またこの本のユニークなところは、キャラクター化した錚々たる印象派の画家たちによる解説だ。絵を描いた当時の時代背景やエピソードをざっくばらんに語る様子は、どこかユーモラスで面白い。例えば、モネがルノアールに宛てた一言、ピサロのゴーギャンへの謝罪など、同時代の画家たちがコメントを寄せ合う趣向も楽しく、自然と画家たちの交友関係が頭に入るようになっている。
印象派を代表する、モネの系譜
「印象、日の出」のみどころ解説
モネ、ドガ、ルノアール、スーラ、セザンヌなど代表的な約30名の印象派画家の系譜と、「印象派」発展の歴史、同時代に発展した彫刻などもしっかりと抑えており、気取らず気軽な作りながらも、サクサクッと広範な知識を吸収することができる内容になっている。美術館に行く前には、ぜひ一読して欲しい一冊だ。
印象派の先駆者たち「ロダン」
印象派ってどんな絵画? 印象派Q&A
ひと目で分かる画家相関図
出版社:株式会社エムディエヌコーポレーション
価格:1600円(税抜)
池上英洋 監修/石川マサル・フレア 共著
URL:
http://www.mdn.co.jp/di/book/3217303003/Amazon:2017/05/25