以下の内容はhttps://zombiewanwan.hatenablog.com/entry/2025/05/04/233939より取得しました。


Bumi Manusia(2019)

★★★

オランダによる植民地時代、知事の息子ミンケはエリートとしてオランダ人と共に学んでいたが、プリブミ(土着民族)であることから差別されていた。それを当然のものと反発心も抱かずに過ごしていたがある日、友人に誘われて遊びに行った家でニャイ(オランダ人の現地妻)であるオントソロとその娘アンネリースに出会う。オランダに身売りしたと蔑まれるオントソロと、プリブミとの間に生まれたこどもであるが故に「純粋なオランダ人」としては認められず「インド」と呼ばれるアンネリースが、その勝手に決められ価値づけられた立場に縛られながらも人間として誇りをもって振舞う姿に影響を受け、ミンケも理不尽な立場に置かれた自分自身を意識していくようになる。そうしてアンネリースと思い合うようになるミンケだが、オントソロの夫の死をきっかけに宗主国オランダの理不尽な法に行く手を阻まれていく。

=========

プラムディア・アナンタ・トゥール『人間の大地』の映画化。

プラムディアといえばおそらく日本で最も有名なインドネシア人作家で、作品も翻訳されている。四部作というこの代表作にまだ手を出せていないのだけど、堅い作品かと思ったら「ページをめくる手が止まらない」「先が気になりすぎる」といった感想が多くて気になる。65年事件で政治犯として収監された後に牢獄で書き上げ、更には80年に出版されても発禁処分になるという政治的、社会的に大きな影響力をもつ作品で、且つエンターテイメントとしても読ませるというのは、そりゃ政府は怖いだろうな。基本的には植民地支配への抵抗文学だけど、結局国民を従わせようとすれば政府のとる手段は独立国家であれ植民地であれ似たようなものになるから、社会に浸透するとまずい思想、ということになるんだろう。

ハヌン監督によるこの映画はインドネシア映画にしては珍しい3時間超えの作品になっている。山場がいくつかあるので終わりが見えないけど、長さはあまり感じない。最初から最後までメロドラマとして演出されているので展開はわかりやすい。多分原作もこういう雰囲気なんだろうな。アクションまでちゃんとメロドラマになっててハヌン監督、うまいな~。ただジャンルとしてのメロドラマがそんなに好きじゃないため、個人的には途中で飽きもありました。

ミンケが結婚しても記者として働いても大人に見えない役者イクバルの若さは、プリブミの置かれた「遅れた文明の民族/教えられる存在」というイメージのためにあえてキャスティングされてるのかな。同じプリブミでも戦う者として描かれたオントソロとは違った。ミンケは植民地政府の下でプリブミの支配層として働く父の息子だからオランダにさえ頭を下げていれば他では宗主国の人間のように振舞えたけど、オントソロはプリブミからもオランダからも見下げられる「現地妻」で、だから戦わないと人間らしくいられなかった。そのふたりの佇まいの差が凄かった。そして最も自由がないのはプリブミとオランダ人、二人の間に生まれたアンネリースだった。最後の展開衝撃的でした。双方から疎外され、依って立つところのないアンネリースがミンケと出会うことで自分の生き方を選択することができるようになるのに、その選択は簡単に奪われてしまう。相手の都合次第でアンネリースはプリブミにもオランダ人にもなり、どちらでもない中途半端な者としての扱いもされる。プリブミとニャイとインド、それぞれの立場を擬人化したような三人だけど決して類型的ではなく、生きてきた時間を感じさせる役でよかった。

娼館に芸者風の女性がいたんだけど、まだ日本の支配がはじまる前の時期に実際いたのかな。それともオランダ後の植民地支配を匂わせているのかな。日本語喋るシーンあったし、芸者風の華人というわけではなさそうだった。




以上の内容はhttps://zombiewanwan.hatenablog.com/entry/2025/05/04/233939より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14