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世界のジャーナリストが共同で調査報道を行うためのネットワーク「国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)」が、117カ国・150メディアに所属する600人以上のジャーナリストが1年以上にわたって行った調査の報告書「パンドラ文書」を入手したと発表しました。構成ファイル1190万件・合計2.94テラバイトというパンドラ文書では、世界中の大統領や首相、裁判官、軍幹部などが租税回避地(タックス・ヘイブン)のダミー企業を使って税金を回避していたことが明らかになりました。

Pandora Papers: An offshore data tsunami - ICIJ
https://www.icij.org/investigations/pandora-papers/about-pandora-papers-leak-dataset/


Offshore havens and hidden riches of world leaders and billionaires exposed in unprecedented leak - ICIJ
https://www.icij.org/investigations/pandora-papers


タックス・ヘイブンを利用して大企業や有名人が租税回避を行っていたことを示す文書はこれまでにも存在しており、2016年にも各国首脳や著名人が租税回避していたことを示す「パナマ文書」が公開されています。

巨大企業・富裕層がいかにタックスヘイブンなどで巨額の金を隠し持っているか暴露する「パナマ文書」が公表される - GIGAZINE

By Thibault Houspic Follow

今回公開されたパンドラ文書はパナマ文書よりもさらに膨大なデータが記録されています。このパンドラ文書はオフショア企業14社の取引内容がリークされたもので、イギリス領ヴァージン諸島セーシェルパナマクック諸島、アメリカ・サウスダコタ州など、税率が低いタックス・ヘイブンにオフショア企業が会社や信託を設立した証拠がまとめられています。

問題となったオフショア企業は以下の14社。


オフショアサービスプロバイダーが会社や信託を設立しようとするタックス・ヘイブンは所得税や法人税が免除されるため、活動実態のないペーパーカンパニーを設立したり、不動産・ヨット・ジェット機などを現地で購入することで、多額の脱税が可能。タックス・ヘイブンに設立された法人の情報はほとんどあるいはまったく公開されないことがほとんどなので、脱税だけではなくマネーロンダリングの温床にもなっています。

パンドラ文書の一部は1970年代のものですが、ICIJによってチェックされたファイルのほとんどが1996年から2020年の間に作成されたものだったそうです。1190万件を超えるファイルはほとんど構造化されておらず、その半数以上がテキストファイルで、400万以上がPDFファイル。内容はパスポートや銀行取引明細書、税申告書、会社設立記録、不動産契約など。また、410万件を超える画像や電子メール、スプレッドシート、スライドショー、音声ファイルや映像ファイルも含まれていました。


パンドラ文書の中で租税回避を行っていたことが判明したのは富豪や有名モデル、スポーツ選手、ギャング、中小企業の経営者、医師など。さらに90以上の国・地域で活躍する330人以上の政治家も名前を連ねており、その中には現あるいは元首脳クラスの大物が35人いたとICIJは報告しています。

例えば、経済的・政治的エリートの腐敗を訴えていたチェコのアンドレイ・バビシュ首相は南フランスにある映画館とプール2つを備えた2200万ドル(約24億円)の別荘をオフショア企業から購入していたと判明。この24億円という資金はイギリス領ヴァージン諸島とアメリカ・ワシントンD.C.にあるダミー会社とモナコの不動産管理会社を通じて送金されたとのこと。また、バビシュ首相がイギリス領ヴァージン諸島に設立したペーパーカンパニーが2014年に「マネーロンダリングまたはテロリストの資金調達に関与している可能性が高い」と指摘され、その直後に突如解散したことが報告されています。


さらに、「アラブの春」以来政情の不安定なヨルダンの国王・アブドゥッラー2世がオフショア企業を通じてマリブ海に面した豪邸3件を6800万ドル(約75億円)で購入していたこともわかりました。加えて、アブドゥッラー2世はアメリカとイギリスで14件もの豪邸を合計1億600万ドル(約176億円)で購入しており、1995年から2017年にかけて少なくとも36社ものペーパーカンパニーを設立していました。


イギリスの元首相であるトニー・ブレア氏の妻シェリー・ブレア氏は2017年に不動産賃貸会社を設立し、同年夏には合計880万ドル(約9億7000万円)の物件をロンドンに持つイギリス領ヴァージン諸島の企業を買収しています。イギリス日刊紙のThe Guardianによれば、不動産を所有する会社を買収することで40万ドル(約4400万円)も節税することに成功しているとのこと。シェリー氏は「ブレア元首相は取引に関与していない」と取材に答え、「すべての取引は、会社と建物をイギリスの税制および規制体制に戻すという明確な目的のために行われたものであり、すべての税金は支払われ、すべての会計は法律に従ってオープンに提出されています」と主張しました。


また、パンドラ文書にはロシアのプーチン大統領と親交の深いコンスタンティン・エルンスト氏の名前もありました。エルンスト氏はロシアを代表するテレビ局・チャンネル1のCEOで、プーチン大統領の政治広報を担当しており、2014年のソチ冬季五輪では開会式と閉会式のディレクターを務めています。


そんなエルンスト氏は2014年にイギリス領ヴァージン諸島に登録された不動産会社の株式23%を10億ドル(約1100億円)で取得し、筆頭株主となりました。この不動産会社は、旧ソビエト連邦時代から続くモスクワの古い映画館とその周辺の不動産を購入しています。これら不動産はロシア政府運営のオークションで、課税価格の約半分で売却されました。なお、このオークションで不動産を購入したのはエルンスト氏が関わるペーパーカンパニーであり、それ以外の企業は運営側によって排除されていたと、地元の活動家と市議会議員が異議を申し立てています。

他にもパンドラ文書に登場する政治家について、ICIJは以下のページに名前と内容をまとめています。

Power Players - ICIJ
https://www.icij.org/investigations/pandora-papers/power-players/




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