以下の内容はhttps://gigazine.net/news/20200603-roots-carnivorous-plant/より取得しました。



食虫植物は、「植物は光合成や土から栄養分を得るもの」という一般的な植物のイメージとは異なり、虫を捕食して栄養源にしてしまう植物です。そんな食虫植物のルーツをたどる研究により、「一体なぜ植物が虫を食べるようになったのか」という秘密の一端が明かされました。

Genomes of the Venus Flytrap and Close Relatives Unveil the Roots of Plant Carnivory: Current Biology
https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(20)30567-4

プレスリリース - ゲノム重複が食虫植物の進化を牽引 〜モウセンゴケ科に属するコモウセンゴケ、ハエトリソウ、ムジナモの3種の ゲノム解読により判明〜
https://www.nibb.ac.jp/press/2020/05/15.html

Here's how plants became meat eaters | Live Science
https://www.livescience.com/how-carnivorous-plants-evolved.html

これまでの研究により、「食虫植物が虫を吸収するために使う消化液に含まれる酵素は、ウイルスや細菌などから身を守るための遺伝子が転用された結果作られるようになった可能性が高い」ことが判明しています。しかし、食虫植物が虫を捕食するには、消化液を分泌するだけでなく虫を誘引したり捕獲したりといった能力を獲得する必要がありますが、食虫植物が一体どうやってこうした能力をほぼ同時に獲得したかは分かっていませんでした。

そこで、日本の基礎生物学研究所で進化生物学を研究しているGergo Palfalvi氏らの研究グループは、同じモウセンゴケ科の食虫植物であるモウセンゴケハエトリグサムジナモという3種類の食虫植物のゲノムを解析して比較しました。

by Scott Darbey

これらの3種の食虫植物のゲノムを比較する中で、研究チームが特に注目したのが特定のDNAの領域が倍になる「ゲノム重複」という現象です。これにより、片方の遺伝子が変異しても残りの遺伝子が元の機能を発揮し続けることが可能なため、ゲノム重複が発生した生物は「元の能力を維持したまま新しい能力を獲得する」ことができます。

3種類の食虫植物のゲノム重複の痕跡をたどった結果、食虫植物は3段階のプロセスにより今のような捕食能力を獲得したことが分かりました。最初のプロセスが発生したのは、約7000万年前のこと。この時のゲノム重複により、従来の葉を形成する遺伝子がトラップのような葉を形成する遺伝子に発展しました。また、土壌の養分を吸収する根に関するゲノム重複も発生し、別の能力を獲得する準備ができました。

第2段階では、遺伝子数の大幅な減少が発生しました。これは、食虫植物が虫を食べる能力を獲得していく過程で通常の葉や根の機能が不要になり、そうした機能に関与していた遺伝子を削減することができたためと考えられます。例えば、水中を漂うムジナモは根の名残を持っていますが、土の中に張り巡らせることができるような通常の根は持っていません。

by David Short

続く第3段階で、食虫植物はさらに虫を食べることに特化した進化を遂げました。土から養分を得ていた遺伝子が、本格的に昆虫を消化吸収するための酵素を作るようになり、花粉を媒介する昆虫を誘引する蜜を作っていた遺伝子は獲物を誘引する物質を作り出すようになったとのこと。これにより、食虫植物は虫を誘引し、捕獲し、消化吸収する能力の全てを備えるようになりました。

研究チームは今回のゲノム解析結果について「ゲノム重複により自由になった遺伝子が、食虫性という新しい機能を進化させる上で重要だったことが分かりました。今後さらにゲノム解析を進め、食虫性に関わる遺伝子がもともとどのような機能を持っていたのかなどをより詳しく調べていく予定です」と述べました。




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