
施設でだいぶ弱ってしまった母親ですが、相変わらず帰りたいと言うので、こう答えました。
「明日、兄貴が来るから帰ろう。」
そうしたら母は喜んで、手を合わせて、嬉しそうでした。
翌日に兄が来るのは本当ですが、帰るはずの実家は空き巣に2回も入られりしたので、とても住めるような状況ではありません。
静かに寝ている母親に嘘を言うのは辛いことでしたが、ちょっとだけ笑顔になったのは正直嬉しかったです。
これまで面会時間は15分だったのに、この日は居室に1時間もいることができました。この施設にお世話になってから初めてです。こんなに長く母の居室にいられたのは。
あらためて母の居室を見回して、毎日どんな気持ちでここにいたのかと思うと、少々胸が痛みましたが、入居していなかったらこんなに長くは暮らせなかったのも事実。
寝顔に「ごめんね。」と謝って、母の居室を出ました。