子どもの教育において親の関与は必要不可欠なもの。オーストラリアカトリック大学の心理学者の調査により、親が楽観的か批判的かにより、子どもの成績に影響を与える可能性が示唆されました。
Maternal Judgments of Child Numeracy and Reading Ability Predict Gains in Academic Achievement and Interest - Parker - - Child Development - Wiley Online Library
https://srcd.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/cdev.13573
'You're the best!' Your belief in your kids' academic ability can actually improve their grades
https://theconversation.com/youre-the-best-your-belief-in-your-kids-academic-ability-can-actually-improve-their-grades-161881
心理学者のフィリップ・パーカー氏ら研究チームは、親の経済状況と子どもの成績についての関係性を明らかにしようと調査を行いました。
パーカー氏らは過去に行われた、オーストラリアの子どもたちを対象に行われた大規模な研究「LSAC」のデータに基づき、オーストラリアの子どもに対して行われる能力評価テスト「NAPLAN」の結果を集計。結果に対する母親の評価を聞き出し、子どもの成績を楽観的に捉える母親を「楽観主義」、悲観的に捉える母親を「悲観主義」と分類して成績と関連付けました。
調査の結果、母親が楽観主義であるほど子どもはより良い成績を収め、学業への関心が高まったことが分かったとのこと。パーカー氏らは「親が楽観主義だった場合、5年次に50%だった成績は7年次に55%まで上昇する可能性があり、反対に親が悲観主義の場合、5年次に50%だった成績は7年次に45%まで下落する可能性があります」と記しています。
また、パーカー氏らは「平均して、母親は子どもの成績に対して楽観的であるということが分かりました」とも述べています。パーカー氏らは「親が子どもの成功を信じていると子どもにより多くの時間とリソースなどを費やす場合があり、また、『親がそばにいる』という感覚は子どものやる気を引き出す可能性もあります」と考察しています。