
★★★
まだ幼い娘と年老いた母を連れ、夫から逃げたウェニン。引っ越した先でつつましく暮らしていたが、事故で母は死亡、娘は川に流されたまま行方不明になってしまう。警察の捜査も打ち切りになる中、ウェニンは諦めず探し続ける。児童向けプール教室の指導員ティルタや、母の雇い主だった日本人研究者テツヤに手助けもされるが娘は発見されないまま、だんだんとウェニンの周囲で奇妙なことが起こるようになる。
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『24 Jam Bersama Gaspar』のヨセフ監督。意外な王道ホラー作品だった。映画としてはそんなに完成度が高い作品ではないんだけど、インドネシアに限らずホラーに多い「理不尽な暴力の被害者となった恨みで悪霊になる女」または「悪霊に悩まされる被害者の女」という、女は被害者で弱くて霊にならないと復讐もできない哀れな存在、形式ではなく、夫にも別の男にも虐げられ娘が生きているはずだという話も聞いてもらえない蔑まれ続けるだけのウェニンが、生きたまま霊の力を借りて加害者をぶちのめし娘を救う、被害者で終わらないストーリーラインは結構よかった。
特に「女の話は聞かれない」というのがかなりはっきり打ち出されていた作品だと思う。ティルタが自分のポッドキャストをもっていることや、仕事を失ったウェニンがコスメの紹介動画を小遣い稼ぎで始めるのも「話すこと/話せないこと」「聞かれる/聞かれないこと」を強調した設定だった。ホラー演出の中で何回か挟みこまれるコスメ紹介動画のシーンの浮き方、印象的でよかった。ティルタのポッドキャストのくだりは掘り下げが足りなかったのでちゃんとエピソード作っていればよかったのにと思う。
尚玄がでているのは知らなくてびっくりした。鶴の折り紙がホラーに使われるのはわかる、だったんだけど、盆栽部屋だけ急にトンチキ日本になっていた。そしてやっぱ日本人=ロリコンイメージなんだろうな~~~となる展開でした。変えたいですね。イメージではなく実態の方をね……