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円周率は2020年時点で小数点以下50兆桁まで計算されるほど途方もない桁数を持つ数です。一般的には「3」や「3.14」のような数で計算が行われますが、桁が切り捨てられるほど結果の正確さは損なわれてしまうもの。正確さが必要そうな宇宙開発の現場では「円周率を何桁まで使っているのか?」という質問に対して、アメリカ航空宇宙局(NASA)が実際に使用している値とその理由について回答しています。

How Many Decimals of Pi Do We Really Need? - Edu News | NASA/JPL Edu
https://www.jpl.nasa.gov/edu/news/2016/3/16/how-many-decimals-of-pi-do-we-really-need/

「NASAのジェット推進研究所(JPL)は円周率を計算に使うとき、『3.14』を使用していますか? あるいは、小数点以下300桁くらい長い値を使っているのですか?」というのが、実際にNASAのFacebookに届いた質問です。


NASAのドーン・ミッション責任者兼チーフエンジニアであるマーク・レイマン氏は、質問に対して「JPLの惑星間航行システムにおける最高精度の計算では、小数第15位に丸めた『3.141592653589793』を使用しています」と回答しました。

レイマン氏によると、円周率を使うにあたり、許容できる範囲の誤差を考慮した上で小数の切り捨てを行っているとのこと。レイマン氏は「科学者が行う物理的な現実世界の計算では、小数点以下の数値を多く含めなくてもよい場合が多くあります」と述べ、実際にNASAで行われている円周率を使用した計算の例を3つ挙げながら、円周率と誤差についてを説明しています。

◆1:地球
地球の円周を考えた場合、赤道の位置を基準とすれば直径は約7926マイル(約1万2742km)。小数第15位に丸めた円周率を使用すると、地球の円周は約2万4900マイル(約4万km)となります。この時に生じる誤差はナノメートル単位で、分子1つ分の大きさ程度とのこと。「もちろん分子には様々な種類があり、大きさも様々ですが、このケースがヒントになればと思います。桁数を増やしすぎない円周率による誤差は、髪の毛1本の1万分の1ほどの薄さしかないのです」とレイマン氏はコメントしました。


◆2:ボイジャー1号
レイマン氏は、地球から最も遠い距離に到達している宇宙船、ボイジャー1号も例に挙げて説明。ボイジャー1号は、レイマン氏の回答時点で地球から約125億マイル(約201億1680万km)以上離れたところに存在しています。

「仮に、125億マイルの半径を持つ円があったとして、円周率を小数第15位に丸めて計算すると、円周は780億マイル(約1255億2883万km)を少し超えた値になります。気をつけるべき点は『値が正確か』ではなく『円周率の桁数を減らしたことで、どれだけの誤差が生じたか』です。小数第15位までの円周率では円周にわずかな誤差が生じますが、半径125億マイルの円の円周を計算した場合の誤差は約1.5インチ(約3.81cm)ほどしかありません。考えてみてください。780億マイル以上の円周に対して、その誤差は人間の小指の長さ程度なのです」とレイマン氏は述べています。

◆3:宇宙
「存在し得る最大のサイズ、宇宙の大きさで考えてみましょう。宇宙の半径は約460億光年あります。もし半径460億光年の円の円周を、最も単純な原子である水素原子の直径0.1ナノメートルほどの誤差しか生じないよう正確に計算するには、円周率は何桁が必要でしょうか?」とレイマン氏は問いかけます。


レイマン氏によると、答えは「小数点以下39桁か40桁が必要」だとのこと。「宇宙がどれほど幻想的に広大であるかを考えてみてください。最も暗く、美しく、星で満たされた夜を目で見ることはできるのに、宇宙は私たちが想像できる範囲をはるかに超えています。そして、1つの原子は信じられないほど小さいということを考えてみてください。原子から宇宙まで、全範囲をカバーするために何十桁もの円周率を使う必要はないことがわかるでしょう」とレイマン氏は語っています。




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