以下の内容はhttps://gigazine.net/news/20220510-teen-brain-tunes-less-moms-voice/より取得しました。



幼い頃は母親の声にすぐ反応していた子どもが、思春期になると母親の声をあまり気にしないようになり、「どうしてママの言うことを聞かないの?」と口論になることは珍しくありません。実際に、13歳頃の子どもの脳内では「母親の声を聞いた際の神経反応が変化し、他人の声の方がより価値を高く感じるようになる」ことが、スタンフォード大学医学部の研究チームにより報告されました。

A neurodevelopmental shift in reward circuitry from mother’s to nonfamilial voices in adolescence | Journal of Neuroscience
https://www.jneurosci.org/content/early/2022/04/06/JNEUROSCI.2018-21.2022

The teen brain tunes in less to Mom’s voice, more to unfamiliar voices, study finds | News Center | Stanford Medicine
https://med.stanford.edu/news/all-news/2022/04/teenager-brain-mother-voice.html

New Study Reveals The Reason Teens Seem to Tune Out Their Mom's Voice
https://www.sciencealert.com/brain-signal-in-teenagers-shows-they-don-t-listen-to-their-parents-the-same-way

スタンフォード大学医学部のダニエル・エイブラムス氏らの研究チームは2016年の研究で、母親や他人の声を聞いた際の子どもの脳内を磁気共鳴機能画像法(fMRI)で撮影する実験を行いました。研究チームは「母親たちがナンセンスな言葉を話す音声」と「知らない女性がナンセンスな言葉を話す音声」を被験者に聞かせ、母親の声が識別できるかどうかを調べたほか、fMRIで音声を聞いている時の脳内を撮影し、どの部位が活性化しているのかを調べました。

その結果、研究チームは「12歳未満の子どもの脳内には、母親の声で選択的に活性化する回路がある」ことを確認しました。12歳未満の子どもは極めて高い精度で母親の声を識別し、母親の声を聞くと脳の聴覚処理領域だけでなく報酬中枢、感情処理領域、視覚処理中枢、情報処理領域などが活性化されました。一方、知らない女性の声では聴覚処理領域以外の部位は活性化されなかったとのこと。


ところが、同じ実験を13~16.5歳の被験者に対して行ったところ、13歳以上のティーンエイジャーの脳活動は12歳未満の子どもと違うことが判明しました。13歳以上の脳内では、すべての声に対して聴覚処理領域や情報処理領域、社会的記憶を作る領域が活性化し、母親の声だけが特定の領域を活性化されることはありませんでした。さらに、報酬中枢や情報の価値を判断する腹内側前頭前野においては、母親の声よりも見知らぬ女性の声に対してより強く活性化しました。

これはつまり、13歳以上の脳内は母親の声よりも知らない人の声に対して敏感になり、心ひかれるようになることを意味しています。脳活動の変化は13歳~14歳の間に起こり、男女による違いはなかったとのこと。年齢に伴う脳活動の変化は非常に顕著だったため、研究チームは音声に対するfMRIの反応だけを見て、被験者が何歳であるか予測することができたと報告しています。


研究チームは思春期に起きる変化は脳が社会的スキルを発達させている兆候であり、健康的な成熟の過程だと考えています。幼い子どもにとって、母親の声は健康や発達に重要な役割を果たしており、ストレスレベルや社会的な絆、摂食スキル、スピーチの処理などに影響を与えます。しかし、より広い社会的スキルを習得するべき段階にさしかかると、脳が変化して母親以外の声を積極的に聞く方が有利になるとのこと。

エイブラムス氏は、「乳幼児が母親の声に同調することができるように、思春期には新しい声に同調できるようになります」「ティーンエイジャーは自分がそうしているとは気付かないでしょう。彼らはただ、自分らしく生きており、友人や新しい仲間と一緒に過ごしたいと思っています。そして、聞き慣れない声にますます敏感になり、引かれていくのです」と述べています。論文の共著者であるビノッド・メノン博士は、「子どもはある時点で自立し、根底にある生物学的信号がこれを促進する必要があります」とコメントしました。

過去の研究では、自閉症の子どもたちは母親の声に対する脳の活性が弱いこともわかっていることから、今回の研究結果も社会的スキルの発達の根底にある神経生物学的メカニズムの解明に役立つことが期待されています。




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