以下の内容はhttps://gigazine.net/news/20180722-once-search-engines/より取得しました。



2018年6月時点で、検索エンジンはシェア90.3%を占めるGoogleのほぼ一強という状態ですが、20年前は多種多様な検索エンジンによる群雄割拠の時代で、入力された検索クエリを複数の検索エンジンに送信し、得られた結果を表示するメタ検索エンジンも多く存在しました。Google以外の検索エンジンを使う機会はめっきり減ってしまいましたが、ボストン在住のプログラマー、ショーン・コナー氏が往時の検索エンジンはまだ約半数が形を変えながらも今でも稼働していることをブログで報告しています。

There was a time when search engines were a thing. And it seems they still are - The Boston Diaries - Captain Napalm
http://boston.conman.org/2018/06/30.1


1990年代に「Geofind」というメタ検索エンジンを作成していたコナー氏は、2018年になってGeofindのソースコードをHDDの奥深くから発見しました。そこで、およそ20年前にGeoFindから検索クエリを送信していた10個の検索エンジンが今どうなっているのかを調べました。

◆1:Yahoo!
1994年にサービスを開始し「ディレクトリ検索の雄」として君臨したYahoo!は、2014年末をもってディレクトリ検索サービスを終了しましたが、ロボット型検索エンジンを中心に2018年現在もなんとか生き残っています。ただし、エンジン自体は、2000年~2004年はGoogleを利用、その後、独自開発のYahoo! Search Technology(YST)に切り替えましたが、2009年に独自路線を諦め、MicrosoftのBingに切り替えています。会社の業績も、マリッサ・メイヤーCEOが着任した2012年7月から1年ほどは好調だったものの、総じて低迷気味で、2017年に通信大手のベライゾン・コミュニケーションズ傘下となっています。


一方、日本で展開するYahoo!JAPANは、1996年にソフトバンクとアメリカのYahoo!が共同で設立したヤフー株式会社によって運営されていて、本家Yahoo!とは独立した展開を行っています。そのため、当初は検索エンジンに国産の「goo」を使っていました。その後、本家と合わせるように2001年4月から2004年5月までGoogleを採用したのち、YSTに切り替えました。しかし、2009年に本家がYSTの開発を中止してBingへ切り替えた際、Yahoo!JAPANではGoogleに戻しています。なお、ディレクトリ型検索サービス「Yahoo!カテゴリ」は本家がサービスを終えても続けていましたが、2018年3月29日をもって終了しました。

◆2:Excite
かつてはYahoo!・Infoseek・Lycosと並んで大手検索ポータルサイトとして有名だったExciteは、買収と身売りを経て2004年にAsk.comに買収されます。2018年7月現在はポータルサイトとしてかろうじて生き延びており、ドメインも生きていますが、ページデザインはぐちゃぐちゃで、検索サービスもどうやら続けているらしいといったところ。


Exciteは、1998年に創業したばかりのGoogleと業務提携に動いたこともありましたが、Googleの共同創設者であるラリー・ペイジから提示された100万ドル(約1億1000万円)を値切った結果、交渉は決裂。もしGoogleの検索エンジンを高く評価して提携していれば、また違う未来があったかもしれません。アジア圏におけるExciteブランドは2001年に伊藤忠商事に売却されたため、日本では今も独自のポータルサイトが運営されている他、YSTを利用した検索システムも稼働しています。

また、エキサイトジャパンが展開するExciteメールは、MSN・HotmailやYahoo!のYahoo!メールと並ぶ老舗フリーメールとして愛用者も多いサービスだったのですが、残念ながら2018年9月18日を持ってサービスを終了することが告知されています。

◆3:Infoseek
かつては大手検索エンジンを抱えるインターネット企業でしたが、その後ディズニーに買収され、ドメインも検索エンジンも失っています。ただし、日本とドイツのみ、infoseekの名前が残っています。

Infoseekが日本に上陸したのは1996年のこと。しかし、当時飛ぶ鳥を落とす勢いで成長していたYahoo!JAPANになかなか追いつくことができず、明らかにYahoo!JAPANをライバル視したテレビCMを放映していたことも。2000年に米本社との資本関係を解消し、infoseek日本支社は楽天の子会社となりました。ポータルサイトや検索システムは楽天Infoseekとして、今もサービスを継続しています。2001年には、ウェブホスティングサービスのinfoseek iswebがスタート。iswebライトはYahoo!ジオシティーズに並ぶ大手無料ウェブホスティングサービスとなり、多くの個人サイトを抱えていましたが、2010年に惜しまれつつ終了。iswebライトを利用していた多くの個人ホームページと共に膨大な情報がインターネットから消滅するのは問題だと議論も起きました。

◆4:Lycos
Lycosは1994年に誕生した検索エンジンです。当初はExciteやYahoo!にも肩を並べる検索ポータルサイトでした。2000年にスペインのTerra Networksが、ライコスを運営していたLycos, Incを125億ドル(約1兆4000億円)で買収します。その後、2004年10月に韓国企業のDaum Communicationsに売却され、2010年にはインドのYbrant Digitalに身売りされます。そして、2016年にLycosを運営していたYbrant Media Acquisitionが破産したため、YbrantはLycos Inc.の所有権を失いました。

2018年7月現在、インドに本社を構えるLycos Internet Ltd.が、bingのエンジンを利用した検索システムといくつかのウェブサービスを運営しています。Aboutページによると「Lycos, Inc.はまだ生きています。ほとんどの人が『検索エンジン』という言葉を知らない時代に独自の検索エンジンを構えていました」という自己紹介が記されています。なお、2018年7月時点でLycosは日本語にも対応済み。


日本では、1998年にLycos, Inc.と住友商事などの出資によってライコスジャパンが設立されました。ライコスジャパンは日本にも検索エンジンをはじめ、ニュースやフリーメールなど、さまざまなサービスを展開していましたが、2003年に経営不振のためにinfoseekとともに楽天に吸収されます。楽天のポータルサイトはinfoseekが選ばれたため、Lycosの日本向けポータルサイトは完全に消滅してしまいました。

しかし、2007年、当時Lycos, Inc.を所有していたDaum Communicationsとパワードコムの出資によって、ライコスジャパンが復活。ただし、新生ライコスジャパンは別サービスを引き継ぐ形での復活であり、アメリカ本社や1度目のライコスジャパンとは全く関係のないもの。それでも、新生ライコスジャパンはブログサービスの「ライコスクリップ」などを中心にさまざまなウェブサービスを提供していました。しかし、ライコスクリップについていた「ベータ版」の文字が外れることがないまま、結局ライコスジャパンは2008年に全てのサービスから撤退。lycos.co.jpのドメインも2013年に廃止となりました。

◆5:HotBot
HotBotはドメインも検索エンジンも健在。また非常に動作も軽く、「個人情報を共有しない」「広告は一切排除する」など、明らかにGoogleを意識した運営姿勢も表明されています。コナー氏も「Google一強の現代にまだ生きてるの?」と驚きの声を上げています。


◆6:Webcrawler
ドメインも検索エンジンも生存していました。Webcrawlerは1995年にAOLに買収され、1997年にはExciteに身売りされます。さらに2001年にExciteが倒産した後はInfospaceに拾われました。もともとは独立した検索エンジンだったのですが、今はメタ検索エンジンとなっています。


◆7:FreeYellow.com
ウェブホスティングサービスをまだ行っていて、ドメインは有効ですが、検索エンジンはもう稼働していませんでした。

◆8:Magellan
Magellanはかつて独立した検索エンジンでしたが、1996年にExciteに買収されました。買収以前にmagellanが所有していたドメイン「mckinley.com」にアクセスすると、現在は不動産を検索するサイトに変わっていて、かつての検索エンジンは稼働していない様子。コナー氏は「おそらく違う会社だと思うけど、よく分からない」とコメントしています。

◆9:Alta Vista
Yahooに吸収されましたが、事業再編によって2013年にサービス終了しており、「altavista.com」というドメインも消滅しています。

◆10:Goto.com
Goto.comは既にサービスを終了していて、ドメインにアクセスしてもGoToMeetingというサイトにリダイレクトするようになっています。

他にも「GeoFind検索エンジン」という名前のブックマークフォルダからは上記以外の検索エンジンのブックマークも発見されました。既にドメインが消えていたり、検索サービスの提供をやめているページもあったそうですが、GalaxyPointSearchGIGABLASTはまだ稼働していたとのこと。

コナー氏は、20年近くの年月が経過し、かつてアクセスできていたサイトの8割が消滅してアクセスできなくなってしまっているのに対して、古い検索エンジンの半数がまだ生き残っているのは驚くべきことだとコメントしています。




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