※この記事にはネタバレが含まれています。
また、記事の内容は個人的な意見であり、他者の代表ではありません。

AEG S4 E05 『Quacking Quandary』
脚本: ピーター・ガフニー
監督: キャンべル・ブライアー
内容: 沼地で奇妙な鳴き声を聞いたディーゼルは、その地域での配達を怖がる。
【このエピソードについて】
はい、昨年の9月にFlying Iguana Animationが挿入歌とオチのストーリーボードのデモをYouTubeに上げてリークしたのが、このエピソードです。
私自身、設定資料やストーリーボード、絵コンテなどアニメーション作品の裏側を知ることは大好きなのですが、本放送前にアニメーターがリークするのは本当にやめてほしいです。開いてみたら見た事がない第4シリーズの場面で、そっと閉じればSNSやコミュニティ上に散らばって回避不可能でした。AEG第1シリーズの頃にも別のアニメーターですが同じような事がありました。
AEGチームのアニメーターの大半がプロよりも若い人たちが多いのは知ってるし、自分の仕事の成果を見てもらいたい気持ちもすごくわかります。でも、せっかくリック・サヴァルやダニエル・シェアストロムがネタバレしないよう細心の注意を払ってファンとの交流をしながら秘密を守っているというのに、彼らの努力を踏み躙るようなものです。拡散する方もする方だ。せめて完成品が世に出てからにしてほしい。
まあ、知らなかった人には関係ない事です。早速観ていきましょう。

AEG第1シリーズ『ゆうれいれっしゃ』では、パーシーと同等かそれ以上にディーゼル(及びいたずら貨車たち)が臆病だという事が判明しましたよね。それ以降も、パーシーに並んでモンスター等を怖がって頑なに現実を直視しない描写が多くの短編や映画などにありました。怖がりなキャラクター性は扱いやすいとはいえ、彼はいつ成長するのかと思っていましたが、その時が来たようです。
今回は道徳に富んだものというよりは、キャラクターの相互作用を中心に物語が動くものでした。いたずら貨車とかテスとかいろんなキャラクターだけでなく、パーシーの視点とディーゼルの視点の切り替えが場を盛り上げます。
特に、ディーゼルの一番の相棒とも言えるブルーノの活躍が嬉しいです。『Bruno's Blustery Day』中盤よろしく、蒸気のヘッドフォンを譲渡します。ディーゼルには蒸気を出す事ができないので解決策の一つとしては彼にとって斬新だった事でしょう。

挿入歌「I am A-Okay」は、ブルーノから、音を遮断する蒸気のヘッドフォンをもらって、それまで怖がっていた沼地へ行くまで「もう何も怖いものはない」と自信がついた今のディーゼルの心境を歌ったアップテンポな曲です。
歌がなくても物語は成立すると思いますが、BWBA期の空想シークエンスみたいに心境の変化がわかりやすいので気に入っています。このエピソードもまた全体の尺のバランス自体が良く、そのバランスの良さを邪魔するわけでもなかったですし。

残念ながらAEGのミステリーもの、ホラーものあるあるは健在です。どういうことかと言うと、冒頭のパーシー視点の場面によって、視聴者は始めから沼地のモンスターの正体がわかっている状態で、沼地付近のルートを通ろうと勇気を出すディーゼルを見守る形になります。その正体が終盤まで明かされなければもっと面白かったのですが。
しかし、幸いなのは、このエピソード全体がホラーを焦点に描いたエピソードではなく、先述した通り、仲良しのカモたちを救おうとするパーシー視点と、沼地の奇妙な鳴き声を聞いて怯えるディーゼル視点の相互作用を繋ぎ合わせるような構成となっており、物語で退屈はしませんでした。キャラクター面でもそれぞれ良く描かれています。

AEGならルートがたくさんあるから別の道から行けばいいと考えそうなところを、この回では前提条件として、新しい工事をするためにその制限がかけられています。
この新しい工事こそが、このAEG第4シリーズの大きな特徴で、機関車たちが工事を手伝うエピソードが、シリーズ中、複数回に渡って展開されるようなんです。まさかこんなに早くに行われるとは。よってこれがシリーズの最終話への伏線になると考えられます。工事の手伝いをする描写も楽しくて、最後までだれずに観ることができました。
追記: 何の関係もありませんでした!!
【チェックポイント】

アニメーションと音楽は初回と同じくらい素晴らしいです。
劇中では、ディーゼルの車軸で筋肉のコブを作ったり、挿入歌の最中にディーゼルの機関室が初めて開いて、中の心臓型の部品とトランペットみたいなピストンが上下する奇妙な場面が存在します。
もしこういう設定だったら色々ツッコミを入れたいところですが、これもヨンバオのトラ模様と同じくカートゥーンギャグのそれだと思います。『ポパイ』とか『トムとジェリー』とかでよく目にする比喩表現でしょう。

今回はやたらと顔芸が多かった印象です。なんだか模型期の表情豊かな差分に近いインパクトを覚えたのは私だけでしょうか。
全体的な面白さ:☆☆
遊び心:☆☆
キャラクター:☆☆☆
BGMの良さ:☆☆☆
アニメーション:GREAT
独創性:☆☆
道徳:☆☆
【最終的な感想】
最終的にヘッドフォンが無くなっても友達を助けに行こうとする辺りは、第2シリーズ『ニオイモンスター』でも見られたので新鮮味はまあまあ薄いですが、今回はわかりやすく勇気を持って行動できているのは成長に一歩近づいた感じがして良かったです。これ以降怖がって大騒ぎすることもないだろうとは言えないですが、それでも楽しいエピソードでした。
さて、これで物語全体は観たので、癪に触るけどストーリーボードの方も観に行きますか。どうやら、ストーリーボードと完成品とで結構な違いがあるようです。
それにしても前期と違って快調な出だしですね。面白くない物語はあったものの、道理が通らない意味不明な回が無くて今の所楽しいです。
総合評価: 7/10
【AEG第4シリーズ総合評価】
1 Sheep Stampede 7/10
2 The Berry Best 6/10
3 Creepy Crawly Courage 8/10
4 Windmill Woes 5/10
5 Quacking Quandary 7/10