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より良い睡眠がより良い生活をもたらすのは自明の理ですが、どうすれば質の高い睡眠を得られるのかは、さまざまな意見や手法があり、どれを実行すべきか迷ってしまうものです。睡眠研究の第一人者であるカリフォルニア大学バークレー校のマシュー・ウォーカー教授が、「いかに睡眠を取るべきか?」について、Q&A形式でアドバイスしています。睡眠学の権威によるお墨付きを得た効果的な睡眠法は以下の通り。

Productive on six hours of sleep? You’re deluding yourself, expert says - Chicago Tribune
http://www.chicagotribune.com/bluesky/originals/ct-bsi-why-we-sleep-matt-walker-20171003-story.html

神経学と心理学を教えるマシュー・ウォーカー教授は、睡眠に関する研究でも著名な研究者です。「」の著者として知られ、Human Sleep Scienceセンターを設立した睡眠学の第一人者のウォーカー博士によると、睡眠時間が7時間未満であれば脳卒中や心臓発作、免疫障害などを起こしやすく早死にのリスクが高まるとのこと。そんなウォーカー博士が、睡眠の妨げになることや眠りを最大限に活用する方法について、Q&A形式で答えています。


Q:
仕事のために睡眠を犠牲にする人に対して、どう意見しますか?

ウォーカー博士:
私は常々、「睡眠を取れないほどやるべき事を抱える理由は何ですか?効率的に働けないのが明らかなのに?」と尋ねています。十分な睡眠を取ることで効率性は高まります。眠い状態で作業効率が落ちると、さらに長時間仕事をする必要があり、そして睡眠不足になる、という悪循環に陥ってしまうのです。

Q:
どのくらい睡眠を取るべきですか?

ウォーカー博士:
成人の場合、推奨するのは「7時間から9時間」です。幅があるのは摂取カロリーのように個人差があるからです。ただし、下限(7時間)は厳格な境界線です。睡眠時間が7時間未満になると、脳や体の健康に著しい障害が出ると推測できます。残念ながら、「6時間以下の睡眠で大丈夫」と主張する人は、自分と自分の健康を欺いています。

Q:
睡眠が十分かどうかはどうすればわかりますか?

ウォーカー博士:
目覚まし時計を設定しない場合、寝過ごしますか?もし「はい」と答えるなら、もっと睡眠が必要なのは明らかです。週末により長い時間眠りがちですか?それは、その週に積もり積もった「借金」を週末に解消しよういうことです。しかし、そのような行為はうまく機能しません。借金を一括で返済できる銀行のようにはいかないのです。借金をためることができないし、後で支払うこともできないのです。

Q:
日中にカフェインを取るとどうなりますか?

ウォーカー博士:
カフェインが肉体に及ぼす効果は「眠りの妨げ」です。カフェインのほんの少しの良い点は、寝付きをよくするということですが、体内に少しでもカフェインが残っていると、深い睡眠を劇的なまでに妨げてしまいます。ですから、「寝付きがとても良いです」という人が、必ずしも安心だとは限らないのです。


Q:
夜にワインを飲む習慣についてはどうでしょうか?

ウォーカー博士:
「アルコールが眠りに役立つ」というのは誤解です。アルコールは鎮静剤です。鎮静は睡眠ではありません。鎮静には睡眠のような回復作用はありません。就寝前の6時間から8時間にアルコールを摂取した場合、アルコールがまずすることは「レム睡眠、つまり夢を見る睡眠の妨げ」です。レム睡眠は脳と体の機能に関係性をもつものです。そして、アルコールは眠りを断ち切ります。飲酒した場合にはそうでない場合に比べて、夜に目覚める回数が増えるでしょう。何度も起きる傾向にありますが、多くの人はそれを自覚していません。そのため、朝起きてもリフレッシュしていない感じがするのです。その原因は、ベッドに入る前に飲んだ赤ワインのグラスでしょう。夜中に何度も起きることで、翌朝のすっきりしない状態を生むでしょう。

Q:
眠るまでの準備はどのようにすればよいでしょうか?

ウォーカー博士:
ベッドに入る1時間前に、ディスプレイを見るのを止めてください。「現代は暗さを奪われた社会」であり、ディスプレイの光や室内の小さなライトでさえメラトニンの上昇レベルを抑えてしまい、睡眠の始まりを遅らせてしまいます。そこで、室内を薄暗くすることは役に立ちます。もし何か作業をする必要があるときには、一部の光をカットするソフトを利用してください。実際のところ、機器は完全に停止させる必要があるのですが。


Q:
ウォーカー博士の睡眠を助けてくれるツールは何ですか?

ウォーカー博士:
私は耳栓や顔を覆うマスクを使います。旅行をするときは、間違いなく耳栓とマスクを着用します。自宅にいるときは、遮光カーテンを使います。陳腐なことだと考えるかもしれませんが、私はこれを実践しています。




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