1枚の小さなボードにCPUなどのデバイスを搭載し、自作で64bitコンピューターを作成することが可能なキットが「PINE A64」です。AndroidやLINUXなどのOSに対応したモデルで、HDMI端子から4K動画を出力したり、Androidのゲームを楽しんだり、「モノのインターネット」に活用することが可能になっています。
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http://pine64.com/PINE A64がどのような製品なのかは、以下のムービーなどを見るとわかるようになっています。
PINE64 - World's Most Affordable 64-Bit Single Board Computer. - YouTubeムービー冒頭に登場するのは、Apple創業時の数少ない従業員の一人というダニエル・コトキ氏。Apple Iの開発に携わったことがあるコトキ氏は「私がAppleで仕事を始めた頃は、みんな手作りでコンピューターを組み立てていたよ。今の技術では、そんな風にコンピューターにアクセスすることはできないね。PINE A64は、私の途方もない期待を上回るマシンだね」と語ります。
PINE A64は、小さな基板の上に64ビットCPUを搭載し、単体で動作するシングルボードコンピューター。その大きさはiPhone 6sと同等のサイズです。
搭載されるプロセッサは、ARMの次世代64bitコアを持つ
Cortex-A53。動作クロック周波数は1.2GHzです。
ボード上にはUSB 2.0端子を2口搭載。
さらに、4K対応のHDMI端子と、LANポート(ギガビット・10/100Mbps)を搭載しており拡張性も確保。
さらに、ボード上には2つのI/O端子が用意されているので、さまざまな周辺機器と接続することが可能です。
キーボードや5メガピクセルカメラ、Bluetoothモジュールやタッチパネル、リモコンなどいろいろな機器を使って拡張することができます。
Z-Waveや
ZigBee、
X10などの規格を用いてホームオートメーションやIoT(モノのインターネット)に活用することにも対応しているとのこと。
対応するOSは、Android 5.1やUbuntuなど。そしてホームオートメーション用のアプリを提供する
openHABを活用してシステムを構築することも可能。
自作で4K動画を再生する専用のマシンを作ったり……
何百万種類と存在するAndroid向けアプリを活用したりすることも可能です。
同様の「自作マイコン」としては、Raspberry PiやArduinoなどの規格が存在していますが、PINE A64はそれらを凌駕する存在でありながら、価格が抑えられているとのこと。以下のRaspberry Piとの比較表を見ると、価格が安いにもかかわらずCPU性能や拡張性が優れている様子がわかります。
また、「9ドルコンピューター」として話題を呼んだNext thingの「C.H.I.P.」やArduinoに比べても高いスペックを備えていることがわかります。
PINE 64はクラウドファンディングサイトの
Kickstarterで出資を募集中。目標金額の3万1416ドル(約380万円)に対し、記事作成時点では世界中の8000名弱の出資者から約31万ドル(約3800万円)の出資が集まっています。
最もベーシックなキット「PINE A64」は、早期出資優待割引制度であるEarly Birdプランだと15ドル(約1800円)でゲットすることが可能。RAMが1GBに増量され、ギガビット対応・カメラ・ディスプレイ・タッチパネル用のポートを備えた「PINE A64+」でも19ドル(約2300円)と破格の価格設定。さらに、4K再生に対応した「4K MEDIA」(59ドル:約7200円)や、ワイヤレスモジュールを搭載した「IoT Package」(59ドル:約7200円)、Androidのゲームが楽しめる「PlayBOX」(89ドル:約1万1000円)などがラインナップされています。
なお、日本への発送には、プランに応じて12ドルから15ドル(約1500円〜1800円)の送料が別途必要。出資の締め切りは日本時間で2016年1月23日(土)20時44分となっており、出荷時期は2016年2月から4月ごろが予定されています。
PINE A64, First $15 64-Bit Single Board Super Computer by PINE64 Inc. -Kickstarter
https://www.kickstarter.com/projects/pine64/pine-a64-first-15-64-bit-single-board-super-comput