以下の内容はhttps://gigazine.net/news/20220727-china-21-ton-rocket-booster-fall-down/より取得しました。


by China News Service

中国が2022年7月24日に打ち上げた長征5Bロケットのブースター部分が、7月末から8月初頭にかけて地球上に落下するとの見通しが報告されました。20トン以上あるこのタイプのロケット部品が、制御されない状態で地球上に落下してくることが問題となったのは、今回が3回目です。

China space station module's massive rocket falling from space | Space
https://www.space.com/china-long-march-rocket-uncontrolled-reentry-wentian

Rocket debris from China space station mission to crash land - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/world/2022/07/25/china-launches-rocket-space-station-tiangong/

Long March 5B: Debris from massive Chinese booster rocket could fall to Earth early next week - CNN
https://edition.cnn.com/2022/07/26/china/china-wentian-space-debris-intl-hnk-scn/index.html


中国は日本時間の7月24日15時22分に、同国南部にある文昌衛星発射場から長征5号Bロケットを打ち上げました。このロケットには、宇宙ステーションの実験モジュールである「問天」が搭載されており、打ち上げ後に宇宙ステーションの基幹施設「天和」とのドッキングに成功したと中国政府は発表しています。

今回問題となっているのは、宇宙ステーションのモジュールを打ち上げたロケットの巨大なパーツです。ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天体物理学者であるジョナサン・マクドウェル氏は、「自律推進能力のない21トンのロケットのコアステージが軌道上に残っており、積極的なデオービットが行われていないことが確認できます」と述べて、打ち上げ後のロケットが制御されていないことを指摘しました。

また、アメリカの航空宇宙会社・The Aerospace Corporationは、「ロケット再突入の最新の予測は協定世界時で7月31日7時52分(日本時間の16時52分)プラスマイナス22時間です」とツイートして、制御不能状態になったロケットの地球への落下を警告しました。まだ再突入まで時間的な開きがあるため、具体的にどこに落ちてくるかの予測は困難とのこと。

Our latest prediction for #CZ5B rocket body reentry is: 
???? 31 Jul 2022 07:52 UTC ± 22 hours
Reentry will be along one of the ground tracks shown here. It is still too early to determine a meaningful debris footprint. Follow this page for updates:  https://t.co/SxrMtcJnj0 pic.twitter.com/xsDqC8rOEt

— The Aerospace Corporation (@AerospaceCorp)


長征5号Bロケットの部品の落下が取り沙汰されるのは、今回が初めてではありません。2020年5月には同型のロケットの部品がニューヨーク上空をかすめて落下し、「ここ30年では最大のスペースデブリ」と報じられました。また、2021年5月にも重さ21トンのコアステージがインド洋に落下し、NASAが非難声明を発表しています。

インド洋に落下した中国のロケット「長征5号B」に関しNASAが非難声明を発表 - GIGAZINE


伝えられるところによると、これらのロケットの部品が居住地に落下し人的被害を発生させる可能性は低いとのこと。しかし、巨大な部品であるため万が一都市圏などに落下すれば大きな被害が出る可能性もあります。カナダにあるブリティッシュ・コロンビア大学の教授で、スペースデブリによる死傷リスクの研究者でもあるマイケル・バイヤーズ氏は、「20トンもある金属製の物体ですので、大気圏に突入すると分解されるものの、かなり大きなものも含めた破片が多数地表に到達するでしょう」と指摘しました。

こうしたロケットの破片は、経済的に困窮している地域が多い赤道付近に落下する可能性が高いことが、研究によって示されています。科学誌・Nature Astronomyに掲載されたバイヤーズ氏らの論文によると、ジャカルタ(インドネシア)、ダッカ(バングラデシュ)、ラゴス(ナイジェリア)がある緯度にロケット本体が落下する可能性はニューヨーク・北京・モスクワがある緯度に比べて3倍も高いとのこと。

バイヤーズ氏らは論文の中で、「ロケットの打ち上げと再突入の地点の分布から、死傷者の予想、つまり人命へのリスクは南半球の人々に偏って負担されており、主要な打ち上げ国が世界の他の地域にリスクを輸出していることが分かります。技術の進歩や宇宙計画の改善により、こうした無秩序な再突入のほとんどは回避できるようになりましたが、依然として打ち上げ国や企業はコスト増加の受容に消極的であると、私たちは主張します」と述べて、豊かな国が打ち上げたロケット落下の危険が新たな南北問題となっていることを指摘しました。

・つづき
中国の「制御不能ロケット」がフィリピン近海に落下し火の玉の映像が多数ネット上に投稿される、「中国は無責任」とNASA - GIGAZINE




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