
私の着物友だちで、いつも個性的な着こなしをインスタに載せている女性がいます。ジャージの着物を着たり、ラメの帯をつけたりと自由な着こなしで憧れます。
先月、彼女に会ったときに一重の素敵な和装コートを着ていたので、じっくりと見せてもらいました。今では販売していないコートだと聞き、一重なら真似して縫ってみようかと、図々しくも和装コートをひっくり返して裏側まで写真を撮らせてもらいました。
撫松庵の品だというのでネットを検索。同じデザインで裏付きのものがありましたが、お値段は10万円近い。
やっぱり、自分で縫うしかないですね。
早速生地の手配。ちょっと毛足のあるバービー仕様の生地を買いました。色はバーガンディ。赤と茶の中間みたいな色です。えび茶色っていうのかも。
型紙も自作しなければなりません。撮影してきた写真をよ~く見て、だいたいの形状を把握。そのコートで一番気に入った小さな襟は是非とも再現したい。
だいたいの製図は終わりましたが、襟こし(背中側の襟のカーブ)寸法だけがいまいちわかりません。ボディに長襦袢を着せて、羽織をはおらせて襟周りを研究しますが、自分で割り出した数値に自信が持てずにいました。
そこで引っ張り出してきたのが、大学時代の和裁の教科書です。3冊セットの内、学生時代に使ったのはたった1冊。ほかの2冊は全く開かないまま、なぜか捨てられなくて、ずっと手元にあります。40年を経て、さすがに外箱はシミだらけですが、中はとってもきれい!
あらためて読むと、その記載内容に驚きます。こんなに詳しく記述してある本なんて、今どき売っているのかな。写真こそ古くさいし、白黒ページが圧倒的に多いのですが、手書きイラストが随所にあり、寸法の数字ももちろん手書き。ページの端には、着物を着こなすマナーや針の起源など多様なトピックも書かれていて、読み応え十分です。大学時代は全く気づきませんでした・・・。
おかげさまで、コートや羽織の縫い方のページを参照して、やっと襟こし寸法をつきとめたので、型紙を完成することができました。やっぱり教科書は違います!
子どもから大人用まで、男女すべて、着物だけでなく下着も帯の縫い方まで網羅されています。もちろん帯の締め方やコーディネートも。
袴の縫い方のページには背中に付ける腰板の作り方、今では着る人が激減している綿の入った丹前(昔、波平さんが寒い時期に帰宅後に着ていた)の縫い方まで掲載されていて、和装のすべてが網羅されているのには本当に驚きました。
著者の岩松先生、すごいなあ。
まさにザ、教科書です。
出版社の雄鶏社も懐かしい。雄鶏社の手芸本にはどれだけお世話になったことか。
倒産してしまったことをウィキペディアで知りました。
今回、圧倒的な記載内容を見て、かえって将来が不安になりました。
これだけの技術、どうなっていくのでしょう。
和装文化、和裁の技術が廃れていかないといいけど。
AIをもってしても、和装全般の縫製は不可能でしょうね・・・。