NECは違います。企業向けとして「MateServer NX」「Mate NX」「NetFine NX」「Fine NX」「VersaPro NX」
を15機種160モデル、個人/SOHO向けとして「ValueStar NX」「LaVie NX」8機種26モデル、モバイル向けとして「Aile NX」「mobio NX」3機種5モデルという、合計200モデルを一気に投入してきました。
この200モデルの中にはBTOによる派生モデルもカウントされているので微妙ですが、それでも9シリーズ26機種というのはかなり数が多く、PC/AT互換機においてもNECが存在感を示した形になりました。
個人的に注目してたのは、モバイル機の「mobio NX」。東芝の「Libretto」に似たミニノートPCで、Windows 95を搭載したノートPCとして最軽量クラスとなる790gという軽さが魅力でした。ただし液晶がSTNで視野角が狭く、輝度も低くてかなり見づらかった記憶があります。これはだいぶ不評だったのか、後のモデルではTFT液晶へと変更になっていました。
10月23日のおもなできごと
1997年、日本電気がPC/AT互換機「PC98-NXシリーズ」を発売
2009年、ニコンがプロジェクター内蔵カメラ「COOLPIX S1000pj」を発売
2013年、auが「Xperia Z1」を発売
2015年、リコーが全天球カメラ「THETA S」を発売
2017年、グーグルが「Google Home mini」を発売