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映画のフィルム配達人(映画館2館に対して1セットのフィルムしかないので、時間をずらして上映する。フィルムは映画館を往復することで間に合うように配達される必要がある)のジョニ。配達途中でバイクを盗まれたり映画に出る羽目になったりするが、無事にフィルムは届けられ、時間に間に合わせるというジョニの約束は守られるのか?
ジョコ監督の長編デビュー作。 スタンディングオベーションでした。センスがいい!!
冒頭の映画愛に溢れた始まりからジョニの仕事の説明、タイトルまでの流れが何ということもない映像なのにものすごい盛り上がってた。 当時のジャカルタの空気が香るような作品で、熱気と自由への希望に満ちていた。
どのトラブルもジョニの善性から巻き込まれるんだけど、それでもその選択を後悔しないし、見過ごすことができないというのをただ繰り返す。 一方どんなトラブルにあっても仕事を忘れることはなく、その根本にあるのがどんな仕事も等価であるというところなのも労働者映画としてとてもよかった。 光の当たる映画スターも、監督も、給料の低い技術スタッフも、チケットの売り子も映写技師も、映画にとって欠けてはならない一部で、労働であることをいい、その上で映画を賛美していた。
この辺り、グンダラに繋がるところで、見て良かったなと思う。JANJI JONIとグンダラは重ねて語ることができる。
たっぷりのクィアも最高でしたね。ケアする相手が異性ばかりじゃない!そこかしこに出てくるけど、なにより主人公が一目惚れした相手(ここはヘテロ)に声をかける決心をさせるのがトイレでいちゃついてるゲイカップルなのさいこ〜〜〜〜〜
経済的身分差からの迷いが大きいんだけど、その「誰か/社会に決められたお似合いの相手」なんてのは嘘だというのをクィアな視点で伝えてくる。
賄賂への皮肉や貧困層への偏見の指摘を生意気で賢い子どもに言わせるくだりも良かった。ジョニにも見えてないことはあって、でもそうやって出会うことはできる。きっとそれは映画ででも可能なことで、だからジョコ監督はこんなに愛に溢れた映画が作れるのだと思う。