
★★
人々を騙して強制労働させ私腹を肥やす悪徳政治家、その息子が仕切る工場で給料未払いを訴え団結する労働者、ジャカルタから選挙の取材にきた記者、それぞれの思惑が交わる村である日、工場労働者のひとりであるマヤの弟が姿を消す。マヤは労働争議のデモに参加しつつ記者のリサンと協力して弟を探すが、再会の前にゾンビが村に溢れ出す。
===================
ソースを忘れましたが公式が「インドネシア初」と言っていたような気がするゾンビもの。ポチョンが人を食べるホラーもありますがポチョンはポチョンであってゾンビではない。頭を撃つと動かなくなる、噛まれると感染する、においで人間を嗅ぎ分ける、というわりと王道のゾンビ設定でした。汚職政治と強制労働と労働争議から始まるのがインドネシアらしい。ただそのインドネシアポイントをほとんど生かせてなくて残念だったな。脚本が取っ散らかっていて、それらに意味がほとんどなかった。そしてアグニニハクの魅力を全く引き出せていないのがものすごいマイナスポイント。アグニニハク主演のゾンビドラマと聞いてこっちがどれだけ楽しみにしていたか…!!!!アグニニさんがゾンビをなぎ倒すシーンが各話1回あっていいはずなのに全編通してほぼないってどういうこと?そういう、すごく面白いのに生かせない設定が多すぎた。
ドリアンで鼻がやられるゾンビとかさ、ローカルで最高じゃん。タイのゾンビもそうなのかなとか思うし。ドゥクンが雨降らせてにおいを封じるのも、最高だと思うけどそこまでドゥクンの話一切しないのに突然出してきて祈祷させるからさすがにこちらとしてもそんな…って反応になるんですよ。急に出てきた知らないドゥクンに対して雨が降るのか降らないのかの緊張感をもてない。伏線がないんだよなこのドラマ……
それに加えて意図が見えないが故の恐怖があった。雨で無抵抗になったゾンビを嬉々として殺していくシーン、数日前まで人間だった存在に対しての敬意も恐れもなくて、あの状況とはいえ主人公サイドの態度としてそれはないだろうと思うし、赤い布でゾンビが撃退できると騙された(この騙され方も雑が過ぎる。騙されないだろ)民衆が赤いハチマキして赤い旗持ってゾンビに殺されまくるシーン、65年を想起させるしわざわざ赤い布にしているの意図的だとしか思えないんだけど、でもその目的が見えなくてものすごい怖かった。批判的視点もなく、エンタメに振ってるわけでもなく、曖昧模糊とした中で奮われる暴力……リアルといえばリアルだけど、意図されたリアルさに見えなくて制作陣が怖い。
いいところ、はちゃんとあったんだけどな。両親がいきなり食い殺されて泣き叫んでたエラが次に出てきたときには斧構えて頼りない男どもを守ってやるシーンとか。エラと弟のカップルも可愛かった。ただラッキースケベとかいらんもの入れてくるのでやっぱ制作が良くないなこれ。エラ役のマリアとってもキュートでよかったけどマリアへの搾取でもあるし嫌だった。
あとは個人的には悪徳政治家に忠実な犬がよかったです。むきむきで、理由は不明だが絶対的忠誠を誓っていて……なんでだかわからないほどの忠誠を……
エラが