箱の中にある限り、いつまでたってもバラバラなパーツのままです。あれだけ考えて買ったくせに作らないのは、何よりCNCに対して失礼だということで、7月末になってようやく重たい腰を上げ、組み立て始めました。まずはその中身を見てみましょう。かなりパーツの数が多いので、まずはザックリと全体を。
▲緩衝材のケースに入ったのが2つと、作業テープル用のアルミ板。最初全てのパーツを並べて撮影しようかと思ったのですが、あまりに数が多くて断念。
届いたダンボールはそれほど大きくなかったのですが、実際中身を見てみると、よく入っていたなと思うほどのパーツ数。組み立てる前から腰が引け気味になっていますが、始めたからにはしっかりと作っていきたいところです。上の写真の右上に見えるのは、8cm CD。久しぶりに見ました。
気になるパーツをいくつかピックアップして見ていきましょう。まずはCNCの心臓部ともいえるスピンドルモーター周りから。
▲最初から組み立て済みだったスピンドルモーターとZ軸部分。軸受なども挿入済み、ステッピングモーターも装着されています。楽でよいです。
ガイドとなる金属軸もステッピングモーターも軸受も組み立て済みで、このまま取り付ければいいというお手軽なモジュールになっていました。自作キットというのでちょっと拍子抜けしてしまいましたが、楽ができるに越したことはありません。ちなみにスピンドルモーターはちょっと触っても動かなかったのでしっかり固定されてるかと思ったのですが、組立時に簡単に脱落しました。むしろ、先に外しておいたほうがいいですコレ。
そしてよく見てもらえるとわかるのですが、このグレーの樹脂パーツ部分は3Dプリンターでの出力のようです。アップで見ると、特徴的な層状の出力跡が見えます。複雑な形状で型が作りにくいこういったパーツだと、時間はかかりそうですけど3Dプリンターのほうが便利なんでしょうかね。
▲3Dプリンター独特の層状の跡が見えますが、ズレなどほぼなくて、良い装置使ってるんだなー、という感想です。ウチのエントリー向けのプリンターだとこんな綺麗に出ませんしね。
なお、3Dプリンターでは出力した樹脂の食いつきを良くするため、ベッド(テーブル)に糊を塗ったりするのですが、どうやらこの糊が残っているみたいで、グレーの樹脂パーツはほぼ全て、1面だけベタベタしていました。水やエタノールで拭けば取れるので、最初に忘れずに掃除しておきましょう。
続いてはレーザーモジュールを見てみましょうか。ムダに奮発した5500mWの、比較的出力の高いものです。
▲モーターを入れ替えて使うレーザーモジュール。制御用の基板も一緒に付いてきました。この基板をどこに固定しようか、今でも悩んでます......。
薄い板なら焼ききれる程の出力があるはずなので、直接目でのぞくなんていう自殺行為は避けたいところ。出力が大きいためかモジュール全体がヒートシンク状になっており、ケツには小さなファンまで付いていました。レーザーの波長は450nm。可視光で、紫と青の境界あたりの色ですね。
次は、CNCの頭脳となる制御基板。ステッピングモーター用のコントローラーを3つ装備しています。
▲基板をみると「WOODPECKER CNC」とあり、ここで初めて製品名を知りました。コネクターが若干曲がってたりしますが、気にしません。
制御基板には、コントロール用のマイコンと電源回路などが搭載されています。マイコンの型番は「ATmega328P」で、これはArduinoで使われているものと同じです。さらに基板上にある「GRBL」という文字を検索してみると、Arduino用のCNCプログラムが出てきました。今回購入した中華CNCでは、このプログラムを使って制御してるみたいですね。
購入前から気になっていた部品のひとつが、アルミフレームを接続する三角形のパーツ。
▲アルミっぽい材質の鋳造っぽい部品。ある程度予想してましたが精度が微妙で、バリのひどいものもあるのでチェックした方がいいです。
削り出しの直角がしっかり出たパーツなのかと期待してたのですが、金属ではあるものの鋳造品のようで、そこかしこにバリが。ひどいのになるとネジ用の穴が3分の1くらい埋まってたりします。また、バリによって斜めになったりもするので、最初に目視チェックと修正は必ずしておきましょう。バリはプライヤーで挟んでひねれば簡単に取れますが、見た目をキレイに仕上げたければ、ヤスリを使うことをおすすめします。
ちなみにフレームの組み立てにはネットとネジを使うわけですが、このナットが後入れできる便利なものでした。
▲奥がナットが噛んだ状態、下が入れた直後の状態です。ネジを回すと勝手に90度回転し、上のような噛んだ状態になってくれるという優れもの。
よく見ないと違いがわかりにくいですが、ナットを入れてネジを回すとナットが90度回転し、外れない位置で固定できるという大変便利なものです。このお陰で、フレームにナットを入れ忘れて組み直す......なんていう凡ミスを恐れなくていいわけです。ただし、このナットにもバリのひどいものがあるので、目視チェックは必須です。バリが残ってると90度回転せず、まったく固定されないという事態になりかねません。ナットは予備が多いので、バリのひどいものは使わないようにするといいでしょう。足りなくなったら、バリをプライヤーでもぎ取れば大丈夫です。
部品じゃないのですが、気になったのが六角レンチ棒の種類の多さ......。
▲サイズ違いで6種類も付属。工具が付属してるのはありがたいですが、それよりも、ネジサイズを統一してくれる方がうれしいんですけどー?
見た途端に不安になる、6サイズの六角レンチ棒。これを全部使うのかと気が重くなりましたが、主に使うのは1本だけで、あとはちょこちょこと出番がある程度だったので、最初に考えていた程は大変ではありませんでした。でも、使いたいサイズが見つからなくて探し回るっていうのは何度かやりましたけど。
あと見てわかる通りこのレンチ棒、角が妙に丸いところがあります。大丈夫だろうと適当に使ってたら見事に舐めて角が潰れてしまったので、できることなら自前で工具は用意したほうがいいと思います。それも100均とかじゃなくて、ちゃんとしたメーカー品がいいです。せめてホームセンターで買ってきたもので。
8cmのCDにも驚きましたが、ACアダプターもなかなかインパクトがありました。
▲なんかよく見る形だよなと思ってラベルを見てみたら、「Manufactured for Lenovo」の文字が。そっか、このCNCはレノボの製品だったんだね!
ノートPCのACアダプターに似てるな、などと思ってはいましたが、ラベルを見ると思いっきり「Manufactured for Lenovo」とか書かれており、見事に流用品でした。そうだよね、24V5.62Aなんていう大出力のACアダプターだと、ノートPC用がピッタリだよね。
とまー、目についたパーツはこんなところでしょうか。それでは組み立てていこうと思います。
マニュアルが見つからない!?付属CDの中でようやく発見
組み立てるにはマニュアルが必要なのですが、箱の中には出荷用のパーツチェック表はあれどマニュアルがありません。AliExpressの商品ページにもマニュアルのダウンロード案内はなく、いったいどこにマニュアルが入っているのか......と少し悩んでしまいましたが、ものすごく簡単なところにありました。そう、8cm CDの中です。
▲CNC用のソフトからマニュアルまで入ったCD。パンダはかわいいですが、読み出すまで苦労しました。正直、USBメモリーでの提供かダウンロード案内にしてほしい。
ただし、この8cm CDがクセモノ。光学ドライブを積んでたデスクトップは先日お亡くなりになってしまったので、BDXL対応のポータブルドライブを使ったのですが、何度もリトライを繰り返すだけで読めないのです。試しに別のメディアを入れると難なく読めるので、メディアが壊れている可能性が......。
とはいえ、販売元に問い合わせるのも面倒(やりとり英語ですし)なので、なんとか読めないかと押し入れを漁ってみたところ、古いポータブルのDVDドライブが出てきました。これならどうかと試してみたところ、やはり読めないまま。ただ、メディアの回転そのものに失敗しているようだったので、別途ACアダプターを接続してみたところ、ようやく読み出す事ができました。
こういう成功体験が、古いものを捨てずにしまいこんじゃう原因なんだよなー、などと思いつつも、今は物が捨てられない自分に感謝です。もう一度試して読めないと嫌なので、今のうちに全ファイルをPCへコピーしておきます。このとき、ウィルススキャンも忘れずに。今回はWindows Defender先生が大丈夫だっていってくれました。
さて、ファイルのコピーさえ終わってしまえばひと安心。あとは組み立てマニュアルを探すだけです。中国語のファイル名はよくわかりませんが、「指南(instructions )」というフォルダがあったので、この中を見てみます。するとさらにその中に「2418」とか「3018」などと、機種ごとの解説と思われるフォルダを発見。手元にあるのは2418なのでこのフォルダを開いてみると、「2418-Assembly instructions - English.doc」という探していた組み立てマニュアルをようやく見つける事ができました。......え?doc?
▲マニュアルを発見するも、まさかのWordファイル。いや、別にいいんだけど、普通PDFとかじゃないの?
別に編集するわけでもないし、普通ならPDFだよな、と思ったりもしましたが、読めれば問題なしです。難しいことを考えるのはやめておきます。さてこのマニュアル。紙に印刷してはペーパーレスの時代に逆らうことになるうえ、せっかく電子ファイルでマニュアルを提供してくれている販売元の気持ちを台無しにする行為といえるでしょう。そのため一度PDFへと変換し、iPad miniで見ながら組み立てることにしました。
若干意識高めに作業を開始しようと思ったのですが、最初のアルミフレームを取り出した時点で気づきました。このマニュアル表示方法はダメです。マニュアルなので手元に置くわけですが、必然的にパーツとの距離も近くなります。
つまり、iPad miniがパーツとぶつかるのは時間の問題といえるでしょう。パーツが強く当たればiPad miniの液晶が割れますし、運が良くても傷付くことは避けられません。そしてなにより全体を表示するには画面が小さく、明らかに見づらい......。そんなわけで先程の決断はどこへやら、電子ファイルでのマニュアル提供は好きな大きさで印刷すればいいよという配慮だったと思い直し、ちゃっちゃと紙に印刷して組み立てを再開しました。紙最高。複数ページを一度に見られるし、何より、上にパーツを置いても傷が付くとか考えなくていいのが楽です。
▲いやー、液晶が割れる心配もなければ、軽くて移動も簡単。複数ページをいっぺんに見られるというのは素晴らしいですね。少なくとも、機械ものの組み立てマニュアルは紙に限りますな。
ちなみにこのマニュアル、絵が多用されて見やすいのですが、どのネジを使うのかといった情報が一部足りてないのが気になります。多少試行錯誤すればわかるのでいいのですけど、せめてネジ寸法くらいは全部に入れてほしかったです。
フレーム部分の組み立てで2回も間違える
さて、まずはフレームの組み立てからです。フレームはアルミの棒を三角形のパーツで固定していくだけなのですが、似た寸法のフレームが多く、間違いやすいです。実際に縦と横を間違えて組み立ててしまい、やり直すハメになりました(1回目の間違い)。定規を用意して、わかっていたとしても寸法を測って確認しながら組み立てた方がいいです。
また、マニュアルを見ると細かな寸法が入っているのですが、これ、図面のようにちょうど三角形のパーツをピッタリ入れたときのものになっています。
▲マニュアルより抜粋。アルミフレームの幅は20mmで、三角形のパーツのサイズは28mm。28mm+20mm+20mm=68mmとなるので、ピッタリですね。
定規を用意して測りながら組み立てようと思ってましたが、端に合わせるだけでいいというのはなかなか楽でいいです。ただ問題は、先にも述べたように三角形のパーツにはバリがあること。これが残っているとmm単位でズレてしまうので、バリは可能な限り除去しましょう。
ネジで軽く仮止めしてから歪みを直し、本締めしていくというのがよくある手順ですが、歪みを直しているうちに後入れナットが回転し、抜けてしまうことが何度かありました。また一度キッチリ締めた後で緩めたときも、後入れナットが回転して外れがちでした。これの何が困るかというと、微調整のために緩めて動かそうとすると、微調整どころかポロッとすべて抜けてしまうことです。
こういったクセと戦いつつ組み立てていたのですが......やってしまいました。ベースとなる四角形のフレームは問題なかったのですが、スピンドルモーターを支える鳥居形のフレームも四角形のフレームと同じような形、つまり、横棒の位置が端寄りになるように組み立ててしまっていたのです(2回目の間違い)。言い訳すると、このとき眠たいまま作業をしていたため、同じような手順で組めばいいだろうと深く考えずにやってしまったのが原因です。ここで一旦作業を中止し、しっかり寝てから組み立て直しました。
▲写真に撮り忘れましたが、間違えたのはここの部分。本来三角形のパーツが2つ入る形にするはずが、四角形のフレームのように1つしか入れないというミスをしました。
四角形と鳥居形の2つのフレームを組み合わせると、基本的な骨格の完成です。ここで歪みを直しておかないと後で泣きを見ることになりそうなので、微調整は結構気をつけました。まだ作業の序盤ですが、形が少し見えてくるとやる気がぐっと盛り上がってきますね。写真には入ってませんが、鳥居形のフレームを支える樹脂パーツの装着も忘れずに。
▲これはまだ樹脂パーツを付けていませんが、全体のフレームができたところ。完成形が少しでも見えてくると、楽しくなってきます。
続いてガイドとなる金属棒の支えを4個取り付けます。今まで寸法は測らなくても組み立てられたのですが、このガイド支えは固定位置が端から70mmと図面で指定されています。この位置合わせをしっかりやっておくと後ほどの微調整がわずかで済みますので、キッチリ測って組み立てたほうがいいです。同じページにスピンドルモーター部のガイド支えも68mm幅で固定するよう書かれてますが、後の手順で詳しい手順が解説されているので、ここでは装着しません。
▲端からガイド支えパーツの中央までが70mm。中央だとわかりづらいので、パーツの端までの寸法で合わせるといいでしょう。前後でこの位置を正確に合わせておきます。
この取り付けた支えに金属棒を通し、テーブルを装着します。が、このあたりから図も不親切なら説明も足りません。どの部品を使うのかは一応指定があるのですが、「Sliding Block」とかいきなり言われても、「ナニソレ?」としかいいようがなく。後入れナットと何が違うのかと悩みますが、それっぽいパーツを見つけたので入れてみましょう。つまるところ先入れナットみたいなものなのですが、微妙に不親切です。固定位置の寸法すらないですしね。
▲5つパーツを付けてテーブルを固定するっていうのはわかるのですが、ガイドとなる金属棒の長さも指定がないですし、位置関係しかわからない不親切マニュアル。
▲「Sliding Block」というのは、この金属のパーツ。先入れナットですね。こんな感じに軸受パーツに付け、横からテーブルにスライドさせて入れ、軽く締めて仮止めします。
この寸法がわからないというのが結構面倒なところ。ヒントとなるのが、フレームに付けたガイド支えパーツの幅となる160mmです。手順としては、まずテーブルに160mm幅となるよう軽くグレーの軸受パーツを仮止めします。次に、フレームのガイド支えに金属棒を挿し、テーブルを通し逆側のガイド支えまで貫通。ガイド支えのネジを締めてでしっかりと金属棒を固定する、といった感じです。
▲スライド用のパーツは5つ。幅が160mmとなるよう4つを固定し、中央の1つは適当でいいので軽く締めておきます。あとは金属棒を通してからの微調整。
これでテーブルが装着できるのですが、微妙にズレがあるので動きが固いはず。ここでテーブルの軸受パーツを少し緩め、スムーズに動く位置へと微調整していきます。金属棒の支えが前後でズレているとどうやっても動きが渋くなるので、何度やってもだめな場合は支えの方を調整するといいでしょう。
なんとかスムーズに動くなればオッケーです。目安としては、少し角度を付けると滑り出し、途中で止まることなく端まで動く感じでしょうか。多少渋くても大丈夫なので、ある程度で妥協することも大切です。この調整が終わったら、軸受パーツも金属棒の支えもネジをしっかりと締めておきます。
スピンドルモーター部の方も同様に調整しながらの装着となりますが、より詳しく説明されています。まず上の方の支えを付けて金属棒を通し、スピンドルモーターも通して固定。スピンドルモーター部を片方に寄せて金属棒を通し、支えを固定。逆端に寄せ、支えを固定して完成というものです。マニュアルの前の方のページには68mmで装着しておくみたいな手順があったんですが、いらなかったです。現物合わせでできるのは楽なのでありがたいところ。
▲取り付ける順番も向きもちゃんと書いてあって、テーブルの説明とはかなり差があります。マニュアルの前の方でガイド支えの取り付け位置が書いてありましたが、それは関係なかったという現実。
▲早い話が現物合わせで組み立てろってことです。後入れナットがうまく回転してくれなくて締められない、ということも何度かありましたが、どうにか調整できました。
なお、実はひとつ手順を飛ばしていまして、それがステッピングモーターの装着です。装着といってもプレートにステッピングモーターをネジ止めし、そのプレートごとフレームに固定するだけなので簡単なものですが、これ、先につけると結構ジャマなんですよね......。なので、わざと飛ばしました。絶対、テーブルやスピンドルモーター部を先に装着したほうがいいです。
ステッピングモーターとの軸ズレはどうしようもない
マニュアルに不親切な部分があったりで、多少もしゃもしゃしたりもしましたが、ここまではそれほど大きな問題はありません。もちろん、ステッピングモーターも問題なく装着でき、後はテーブルやスピンドルモーターを動かすリードスクリュー(ものすっごく長いネジみたいなヤツです)が取り付けられればよかったんですが......ここで大問題が。テーブルの方は大丈夫でしたが、スピンドルモーター部の方はステッピングモーターと軸が完全にズレており、このままでは装着できません。どのくらいズレているのか、先にモーターの軸とリードスクリューを接続してからステッピングモーターの位置合わせをしてみた様子が、次の写真です。
▲ステッピングモーターとリードスクリューを繋いだ状態でステッピングモーターを固定しようとすると、ネジが完全に斜めに。この状態ですでにスピンドルモーター部の動きは渋いです。
無理にネジ止めしようとすれば止まらなくもないですが、すると軸が曲がって負荷がかかり、スピンドルモーター部が移動できなくなります。明らかに1mmくらいズレているので、穴の遊びを詰めていったところで無理でしょう。
フレームの固定は4mmのネジを使っているのでここも4mmのネジを使ったのですが、ふと見ると、使い所のわからない3mmのネジが付属していることに気づきました。この3mmネジを使い、さらに遊びを詰めて最大限ずらしてみたところ......動きは渋いもののなんとか端近くまでスピンドルモーターが動くようになってくれました。穴を開け直すのは厳しいので、とりあえずコレで妥協しておきましょう。なるべく端まで動かさないようにして動作確認をし、うまく動いたらヤスリでネジ穴を広げて調整する予定です。
▲マニュアルには、ステッピングモーターを固定するネジの寸法はあるものの、プレートごと本体に固定するネジに関しては何も書かれていないという事実。3mmはイレギュラーだと思ってましたけど、実は正しいのかこれ?
ちなみにステッピングモーターのコネクターの向きは、どちらも上向きとしました。ケーブルの取り回しがキレイにできそうだということと、配線が下向きだと着脱しにくいからです。あと、テーブルを動かすステッピングモーターの場合、下向きだとフレームでケーブルを踏んでしまいそうだというのも考慮しました。
ここまでくればほぼ完成です。制御基板を取り付け、ステッピングモーターのドライブ回路にヒートシンクを装着、配線するだけです。
▲基板の向きは、コネクターが端に縦に並ぶようにしてみました。ケーブルがまとめやすいかなと思ったのが主な理由。そのかわり電源とUSBが下向きになっちゃったので、後で変更する可能性が高いですけど。
基板の取り付けはとくに難しいこともなく、今まで通り後入れナットを使ってネジ止めするだけ。自由な向きで取り付けられるので、ケーブルの取り回しを考えてモーターのコネクターが端に縦に並ぶようにしました。ステッピングモーターとスピンドルモーターを配線後、結束バンドで仮止めしてみましたが、結構いい感じじゃないでしょうか。
とりあえず、一通りの動作が確認できるまではこの仮止め状態で使って、問題があれば向きや束ね方などを変更しようと思います。最終的には、何らかのカバーでケーブルを隠したいですし。
▲コネクターを縦に並べるとケーブルまとめやすいですね。そのうちケーブルカバーとかを使って、フレームの影に隠れるようにしたいです。
スピンドルモーターにコレットチャックを装着......そういえばER11セットでした
すっかり忘れてましたが、スピンドルモーターに刃を装着しなくてはいけません。標準のチャックはイモネジで締めるヤツなのですが、今回はER11というコレットチャックのセットで購入していました。これを使うと、スパナで簡単に刃を交換できるので大変便利です。
▲CNC本体とセットで購入したコレットチャックのER11。刃を変えるたびに六角レンチ棒で細かい作業をしなくて済むので便利です。
一度スピンドルモーターを取り外してからコレットチャックを装着するのですが、これが手で押しても入らないくらいキツイです。万力も圧入装置もないので樹脂ハンマーでモーターの軸を叩きながら入れましたが、装着方法として正しいのかどうか......。最後にネジを締め、抜けないようにしたら完成です。CNC本体へとスピンドルモーターを戻しましょう。
▲なるべく奥まで入れつつ、将来抜くことも考えて隙間を残そうとした結果、この位置に。ネジでしっかりと締め付けます。
刃をつけるには、コレットチャック中央部の凹みと、先端のナット部分の2箇所をレンチでつかみ、回して固定します。手持ちのモンキーレンチでやろうとしたら、工具の厚みがありすぎてつかめませんでしたので、同じことを考えている人は注意。自分は取り急ぎ近所の100均で13mm(コレットチャック用)と17mm(ナット用)のレンチを1本ずつ購入してきて、ようやく取り付けられました。
ちなみに標準のチャックとER11では長さが全く違い、3cmくらい差があります。このため、ER11での刃の交換はテーブルがジャマに感じることもありますが、レンチ2本で着脱できるのはやっぱり便利です。あと、刃先までの距離が多少長くなってしまうので、削り出せる高さが若干低くなりそうですね。この点は、仕方がないかと。
▲刃まで装着した状態で横に並べるとわかりやすいでしょう。こんなに長さは違いますが、装着のしやすさは段違いなので、自分はER11を使います。
これで、今度こそ完成です。まだ仮組みとはいえ、電源を入れてPCと接続すればちゃんと切削できる......準備が整ったハズ。組み立てるだけでだいぶ長くなってしまったので、ソフトや動作に関しては次回またレポートしたいと思います。
今度はあまり遅くならないよう気をつけます。はい。