※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

AEG S4 E12 『Lightning the Load』
脚本: ジョナサン・エルナンデス
監督: キャンべル・ブライアー
内容: ボランティアで灯台のライトを届けようとするニアだが、すぐに恥ずかしさのあまり、その配達が決して軽々しいものではなかったと認められなくなる。
【このレビューを始める前に】
これが初めて英国で放送される前とされた後に、Xのタイムラインでニアに対する議論がぶつかり合っていたのをよく覚えています。AEGのニアを否定するBWBA派と、BWBAのニアを否定するAEG派と、その両方のニアを全否定するクラシック派と云う3すくみの言い争いでした。驚いたことに、2026年になっても、ファンダムにおいてこの言い争いが収まる気配が無いのです。
そしてそれに関わらず私の意見は今日まで変わりません。私はどの"否定派"の意見にも賛同できません。単に好きだとか嫌いだとか好みの話なら構わないんですけど、なぜ9割方が「●●より☆☆の方が優れている」と比較でしか語れないのでしょう。
ぶっちゃけるとキャラクターの良し悪しは脚本によるとしか言いようがありません。事前に設定されている性格と共感できる追加の個性が十分に活きていないと意味がないからです。しかしながら、BWBA期でニアが「何もしなかった」や「トーマス界のメアリー・スーだ」と思い込んでいる人は、以下の主役回を1度でも観てください。
もちろんエドワードとヘンリーが主役級から外されたことに対する憤慨や「どうせ〜」という先入観を持たずにね。
●映画『Go!Go! 地球まるごとアドベンチャー』
●第22シリーズ『ニアとすうじ』(冒頭以外)
●第24シリーズ『ニアとあたらしいゾウさん』
これら該当のエピソードでは、どんな活躍をして、どんな弱点があって、どう乗り切っているのかをよく見てください。それですぐに成長の余地を未だ残している事と、メアリー・スーではないことがわかるはずです。私としてはレベッカほど個性的に描かれていないとはいえ、十分に面白いキャラクターに見えます。それに彼女がミサンドリスト(男性嫌悪)として書かれたことは一度もありませんでした。
それから、AEGのニアに「あたらしい個性が加えられなかった」とも到底思えません。精神年齢を落として子どものキャラクターに仕立て上げたことで、よりわんぱくな一面に、冒険と音楽好きな性格が目立つほか、目先のことに囚われる頭の固さと視野の狭さが加えられており、扱いやすくなったと考えています。
AEGは全体的に脚本の独創性が無く、ニアが「完璧な計画」で悩むだけの退屈なエピソードが多く存在しますが、中でもAEGのニアとして個性が確立できている良回は、以下の通りです。
●AEG第1(第25)シリーズ『じょうきでスッキリ』
●AEG第2(第26)シリーズ『パーシーつぎのしごとをさがす』
●AEG第2(第26)シリーズ『トライハーフロン』
●AEG第3(第27)シリーズ『Farmer's Market... on Wheels!』
●AEG第4(第28)シリーズ『Sheep Stampede』
以上の異論は、ニアを好きになれという話題ではないことをご理解ください。どのニアにも個性があるという話です。これだと投げやりみたいに感じられるかもしれませんが、この記事が【キャラクター研究】ではないからです。ニアについて確認を取る【キャラクター研究】はまた別途で投稿するつもりです。
【このエピソードについて】
さて、先ほどキャラクターの良し悪しは脚本によると言いました。脚本とアニメーションでによってどれだけ魅力を引き出せるかに関わります。今回はどうでしょうか。私としては全く期待できません。

ええ、それはそれとして、今回はあまり面白いものではありませんでした。AEGファンの間では賛否が分かれているようですけどね。私としてはニアの主役回としては弱い印象です。制作体制が変わらず142話にしてディーゼルが運ぶ予定だった重い列車をニアが頑張って引っ張れると考えるなんて、そもそもが馬鹿げていると思いませんか?
さて、今回のエピソードを簡単に説明すると、冒頭から中盤までがAEG第1シリーズ『ニアのかんぺきなけいかく』で、終盤はAEG第2シリーズ『ふきげんきかんしゃトーマス』をニアに置き換えたバージョンです。
『ニアのかんぺきなけいかく』と言えば、ジェームスなど脇役キャラクターに多くの出番が与えられていたので初見の時は好きでした。完璧な計画に囚われる回の中では、一番最初の『ニアのおおきなふうせん』より面白いです。しかし、これを2025年3月に公開された映画『ぼくのたいせつなともだち』の一部として映画館で観た時は、これほどまでに退屈な物語だったかと嫌でも痛感させられ、焦ったくてイライラしました。
AEGの殆どのエピソードは、キャラクター同士の対立をあまり目立って描かずに、説明口調でどう解決していくのかを懇切丁寧に語りながら展開する話が、長編作品を含めて多く、そのうち6つの「道徳に押された物語」を短編集として上手いことまとめようとしたものを映画館で観るのは本当に疲れます。座って観るのが苦痛でした。

今回はニアが自身の「完璧な計画」に囚われない貴重な回ではあるものの、ニアとして上手く扱えないばかりか、個性的な脇役キャラクターが出ない分、余計に淡白さを感じました。
それに番組表のあらすじでは「恥ずかしさのあまり軽々しいものではないと認められなくなる」とありましたが、実際に恥じる様子はありませんでした。聞けば、CNなどの放送局に提出しなければならない番組の枠は完成後ではなく完成前の段階で行わなければならず、そのため内容やタイトルが一致しないとのこと。ですから、今回も絵コンテ段階で脚本が大幅に変わった可能性があります。
確かに他に道がなくて丘をいろんな形で登ろうとするのがその名残なのではないかとも捉えられるのですが、番組表のあらすじに比べると本当にそれだけなので大して面白みはありません。というか、普通に退屈です。

カナが急ぎすぎた結果失敗をしてショートしたり、ディーゼルが港に来れなかった理由や、線路に撒かれた鳥の餌とそれを食む鶏が事故を起こしたトーマスとカナのものだと後に判明するといった伏線回収自体はよかったです。むしろなんで「ミステリー」を重点に置いた過去の数々の回でそれができないのだろうか!?
また、今回の道徳であり、タイトルのダブルミーニングにもなっている、気持ちが沈んでも友達と話しながら進むことで気持ちが「軽く」なり気分転換にもなるという点は共感できます。
ですが、それは、わかりやすいくらいに作り笑いをしたり不機嫌になって喧嘩することを除いた、『ふきげんきかんしゃトーマス』のニアとカナのバージョン以外の何物でもありません。では、友達がいない場合の気の落ち込みの解消法はどうしたらいいでしょうか。これについて日々悩んでいる人もいます。子どもであれば尚更です。このように同じ悩みでも葛藤と解決に違いを持たせてみたら、より興味深い物語になりませんか?
【チェックポイント】

灯台のライトが意思を持っているかのように動き出す古典的なアニメーションは、可愛くてちょっぴり面白い要素です。

灯台守のジョー船長だったりは… しないか。
全体的な面白さ:☆
遊び心:☆☆
キャラクター:☆☆
BGMの良さ:☆☆
アニメーション:☆☆☆
独創性:☆
道徳:☆☆
【最終的な感想】
最初の方にニアに対する魅力を自分の意見で長々と書きましたが、今回は悪い例です。「ニアが自身の『計画』に囚われない初めての主役回だ」と評価しているAEG全話視聴者たちは、『トライハーフロン』を観ていないのでしょうか? 直近で言えば『Nia's Green Surprise』は? 『Sheep Stanmpede』はどう見えているの?
バルストロードの目配せで暖かい気持ちに慣れましたし、ニアとカナの絆がまた観られたのは嬉しいところですが、全体的に独創性がなく、とてもがっかりしました。霧が徐々に立ち込めることさえ緊迫感がうまく機能していません。というか霧だろうと無かろうと、夜になった時点でアウトだろうが!
総合評価: 2/10
【AEG第4シリーズ総合評価】
1 Sheep Stampede 7/10
2 The Berry Best 6/10
3 Creepy Crawly Courage 8/10
4 Windmill Woes 5/10
5 Quacking Quandary 7/10
6 The Stinking Delivery 6/10
7 Don't Train on My Parade 3/10
8 Shiny Spiffy Sandy 8/10
9 Diesel's Bad Day 6/10
10 Moo-ving Friendship 6/10
11 Art Engines Go! 6/10
12 Lightening the Load 2/10