以下の内容はhttps://gigazine.net/news/20210108-moderna-covid-vaccine-blatantly-greedy/より取得しました。



アメリカのバイオテクノロジー企業・Modernaが開発した新型コロナウイルスワクチンは臨床試験で94.1%の有効性を示し、アメリカだけでなくEUでも使用が承認されています。ところが、「他の新型コロナウイルスワクチンと比べて高すぎる価格を設定している」として、Modernaのワクチンはヘルスケア分野における不名誉な賞「Shkreli Award(シュクレリ・アワード)」を受賞してしまいました。

2020 Shkreli Awards - Lown Institute
https://lowninstitute.org/projects/shkreli-awards/2020-shkreli-awards/

“Shkreli Award” goes to Moderna for “blatantly greedy” COVID vaccine prices | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2021/01/moderna-shamed-with-shkreli-award-over-high-covid-vaccine-prices/

シュクレリ・アワードとは、ヘルスケア分野のシンクタンクであるローン研究所が発表している不名誉な賞であり、「ヘルスケア分野における収益性と機能不全に関する最も悪質な加害者」に贈られるもの。名前に冠されている「シュクレリ」はかつて製薬企業の重役を務めたマーティン・シュクレリ氏にちなんでいます。

シュクレリ氏は2015年、エイズ患者に処方されるダラプリムという薬の製造権を買収し、1錠当たりの価格を13.5ドル(約1400円)から750ドル(約7万7000円)と56倍につり上げて世間から大きな反発を買い、「アメリカで最も憎まれている男」とも呼ばれました。その後、証券詐欺罪などの罪で起訴されて禁固7年の有罪判決を受け、記事作成時点でも服役中です。


世界的に期待されているModernaのワクチンが不名誉なシュクレリ・アワードを受賞してしまった理由について、賞の審査員は「Modernaのワクチン価格が他のワクチンと比較して高すぎる」と指摘しています。

ワクチン開発にあたり、アメリカの生物医学先端研究開発局(BARDA)総額10億ドル近い援助をModernaに行っており、開発費の100%がアメリカ政府の資金によってまかなわれているとのこと。ワクチン開発が成功に近づいた2020年8月、Modernaはワクチン接種の費用を1回当たり32~37ドル(約3300~3800円)に設定しました。新型コロナウイルスワクチンの接種は2回行う必要があるため、1人当たりの接種費用はこの2倍となります。

一方で、同じくワクチン開発を進めていたファイザーBioNTechは、アメリカ政府との間で1回当たりのワクチン価格を19.5ドル(約2000円)、2回の接種で39ドル(約4000円)にする契約を結んでおり、ジョンソン・エンド・ジョンソンはワクチンの費用を1回当たり10ドル(約1000円)にしていました。なお、ファイザーとBioNTechは主にドイツ政府や欧州投資銀行からの援助でワクチンを開発しており、アメリカ政府の援助は受けていません。

批判を受けたModernaはワクチン価格を下げ、最終的には2回の接種による合計価格を30ドル(約3100円)で提供する契約をアメリカ政府と結びました。ところが審査員らは、「我々国民がこのワクチンを開発するための資金を提供しているため、ワクチンは私たちのものです。全アメリカ人に無料で提供する必要があります」「Modernaのワクチン価格は、私たちに2回課税するようなものです」と述べ、値下げした後でもModernaのワクチン価格は不当に高いと主張しています。


なお、Modernaのワクチン以外に2020年の「シュクレリ・アワード」を受賞したトピックについては、以下のようになっています。

◆:医療人材派遣企業の「TeamHealth」と「Envision」
これらの企業は、パンデミック中に最前線で働く臨床医の給与と手当を削減し、政治的な広告に数百万ドル(数億円)を費やしました。

◆:詐欺的な宗教伝道師のジム・ベイカー
詐欺師として有罪判決を受けたこともある宗教伝道師のジム・ベイカーは、パンデミック期間中に偽の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬としてキョウチクトウの抽出物を販売して利益を上げたほか、根拠のない治療薬や治療セットを販売した医師も現れています。

◆:コネチカット州の医師であるスティーブン・マーフィー氏
コネチカット州の医師であるマーフィー氏は、公共の新型コロナウイルス検査施設に訪れた人に対し、新型コロナウイルスに加えて20種類もの病原体についてパネルテストを行いました。過剰なテストを行ったマーフィー氏は、保険会社を通じて1人当たり2000ドル(約21万円)の費用を請求したそうです。

◆:マスク着用を巡って臨床医を解雇した病院
パンデミックの初期にはアメリカ国内のいくつかの病院で、N-95マスクやその他の防護具を着用することを主張する医師が停職に追い込まれたり、解雇されたりする事例があったとのこと。この理由について病院は、「N-95マスクやその他の防護具を着用することが患者を不必要に怖がらせる」として、自らの行動を正当化しました。

◆:ワクチンに関する利益相反を開示しなかった病院のCEO
ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のCEOであるエリザベス・ネーベル博士は、パンデミック初期の2020年2月に「イノベーションのために薬の価格を高くすることは必要である」とする論説を書きました。当時、ネーベル博士はワクチン開発を行っていたModernaの理事会メンバーでしたが、この点については論説で開示しませんでした。その後、ネーベル博士はワクチン開発の成功で4倍に上昇したModernaの株を売却し、850万ドル(約8億7000万円)の利益を得たとのこと。


◆:薬品開発で競争する大手製薬会社
ローン研究所は、ファイザーやアトラスゼネカ、グラクソ・スミスクライン、ジョンソン・エンド・ジョンソンといったワクチン開発を行った大手製薬企業について、新型コロナウイルス関連の薬品開発で協力しなかったと非難しています。これらの企業は新型コロナウイルス関連の薬品開発において、試験データや特許権の情報を共有する「C-TAP」という世界保健機関(WHO)が主導した取り組みを否定し、参加しませんでした。

◆:感染症に脆弱な老人ホーム
アメリカにおいては老人ホームが新型コロナウイルスの主要なクラスターとなっており、不十分な人員配置や感染症対策の不足により、2020年11月下旬までに10万人以上の入居者やスタッフがCOVID-19で死亡しました。

◆:無保険の患者を受け入れなかった病院
カリフォルニア州にある4つの大病院は、無保険または保険関連の問題があるCOVID-19患者について、他の病床が限界に達した病院からの受け入れを拒否したとのこと。

◆:アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁の個人防護具配布タスクフォース
アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁の個人防護具配布タスクフォースは、海外から個人防護具を調達してアメリカ国内に素早く配布する役目を担いました。ところが、配布の段階で防護具を6つの民間医薬品供給企業に提供し、医療機関同士の入札競争を引き起こしたとして非難されています。




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