NECはこれまでに2in1タイプのモバイルノートPC「LAVIE Hybrid ZERO」シリーズを展開してきました。しかし本シリーズは新規に開発された、オーソドックスなクラムシェルタイプのノートPCです。
これまでのLAVIE Hybrid ZEROシリーズでは、
・2in1タイプという変形機構
・世界最軽量のノートPC（重さ約769g〜）
この2つの点を、大きな特徴としていました。
しかしLAVIE Pro Mobileシリーズでは敢えて最軽量にはこだわらず、
・バッテリー持続時間
・堅牢性
これらを兼ね備えた設計が重視されました。
ただ軽いだけではなく実用性を重視した
LAVIE Pro Mobileシリーズがターゲットとするユーザーは、
・頻繁にノートPCを持ち歩くビジネスマン
・オフィス以外で仕事をするノマドワーカー
など、常にPCを持ち歩いて仕事を行う「プロシューマ」と呼ばれる層です。
働き方改革が叫ばれる時代となり、
・より自由なスタイルで仕事がしたい
・いろいろな仕事がしたい
・スマートに仕事がしたい
こうした欲求が増えつつあります。
またノマドワーカーは、
・自己に対して研鑽意識が高い
・自己への承認欲求が高い
こうした点も特徴とされており、ワークスタイルに最適なノートPCを作るというのが最大の目標でした。
ワークスタイルを自分でデザインする時代に合わせた仕様へ
●すべてはベストバランスのための新設計世界最軽量ではなくなったとは言え、上位モデルとなる「PM750」シリーズの重さは約837gと非常に軽く、しかもバッテリー駆動時間は約20時間を実現しています。
LAVIE Hybrid ZEROの上位モデル「HZ750」シリーズは重さ約831g、バッテリー駆動時間約10.8時間であったことと比較すると、たった6gの重量増加のみで約2倍（約10時間）も駆動時間が伸びたことになります。
設計を一から見直し、圧倒的な長時間駆動を実現した
LAVIE Pro Mobileシリーズの想定ユーザーは、1日中ノートPCを持ち歩いて利用することを前提としていることから、
・満員電車でも壊れない堅牢性
・開いたまま持ち歩いても苦にならない重量バランス
これらも重視されました。
堅牢性の点では、天板に東レが開発した新構成カーボンを採用。LAVIE Hybrid ZEROと比較して、約2倍の点加圧剛性とねじり剛性を実現しました。
また面耐圧でも150kgfに合格し、76cmの高さからの落下試験もクリアしています。
非常に軽いカーボン素材を天板に採用したことでキーボード面との重量バランスが良くなり、開いた状態で持ち歩いた際の重量バランスも大きく改善されています。
新構成カーボンを採用した天板
キーボードにも改良が施されており、LAVIE Hybrid ZEROからさらに使いやすくなっています。
キーボードの使いやすさの基準には、「打鍵感（キーフィーリング）の良さ」があります。これは主に、キーを押下した際のピークフォースとボトムフォースの差で示されますが、この差が大きいほどにクリック感があり、キータイプの気持ち良さに繋がります。
LAVIE Pro MobileではLAVIE Hybrid ZEROよりもピークフォースとボトムフォースの差が大きくなるように設計されており、よりクリック感の明瞭なキー打鍵を実現しました。
また、キーのトップコーティングにも改良を加え、キー自体の触感も向上させています。
キーは最も触れる部分だけに、その打鍵感や触感は非常に重要だ
キー配列はあまり変則的ではないが、カーソルキーや左下のファンクションキーの位置で好みが分かれそうだ
デザインは非常にシンプルなフラットサーフェイス＆ノイズレスデザインを採用。奇をてらったところがなく、カフェなどでの利用シーンを想定したオシャレ感もアピールポイントです。
スペック詳細は以下のとおりです。
・OS：Windows 10 Home
・ディスプレイ：13.3型ワイドのフルHD液晶（IPS・広視野角・ノングレア）
・CPU：Intel Core i7-8565U（PM750）、Intel Core i5-8265U（PM550）
・メインメモリー：8GB（デュアルチャンネル対応）
・内蔵ストレージ：SSD 512GB（PM750）、SSD 256GB（PM550）
・無線LAN：IEEE 802.11ac／a／b／g／n
・指紋認証機能：Windows Hello対応
・外部ストレージ：microSDカード対応
・外部インターフェイス：USB3.1（Type-C）×1、USB 3.0（Type-C）×1、USB3.1×1、HDMI
・オフィスアプリ：Microsoft Office Home & Bussiness 2019
指紋認証センサーは電源ボタンに搭載
LAVIE Hybrid ZERO（左）と比較すると、キーボード面がスッキリとしたシンプルなデザインになっていることが分かる
●モバイルノートPCのシェア拡大も視野に入れる野心的戦略製品「超軽量のモバイルノートPCは、モバイルノートPC市場の中でも約2割のシェアを持つまでに成長したが、逆に言えば8割のユーザーが必要としていない」
そう語るのは、NECパーソナルコンピュータ 執行役員の河島良輔氏です。
超軽量モバイルノートPCというカテゴリーが支持されるのは「日本独自・独特のニーズ」とも語る同氏は、8割のユーザーは突き抜けた軽さよりも、
・バッテリー駆動時間
・デザイン
・剛性
・生産性
これらを重視していると語ります。
そこにフォーカスした超軽量モバイルノートPCを作ることで、同カテゴリーの市場シェアはまだまだ成長できると力強く説明していました。
NECパーソナルコンピュータ 執行役員 河島良輔氏
ただ軽いだけではなく、性能・デザイン・剛性のすべてに妥協なく、いつでもどこでも、いつまでも使えるモバイルノートPCを作りたい。
そのNECの思いの結晶がLAVIE Pro Mobileというわけです。
河島良輔氏
「軽さは正義から、欲しいは正義へ」
モバイルノートユーザーが、真に「欲しい」と思える超軽量モバイルノートPCを作る。その想いの強さに、NECの野心に近い覚悟を感じ取りました。
執筆 秋吉 健
