以下の内容はhttps://gigazine.net/news/20240306-alzheimers-autoimmune-disease-new-theory/より取得しました。



アルツハイマー病は認知症の60~70%を占める疾患であり、世界中の科学者らが治療法を研究しているにもかかわらず、記事作成時点では症状を抑制する治療薬が一部の患者に使われるにとどまっており、根本的な治療法は見つかっていません。カナダのトロント大学でアルツハイマー病を研究しているドナルド・ウィーバー教授は、「アルツハイマー病は免疫系が脳細胞を細菌だと誤認してしまう自己免疫疾患である」という説を提唱しています。

Alzheimer’s might not be primarily a brain disease. A new theory suggests it’s an autoimmune condition.
https://theconversation.com/alzheimers-might-not-be-primarily-a-brain-disease-a-new-theory-suggests-its-an-autoimmune-condition-189047


アルツハイマー病患者の脳にはアミロイドβと呼ばれるタンパク質の一種が蓄積することが知られており、多くの研究者はアミロイドβがアルツハイマー病の原因であると仮定して治療法の研究を行っています。2021年にはアミロイドβを減少させるアルツハイマー病治療薬のADUHELMがアメリカ食品医薬品局によって承認されましたが、ADUHELMについては有効性を疑問視する声も上がっています。

ウィーバー氏は、「多くの人々が効果的な治療法を必要としているのに、人類が直面している最も重要な病気のひとつであるアルツハイマー病の治療法を追求する研究者らはなぜ手探り状態なのでしょう?」と疑問を呈した上で、アミロイドβに着目した治療法開発は有効な結果を出していないことから、別のアプローチから問題を検討することが必要ではないかと提案しています。

ウィーバー氏らの研究室が提唱している新しい理論とは、「アルツハイマー病は脳自体の病気ではなく、脳内の免疫系が引き起こす自己免疫疾患である」という説です。


免疫系は体内のあらゆる臓器に存在しており、細胞と分子が協調して損傷の治癒や病原体の撃退を担っています。たとえば、人が転んでケガをした場合は損傷した組織の修復を行い、ウイルスや細菌に感染したらこれらの病原体を殺して排除します。これと同様のプロセスが脳にも存在しており、損傷や病原体への対処を行っています。

ウィーバー氏は、アルツハイマー病の原因だと目されているアミロイドβは異常なタンパク質ではなく、脳の免疫系の一部を担う正常なタンパク質だと考えています。脳に損傷が発生したり、細菌などの病原体が侵入したりした場合、アミロイドβは脳の包括的な免疫応答に貢献するとのこと。


ここで問題になるのが、細菌と脳細胞を包む膜を構成する脂肪分子が非常によく似ているという点です。ウィーバー氏は、アミロイドβは脂肪分子が似ている細菌と正常な脳細胞を区別できず、保護しているはずの脳細胞を誤って攻撃してしまうのではないかと考えています。これにより、脳細胞の慢性的かつ進行的な喪失が引き起こされ、最終的に認知症を発症するというのがウィーバー氏の主張です。

もし、脳の免疫系が誤って正常な臓器を攻撃してしまった結果がアルツハイマー病だと考えると、アルツハイマー病は自己免疫疾患の一種であると見なすことができます。これまでのところ、関節リウマチなどその他の自己免疫疾患に有効なステロイド治療はアルツハイマー病に効きませんが、脳の免疫調節経路に特化した薬剤を開発することで、アルツハイマー病を効果的に治療できる可能性があるとのこと。


ウィーバー氏は、世界中で5000万人以上が罹患(りかん)しているアルツハイマー病は、公衆衛生上の重大な危機だと指摘。認知症患者やその家族の幸福のため、そして増え続ける認知症患者に対応する社会経済的なコストを軽減するためにも、アルツハイマー病をより良く理解して治療法を生み出すことが必要だと主張しました。




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